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事例から学ぶ!不景気な時代の収益不動産の購入戦略と戦術」

第2回 取引事例を分析し購入戦略を立てる(分析編その1)

取引事例分析4(権利)

事例では売主が不動産ファンド会社のSPC法人であるため、「信託受益権」の売買になります。
ここではよくご質問を頂く「信託受益権と所有権の相違」を中心に説明します。

a.信託受益権売買とは
まず信託受益権の売買は、「不動産の売買」ではなく、「金融商品の売買」になります。(【図1】参照)
信託受益権売買には第2種金融商品取引業の登録が必要なため、その登録がされていない不動産会社は直接には信託受益権を取り扱えません。

【図1】信託受益権売買フロー

【図1】信託受益権売買フロー


(1)既に設定されている信託受益権を売却
(2)信託受益権の移転と同時に買主が信託契約を解除(残金決済時同日解除)
(3)受託者から実物不動産の返還を受け、以後は通常の所有権不動産として保有

b. 費用面での相違
次に、信託受益権の売買では、【図1】の(2)信託解除の時点で、買主には実物不動産の所有権移転に係る登録免許税(※1)と不動産取得税(※2)が課税されます。
また、登録免許税(増額要因)と印紙税(減額要因)で違いがあり、所有権売買に比べ諸費用は多くなります。

※1 登録免許税
土地) 固定資産税評価額×2%・・・所有権売買の場合は1%(平成23年3月31日迄の軽減措置)
建物) 固定資産税評価額×2%

※2 不動産取得税
土地) 固定資産税評価額×1.5%
建物) 固定資産税評価額×3%(居住用の場合)

※3 印紙税
信託受益権の売買契約になるため、通常の所有権売買と印紙税が変わります。
売買契約時に200円の印紙が必要

c.書類面での相違
所有権売買の場合、主な書類は、「売買契約書」「重要事項説明書」ですが、信託受益権売買では数多くの書類が登場します。

<売買関係>
(1)受益権売買契約書
(2)契約締結前交付書面
(3)契約締結時交付書面
(4)重要事項説明書
(5)金融商品取引法第34条の規定に基づく告知書兼承諾書

<信託関係>
(6)受益権譲渡承諾依頼書兼承諾書
(7)不動産信託契約解除証書
(8)引渡兼受領書
(9)印鑑届
(10)信託に関する覚書

<媒介関係>
(11)受益権媒介契約書
(12)媒介締結前交付書面
(13)媒介締結時交付書面

等があります。

d.信託受益権のスキーム
信託受益権のスキームの概要は【図2】のとおりです。
信託受益権の売主サイドには多くの関係者(売主:SPC法人、AM会社、投資家、レンダー会社、信託銀行)が存在することがご理解いただけると思います。

【図2】信託受益権のスキーム

【図2】信託受益権のスキーム

※4 AM(アセット・マネジメント) : 投資用不動産を投資家に代行して管理・運用する業務
※5 PM(プロパティ・マネジメント): 不動産の物理的管理、賃借人等の契約管理・賃料の収受、管理費用の支払代行等の業務

なお、買付証明書を入れる場合は、投資用不動産を実際に管理・運用しているAM会社に提出するのですが、通常は投資委員会なるものが月1〜2回程度行われているため、回答に時間がかかるのが特徴です。今回の取引事例でも、売渡承諾まで最短3週間、最長2ヶ月半の時間を要しました。

<ワンポイントアドバイス>
不動産ファンド会社の放出物件に興味がある方は、物件情報を提供している不動産会社が第2種金融商品取引業登録しているか確認が必要です。
なお弊社では、関連子会社が第2種金融商品取引業登録をしており、情報提供から引渡しまでその関連子会社が対応しています。

次回は、「取引事例を分析し購入戦略を立てる(分析編その2)」として、
「取引事例分析5(年収・利回り)」「取引事例分析6(減額率)」「取引事例分析7(購入名義)」「取引事例分析8(借入機関・自己資金・評価)」の項目について分析いたします。
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大野 晃弘
大野 晃弘 株式会社日本資産総研コンサルタント

不動産戦略コンサルタント

不動産・建築企業、独立系FP企業と医療機関経営コンサルティング企業での営業企画担当およびコンサルタントの経験を活かし、お客様へ包括的な提案並びにコンサルティングを実践。

相続・事業承継、不動産・土地の有効活用等の資産税対策を得意とし、経営士、FPの資格やコーチング手法を活用したコンサルティングを実践しており、説明や提案書のわかり易さに定評がある。

昨今は金融機関、公益法人主催セミナーにて多数講演を実施し、経済新聞からの情報活用術に好評を得ている。

また、昨今の世界金融危機・不動産不況の中、自ら戦略を立て、収益不動産購入コンサルティングを実施し、6ヵ月間(2008年7月〜12月)において、合計7棟・19億円の(平均利回り10.7)収益不動産の取引実績(不動産ファンド会社放出物件を主として)をあげる。

株式会社日本資産総研コンサルタントのホームページはこちら


なお、このコラムは楽待コラムコンテストの受賞作品です。
>> 楽待コラムコンテストの概要  >> コンテストの結果発表

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