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「金融庁や日銀が、金融機関の投資用不動産に対する融資への監視を厳しくする方針だ」2016年ごろからこのような報道があり、今年に入ってからも大きく騒がれた話はご存じだろう。

そこで、実態はどうなのか。今年に入って金融機関をまわった投資家4名と、元銀行員の投資家に実際の状況を聞くとともに、金融庁と日銀の担当者にも直接、見解を聞いた。

取材を進めると、地銀担当者が新規参入のサラリーマンにはもう融資はしないと断言したとの証言も。

金融機関の融資は、今後はどうなっていくのか、また、風向きが厳しい状況で融資審査を有利に進めていくための秘訣について取材した。

金融庁、日銀がリスク管理に着目

金融庁が2016年に出した金融レポートでは、アパートローンを含む金融機関の不動産向け貸出が、特に地銀で拡大している点が取り上げられ、「今後の動向について注視が必要」と記されている。

金融庁は取材に対して「業者が大家にセールスをかけている。しかしそれは本当に実需に基づいているのか。各銀行は見る必要がある」と話した。動向について、注視の必要性の背景を説明するとともに、各金融機関への対応を求める姿勢を明らかにした。

また、日銀も2017年の銀行への立ち入り考査で、アパートローンを含めた不動産関連貸出審査体制を重点的に点検する方針だ。日銀の担当者は、点検方針については「不動産関連貸出は、金融機関が積極的に注力している」と書面通りの回答をしたが、「金融機関のリスク管理がしっかりできているか、点検しなくてはいけない」と断言もした。

漠然と厳しさを実感

楽待編集部が5月に実施したアンケートによると、「今年に入って銀行の融資姿勢の変化を感じますか?」という質問に対し269名の不動産投資家らのうち47%と約半数が「わからない」と答えた。直近で銀行に融資案件を持ち込んでいない、金融機関の担当者と話をしていない、という回答が多く見られ、まだ直接変化を実感していない、状況を把握していないというのがその理由だった。

他方、30%が実際に「銀行の融資姿勢が引き締められていると感じる」と回答した。「引き締められている」と感じた理由については「メガバンクが3億円の資産を求めるようになった」、「(担当者が)二言目には『金融庁のチェックが厳しくなっている』と言う」、「融資年数が以前より伸びない」、「銀行の担当者から、『今までのようなオーバーローン、フルローンは出せない』という発言があった」などのリアルな回答が並んだ。

融資の相談をしていないなどの理由から、自身に実感はなくとも「厳しくなったという話を聞くようになった」という声は多数上がった。実感はしていないが「なんとなく厳しい状況になっている気がする……」と漠然と感じている投資家も多く、まさにこの数か月で投資用不動産をとりまく融資状況が少しずつ変化していることがわかる。

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