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不動産投資で物件を選ぶ際に立地は重要だが、入居者の心を揺さぶり得る「ツボ」は他にもある。この「ツボ」を正しく見極めることで、手堅い収益を生む物件に出会う可能性が上がるかもしれない。

快適な暮らしはアクセスや買い物の利便性だけではない

今回お伝えする「ツボ」は、行政サービスの充実度だ。一口に「快適な暮らし」と言っても、年齢層や家族構成、ライフスタイルによってニーズは異なる。

通勤・通学や買い物などの利便性は重要だが、生活する上でコストパフォーマンスの良さはより重要な課題。買い物や飲食などの物価が安いというのは魅力的ではあるが、生活に掛かるコストはそれだけではない。

若い世代の単身者はターミナル駅までのアクセスやエリアのブランドイメージ、最寄り駅への利便性を重視する傾向がある。生活する上でのコストパフォーマンスに対する意識も、ファミリー層ほど高くはない。

一方、子育て世帯では教育費や医療費が家計費に占める割合が多くなり、妊娠や出産時の助成制度、子供の医療費の無償化などは重要な問題。共稼ぎが当たり前になった社会状況下では、保育所・幼稚園の充実度やその費用は大きなポイントになる。

高齢者のいる家族、もしくは高齢者自身にとっては、高齢者福祉の充実が重要といえる。総合病院だけではなく、地域医療のネットワークや介護施設が整っていれば安心につながる。また、地域密着型の高齢者福祉事業が充実している地域はポイントが高い。その意味では、ファミリー層にとっては特に、行政サービスの充実度は快適に暮らすための重要なポイントとなる。

行政サービスの充実度が高いマイナーな地域が狙い目

少子高齢化が進む中、各自治体は高齢者福祉や子育て支援など様々な取り組みをしている。そういった事業を展開する上で大きく影響するのが自治体の財政力で、行政サービスの充実度と財政力は密接な関係にある。

財政力に余裕がある自治体ほど、行政サービスの充実度が高い傾向がある。その点を考慮すると、財政力の高い自治体に注目することが投資物件探しにおけるポイントのように思えるが、それだけが投資物件探しの「ツボ」ということではない。

全国で最も財政力があるのは東京都区部だが、区別に見ると港区、渋谷区、千代田区がベスト3。これらの財政力に余裕のある自治体は、確かに行政サービスは充実しており人気エリアでもある。

しかし、当然これらのエリアは物件価格が高額となる。立地に難がある割安物件を見つけて行政サービスの充実度をアピールするという手はあるが、収益面を考えると堅実な投資とは言い難い。

投資物件として重要なのはあくまでも安定した高収益なので、入居率の高い物件をできるだけ安く購入する必要がある。そのためには、比較的マイナーで行政サービスの充実度が高い地域で物件を探すことが「ツボ」になるというわけだ。

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