収益物件を購入する
融資は、定型商品か非定型商品か、金利の種類、返済方法などで分類できます。今回はその分類の中から、押さえておくべき基礎知識をご紹介します。
「アパートローン」と「プロパーローン」
不動産投資の融資は大きく2種類に分けられます。「アパートローン」と「プロパーローン」です。
アパートローンは、融資条件(融資期間、金利など)がパッケージ化されている商品で、サラリーマンなどが主な対象です。融資が下りる条件がチェックリスト化されており、銀行のチェックをクリアすれば融資を受けることができます。
一方プロパーローンは、融資条件が案件ごとに個別対応される商品で、会社経営者や地主が主な対象です。そのため、アパートローンのように定型的なチェックリストは存在しません。物件の評価や借り手の財務状況などを総合的に判断して融資条件が決まります。
わかりやすくお伝えすると、「アパートローン」は既製服、「プロパーローン」はオーダーメイドというイメージです。
「固定金利」と「変動金利」
融資を受けたら、借入額だけを返済すればいいわけではありません。「金利」を上乗せして返済する必要があります。その金利の種類として「固定金利」と「変動金利」があります。
固定金利の場合、指定した期間は一定の金利となります。そのため、返済額が確定していて資金計画が立てやすい、融資を受けた後に市場金利が上がっても影響を受けないというメリットがあります。
一方、物件の売却などにより返済を早めると違約金が生じる、融資を受けた後に市場金利が下がっても影響を受けないというデメリットがあります。
変動金利の場合、状況に応じて金利が変動します。固定金利と比べて金利が低いため、金利が上昇しなければお得というメリットがあります。
一方、返済額が確定しないため資金計画が立てにくい、金利が上昇するリスクがあるというデメリットがあります。
「元金均等返済」と「元利均等返済」
融資を受けた際の返済方法には「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。
「元金均等返済」とは、融資期間で均等に割った「元金=借入額」と、借入残高から計算される「利息」を合計して返済することです。元金の減少が早いため、同じ返済期間の場合、元利均等返済より総返済額が少なくなるメリットがあります。一方、最初の返済負担が重くなるというデメリットがあります。
「元利均等返済」とは、元利(元金+利息)の合計額を融資期間で均等に割って返済することです。返済開始から終了まで返済額が同額となるため、資金計画が立てやすいというメリットがあります。一方、最初の返済は金利が占める割合が高く、借入残高がなかなか減らないというデメリットがあります。
このように、融資条件一つとっても、さまざまな取り決めがあります。内容を十分に理解し、自分に合った融資条件を選択するようにしましょう。