Step2

収益物件を購入する

 

ここでは、物件探しや現地調査時のチェックポイントをご紹介します。

 

絶対に確認すべき資料

物件概要書
建ぺい率オーバーや容積率オーバーなどの違法建築でないか。用途区域は市街化区域か。公道に面しているか、私道の場合は持ち分があるか。

レントロール(家賃表)
必ず最新の情報を確認する。悪質なケースでは満室に見せるために入居者を偽装しているケースもあるので、可能であれば契約期間や入居経緯も。

固定資産税の評価証明書
土地と建物の比率を確認する。評価額が高い方が融資の審査を受ける上で有利だが、その分固定資産税や不動産取得税が高くなる。

建物図面
新築時と現状に異なる点はないか。

建築確認済証
建築基準法を遵守した建物か。
また、各種補助金の申請に必要になるケースがある。

不動産登記簿謄本
登記簿の情報と物件概要書に異なる点はないか。担保物権(抵当権、根抵当権、質権)が設定されていないかどうか。

修繕履歴
外壁、屋根、屋上、エレベーターなど、修繕費用が高額になる箇所が既に修繕されているか。されていなければ将来の支出として計算する。

現地案内図(地図)
賃貸需要が見込めるか。想定される入居者に必要な周辺環境が整っているか。単身者向けの物件ならコンビニ、ファミリー向けの物件なら学校や病院など。

部屋の間取り図
不人気の間取りではないか。収納は十分か。

公図、求積図
道路付け(道路が敷地のどの方角に接しているか)や隣地との境界。

物件の写真(外観・空室)
できるだけ最新の状態を確認する。外観はGoogleストリートビューなどで代替することもできる。

現地調査時のチェックポイント

物件の見た目
第一印象 第一印象が良くないと敬遠され、空室が出た際に客付けに苦労することになる。
周辺物件

との比較
周辺物件よりも勝っているか。負けている場合は内装や家賃で勝負できるかを検討。
清潔感
全体の清潔感 外壁、屋根、植栽、自動販売機周辺など、外から見える部分に清潔感があるか。清掃で汚れが落ちるものは購入後の対応でも可。
共用部

の清潔感
エントランス、通路、階段などの共用部分が荒れていないか。荒れている場合、清掃や片付けで済むか。
前面道路

の清潔感
敷地外で通常は清掃されないため、少しの手間で印象の改善につながる。いつも綺麗なら管理会社が真面目で熱心な可能性あり。
植栽の

手入れ状況
樹木や草が伸び放題になっていたり、隙間にゴミが捨てられたりしていないか。
建物
基礎と地面の
間の隙間
地盤が軟弱だと地震の際に隙間ができやすい。当然、隙間のある物件は避ける。
基礎のひび割れ ひび割れの幅が広い場合は、構造に深刻な影響を及ぼす可能性も。一般に0.3ミリを超えると注意が必要。
地盤沈下

の可能性
地盤が軟弱でないか。湿地や沼の埋立地でないか(古地図で確認できるケースも)。地盤沈下が起きると物件が傾くが、その解消には多額の費用がかかるため避ける。
垂直性 水平器で計測する。もしくは床にビー玉を転がして調べる。
違法な増改築 登記簿に記載のない部分がないか。
周辺環境
周辺の印象 自分が住んでも良いと感じられる環境か。
日照に関わる
建築計画の有無
周辺に空き地がある場合は、建築計画の看板がないか確認する。
騒音の有無 電車、幹線道路、高速道路などが近くにある場合に、室内で騒音の程度を確認する。
嫌悪施設の有無 家賃を相場より下げざるを得ないので避けたい。ゴミ焼却場、火葬場、下水処理場、高圧線鉄塔、墓地、ガソリンスタンド、ガスタンク、火薬類貯蔵所、悪臭・騒音・振動などを発生させる工場、危険物を取り扱う工場など。
ライバル物件の
稼働状況
周辺のライバル物件に空室は目立っていないか。ライバル物件に空室が多いと、自分の物件もまた客付けに苦戦する。
周辺施設
最寄りの駅

やバス停
徒歩で何分かかるか、路線(どこに行けるのか)などを確認。
駐車場の有無 特に地方で、物件の戸数よりも駐車場が少ない場合、周辺に駐車場があるかを確認する。
就学施設の有無 大学、短大、専門学校など。特に単身者向けの物件は、就学施設が周辺にあると入居付けしやすい。ただし、キャンパスの移転計画やその噂がないか注意。
病院の有無 内科、歯科、小児科など。単身者向けには休日診療をしていたり受付時間が長いとよい。ファミリー向けには特に小児科があるとよい。
スーパー

マーケット、
ホームセンター

の有無
生活必需品が手に入るお店があるか。
銀行、郵便局、
役所の有無
これらの施設が周辺にあるエリアは、賃貸需要が高い。
飲食店の有無 食堂やファミレスなど。特に単身者向けには営業時間が長いとよい。
コンビニの有無 徒歩数分圏内にコンビニがあるとプラス。

 

現地調査は、2回以上訪問することが基本です。最初は一人で、2回目は複数人で見に行きます。一度は第3者の眼を入れましょう。現地調査の時間帯をずらし、物件や周辺の昼の顔と夜の顔をそれぞれ確認するのも効果的です。

また、何度も物件を見ていると、買ってもいないのに愛着がわいてくるものです。そんな時は、問題点を見つけても「頑張って探して見つけたし」「これも何かの縁だろう」と、感情に流されがちです。

しかし、あくまで自分の基準に基づいて判断し、少しでも購入条件に合わなければ妥協せずに見送る。不動産投資を成功させるためには、それくらいの冷静さが必要になるでしょう。