収益物件を購入する
購入したい物件が見つかったら、売主に買い付けを入れます。「買い付け」とは購入の申し込みのことです。不動産会社に「買付証明書(購入申込書)」を提出することで、売主に物件を購入したいという意思を表明します。
買付証明書には、購入希望金額、支払方法、有効期限などを記載します。この書面で、販売価格より低い価格を提示して値引き交渉を行ったり(指値)、逆に販売価格より高い価格を提示して競ったりする(買い上がり)こともあります。
実際の買付証明書を見てみましょう。
ここで、買付証明書についての疑問をQ&A形式でお答えします。
例えば、ある物件に複数人から買い付けが入った場合、売主はその中から1人を選んで売ることになります。誰に売るかをどうやって決めるかは、売主によって異なります。
・買い付けの順番が早い人
・購入希望金額が高い人
・現金買いの人(融資よりも確実で早い)
など、決め手はさまざまです。つまり、買い付けを入れたからといって、必ずしも買えるとは限らないのです。
Q1でお伝えした通り、誰に売るかをどうやって決めるかは売主によって異なります。そのため絶対的な答えはありませんが、例えば「買い上がりをする」「融資の内諾を得ておく」など、売主にとって良い条件を提示するのは一つの方法でしょう。
良い条件を提示できない場合には、気持ちを伝えましょう。「物件に一目ぼれした」「購入できたあかつきには、永年大切に……」など、売主の気持ちを汲み取ったメッセージを送ることで、他の方と差別化できるかもしれません。
上記の買付証明書でも、売主様へのメッセージを付けていますので、参考にしてみてください。
買付証明書に販売価格よりも低い金額を記入すれば、値引き交渉ができます。このことを「指値を入れる」といいます。
しかし、根拠が薄い自分本位な指値を入れると、そもそも交渉に応じてもらえなかったり、応じてもらえても決裂しやすくなるでしょう。
上記の買付証明書のように、「積算価格や収益価格を参考にする」「購入後にかかる修繕費を差し引く」など、売主に納得してもらえるように工夫をしましょう。
原則として、買付証明書に法的な拘束力はありません。正式な申し込みの前段階で、購入したいという意思を表明するための書類として扱われています。つまり、買主の意思で買い付けをキャンセルすることができます。
しかし、法的な拘束力がないからといって、理由もなく安易に買い付けをキャンセルしていては、不動産会社からの信用を失ってしまいます。今後、良い物件を紹介してくれなくなるかもしれません。
やむを得ずキャンセルする場合は、きちんと理由を告げて、不動産会社との信頼関係を壊さないように注意しましょう。