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こんにちは! 不動産鑑定士、不動産投資コンサルタントの浅井佐知子です。

皆様は賭け事が好きですか? 賭け事というと、私が思いつくのはパチンコ、競馬、マージャンなどでしょうか。どちらかというと参加者はオジサマが多く、夢中になりすぎると危ないゲーム、というイメージが強いです。もちろん、不動産投資は賭け事とは違いますね。

そんな賭け事の中でも、「カジノ」というのはちょっとおしゃれな感じがしませんか? ラスベガスの高級ホテルで、シャンパンを片手にブラックジャックをするとか。そんな光景が近い将来、日本にも見られるのでしょうか?

「カジノ法」とは?

2016年12月にIR整備推進法(カジノ法)が可決され、国内でも横浜、大阪、長崎などで誘致に向けた検討が進んでいます。当初は2020年の東京五輪開催に合わせてオープンを予定していたようですが、間に合わない可能性が高く、現在では、むしろポスト東京五輪の観光振興の柱となることが期待されています。

政府がモデルとしているのは、シンガポールのカジノです。シンガポールでのカジノの位置づけは、あくまで主要施設の一部であり、レジャー、ビジネス、エンターテイメントなど、 カジノを含む統合型リゾートとして設計されました。またインフラ整備が進んだシンガポールのカジノ周辺では地価が上昇しました。

カジノの市場規模は3000~4000億円と試算されていますが、日本もシンガポールのように地価上昇があるのでしょうか?

ランドマークが地価に与える影響は?

カジノが地価に及ぼす影響を考えるうえで、過去、日本にランドマークになるようなものができて地価は上がったのかどうかを考察してみたいと思います。

直近でのランドマークといえば、2012年(平成24年)5月に電波塔・観光施設として開業した東京スカイツリーがあります。場所は東京都墨田区押上一丁目、観光・商業施設やオフィスビルが併設されています。

下記の表は墨田区と東京都区部の商業地の上昇率を比べたものです。2010年を見ると、東京の商業地の地価はまだマイナスでした。そして、区部平均よりも墨田区のマイナスは小さいのが分かります。開業の年である2012年もまだマイナスですが、やはり墨田区の方がマイナス幅は小さいです。2013年には墨田区はプラスに転じますが、次の年には区部商業地が逆転します。

この表から、スカイツリー開業の期待感で上昇したものの、その後は本来の地価動向に戻ることが分かります。

 

墨田区

東京都区部

商業地平均

2010年

-7.0%

-9.8%

2011年

-1.3%

-3.0%

2012年(開業)

-1.0%

-2.1%

2013年

0.4%

-0.4%

2014年

2.3%

2.7%

2015年

2.0%

3.4%

2016年

2.6%

4.8%

2017年

3.3%

5.5%

(国土交通省 土地総合情報ライブラリーより作成)

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