鈴木様への質問rev1_06082015

楽待新聞読者から頂いた、不動産投資にまつわる疑問や質問をプロの投資家に答えてもらう豪華企画!!

今回、皆さんの疑問を解決してくれるのは、DVD「8つの戦略2015」でお馴染み、鈴木学さん(海外不動産投資を担当)。

世界5カ国でグローバルな不動産投資を行っている鈴木さんに、海外不動産投資の魅力や現状、世界経済について効率よく学ぶポイントについて、根掘り葉堀り聞きました!

Q1.今アツイ国として、アメリカやフィリピンなどをDVDの中でご紹介されていましたが、それらの国以外で、新たにアツイ国は出てきていますか?(33歳・会社員)

A1.カナダやオーストラリア、ベトナムがアツい!!

先進国では、アメリカの他に、今通貨安となっている資源国カナダやオーストラリアがアツいと思います。円換算しても割安に買えますので。新興国では、今年7月に外国人の不動産投資が事実上解禁されるベトナムが注目に値すると思います。

Q2.海外で不動産を購入するためには「世界経済」と「為替」に関する基本的な理解が必要と書かれていましたが、ここだけは抑えておくべきという指標などがあれば教えて下さい。(39歳・会社員)

A2.為替を動かす「主要な要因」と「心理的要因」を理解する

まず、為替を動かす主要な要因を理解することが肝要です(公定金利&マネーサプライ、貿易収支、経済成長率&雇用指標、資源国の場合は原油価格など)。

一般的にいうと、
・金融緩和されると、通貨が下がりやすい
・貿易収支が黒字だと、通貨が上がりやすい
・経済成長率や雇用が上がると、通貨が上がりやすい(特にアメリカは顕著)
・資源国の場合、原油価格が上がると、通貨が上がりやすい

次に、為替に影響する人々の心理的要因として「リスクオン」、「リスクオフ」を理解することが大事です。

リスクオン(多くの人が、世界経済の成長を予測している楽観局面)では、新興国や資源国通貨が上がりやすい。逆にリスクオフ(リーマンショック、ギリシャ経済危機などの後、多くの人が、世界経済の先行きを悲観する局面)では、米ドルや日本円などが上がりやすい傾向にあります。

Q3.今後、円高、円安など、対米ドルで考えた場合の円の価値はどのようになっていくと予想されますか?(36歳・会社員)

A3.アメリカの経済に左右される

当面は、アメリカ経済に左右される面が大きいと思います。アメリカ経済が順調に成長し、雇用増加、利上げの流れになれば、リスクオンになって、さらに円安が進むでしょう。逆に、アメリカ経済が減速するか、世界のどこかで経済危機の予兆が起こるとリスクオフになって、円高に振れる可能性が高いでしょう。

長期的には、日本やアメリカが巨額の財政赤字をファイナンスし続けられるのか、という要因が絡んでくるでしょう。アメリカも問題を抱えていますが日本の方がリスクが高く、懸念が表面化すると円が下がりやすいでしょう。

Q4.海外不動産に投資したい場合、その国の情勢や融資状況、不動産に関する法律などを学ぶのに適した勉強方法を教えて下さい。(45歳・会社役員)

A4.「赤本」を買って勉強する

東京コンサルティングファームが出している「赤本」を買って読むのが、最もコスパの高い学習法だと思います。詳しく聞きたい場合は、同社にコンサル料を払って調査してもらうこともあります。

Q5.株だと、為替の差益でかなり儲かっている人がいると聞くのですが、海外不動産を所有している人でも同じような経験をしている人はいるのでしょうか?(36歳・会社員)

A5.差益で儲かっている人は、いる!!

はい。外国株と同様、海外不動産も外貨建て資産になりますので、為替差益はとれます。たとえば、1ドル=80円の時代にアメリカ不動産を買って、今1ドル=124円の局面で売れば、円に換えた時50%以上の為替差益になります。

Q6.海外では、戸建てや区分マンションに投資するのが一般的ですか? 一棟アパートやマンションに投資するのは難しいのでしょうか?(46歳・会社員)

A6.国によって異なる

国によって違います。アジア新興国では区分マンション(コンドミニアム)投資が一般的、欧米先進国では戸建て、タウンハウスが多くなります。サラリーマンが融資を組んで一棟まるごと買う投資手法は、日本ではポピュラーですが、海外では私の見聞する限り、それほど一般的ではありません。強いていえば、アメリカだと一棟物件への投資がチャレンジしやすいかもしれません。

Q7.日本にいながらアメリカに物件を持つと、大きな節税効果があると聞いたのですが、本当ですか?(39歳・会社員)

A7.最初の4年間は節税効果を得られるが……

アメリカで、築22年以上の木造戸建てを買って日本で申告すると、「4年間で快速償却」できますから、最初の4年間は所得の高い方ほど大きな節税効果が得られます(その代わり、売却した時に譲渡所得税がかなりの額になります)。

Q8.アメリカのローンはノンリコースローンが一般的とお話されていましたが、その場合は不動産の価値はかなり低く評価されるのでしょうか?(38歳・会社員)

A8.担保価値は低くならない!

いいえ。アメリカなど英米圏は、「ノンリコースが当たり前」の世界ですから、ノンリコースローンだからといって不動産の担保価値が低くなることはありません

Q9.今、このエリアへの投資は控えた方が良いという場所はありますか?(29歳・会社員)

A9.特になし!! どの国にも探せば良い物件はある!

特にありません。どの国・都市でも、良い物件は良いし、悪い物件は悪い。どんなに人口減少がひどくて、治安が悪くても、探せばその都市にお宝物件はあるはずです。投資家として避けるべきは具体的なエリア・都市名というというより、下記の3点です。

① 供給過剰エリアで特色のない物件を買ってしまうこと
② 地域マーケットに合わない割高な価格で買ってしまうこと
③ 地域マーケットに合わない割高な賃料で貸さないと収益がでない物件を買ってしまうこと

Q10.今後、日本人の投資家が海外に物件を持つことが多くなると思いますが、どれくらいの時間をかけ、どれくらいの規模まで広がっていくとお考えですか?(33歳・会社員)

A10.今後10年ほどかけて、どんどん身近になる!

私がアジア太平洋大家の会をはじめた2011年に比べれば、現在でも十分、海外不動産投資をはじめる方が増えているように感じます。その規模は、もっと大きくなるでしょうね。今後10年ほどかけて、日本でも普通のサラリーマンや主婦が海外不動産投資をますます身近に感じるようになると予測しています。

鈴木さんからの一言コメント

海外不動産投資は、いろいろな国に不動産を持つだけでなく、いろいろな国の経済や人々に関われる夢のある投資です。

情報は増えていますが、悪い業者がいたり玉石混交なので、仲間を作ったり、勉強しながら投資をすると加速して投資ができると思います。

鈴木 学さんプロフィール

千葉県柏市出身、東京都内在住。

大学卒業後、外資系企業のITエンジニアとして勤務。日本・中国・オーストラリア・アメリカ・インドと5カ国での就労経験あり。日本語の他、英語・中国語・韓国語が話せる語学力とITを駆使して世界5カ国で不動産投資を行う。

2011年に「一般社団法人アジア太平洋大家の会」を創立し、海外不動産投資に特化した勉強会などを行っている。2013年にサラリーマンを退職。現在は、主にアジア圏の海外投資家に日本の不動産を売却するビジネスを展開しており、自身でも5カ国に20物件を所有中。

著書に『決定版!海外不動産投資《地球の買い方》』がある。

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