面倒なオーナー最終_06052015

物件オーナーから、「良い管理会社を見つけるのは難しい」「親身に対応してくれる管理会社の担当者と出会うまでが大変」といった話を聞くことが多い。こればかりは縁だから……と半ばあきらめている方も多いのかもしれない。良い管理会社を見つけることができたエピソードを聞いても、結局は「担当者と馬が合ったから」といった属人的な内容が多いのも事実。

一方で、管理会社は日々顧客として付き合うオーナーをどう見ているのだろうか。客商売を行うすべての業種に共通する「面倒な客」は、きっと管理会社にとっても存在するだろう。だとすれば、彼らが感じる「面倒なオーナーの特徴」を知っておくことは、管理会社の担当者と良い関係性を構築するための手がかりになるのではないだろうか。

今回、都内の管理会社に勤める山下さん(35歳/仮名)が、自身と周辺のエピソードを匿名を条件に明かしてくれた。自分に当てはまる部分がないかも含め、参考にして頂きたい。

「君に任せる」と言うオーナーほど、実は提案を聞かない

「同業者と酒を飲む機会が多いのですが、面倒なオーナーに関する愚痴は毎回のように出ます」

そう切り出した山下さん。業界経験は15年、これまでに管理会社4社を渡り歩き、同業の知り合いは多いという。

自身の経験からもっとも面倒だと思うのは、「提案を受け入れない」オーナー。共通する悩みを抱える同業の仲間も多いそうだ。保有物件の空室はオーナーにとっても管理会社にとっても重要な課題だから、担当者としては当然あの手この手を尽くして提案をする。

入居条件の見直しはできないか、相場を踏まえて賃料を見直すことはできないか、築年数が経過した物件であれば抜本的なリノベーションが必要なのではないか、など……。

実は“最初の印象が良い”オーナーほど、こうした提案に聞く耳を持ってくれず困ります(笑)初めて会ったときには人当たり良く『すべてお任せしますから』なんて言ってくれたりするんですが……。空室が続いたりすると『信頼して任せているのにどうしてこうなるんだ、管理会社の責任じゃないか』と。

こちらとしては改善のためにさまざまな提案を行うのですが、すべてをこちらの責任にして、受け入れてくれません。ある意味、オーナーとしての当事者意識が薄いのではないかと感じますね」

空室を埋めるため、相場や状況に即してオーナーが決断しなければならないことは多い。その責任を放棄してすべてを管理会社に押し付けることは何の解決策にもならない。管理会社の対応に特段の問題がないのであれば、むしろ空室が続く大きな原因はオーナー側にあるのかもしれない。

山下さんはこうしたオーナーに共通する傾向として、「空室などマイナス面の発生をすべて管理会社の責任だと考えている」と感じているそうだ。山下さんとしては提案のつもりでも、オーナーにとっては言い訳にしか聞こえていないのかもしれない。「むしろ、普段からあれこれ細かく口出しをしてくるオーナーの方が安心できますね。不動産経営への意識が高い証拠ですから」

「お坊ちゃま」オーナーは評判が悪い?

多数の顧客を抱える山下さんだが、「オーナーが代替わりするとき」は特に神経を使うそうだ。

「資産家の高齢オーナーは多くの物件を抱えています。長年かけて信頼関係を築いた、私たちにとってはとても大切な顧客。怖いのは、亡くなった後に相続した子どもの代のオーナーです。自身で身を切るようなプレッシャーと戦って物件を取得してきたわけではないので、率直に言ってあまり現実を知らないのです」

こうした代替わりオーナーは、「賃料設定が安過ぎるから上げよう」といった、担当者が思う相場からは無茶だと思えるような「経営改革」を要望してくることが多いという。山下さんは顧客のためを思いそれに反論した結果、急に管理会社を変更されてしまったという苦い経験を持つ。

「管理会社の対応が遅いなど、明らかに落ち度があれば変えることも必要でしょう。しかし、ちょっと自分の意見を通せないからといって簡単に変えるのは物件経営に悪影響をもたらします。現実的な相場を知らずに賃料を上げることは、空室リスクを生むだけです」

山下さんが担当を外されたオーナーの物件はその後もちょくちょく管理会社が変わった。引き継ぎもままならなかったのか、掲示板には古い連絡がそのまま残り、複数の管理会社の連絡先が貼られていたそうだ。こうなってしまっては、入居者にとっても迷惑でしかない。

ビジネスの基本を守ってくれない「ダメオーナー」

山下さんがよく耳にするという同業者からの悪評には、他にどのような共通項があるのだろうか。意外と多いのは「ビジネスの基本」「人としての基本」を守らないオーナーの存在だという。

「ちょっとした修繕対応や入居者のクレーム対応、退去の申し出など、日々オーナーへの連絡が必要となる事態が発生します。困るのは、こうした連絡さえスムーズに取れない人です」

特に本業の傍らで賃貸経営をするサラリーマン投資家に多いという。ありがちな例をいくつか挙げてもらった。

・「仕事中は電話に出られない」と言うので折り返しを待っていても、一向に連絡して来ない。
・「連絡はメールにしてほしい」と言うのでこまめにメールを送るが、見ていない。
・連絡が滞ったために起きた問題を管理会社のせいにする

「仕事をしながら大家業を兼務する方の多くは役職者など、本業で多忙なケースが多い。事情は理解しているつもりですが、必要なときに連絡が取れないというのは困りますね。入居者への対応が遅れれば管理会社の責任にされてしまいますし……。大家業という“ビジネス”をやっているのだという自覚を持っていただきたいです。

また、物件が汚くても平気なオーナーがたまにいます。外装や共用廊下が汚いとそれだけで入居者に選ばれないですし、内装が汚いというのは論外。金銭的な問題もあるとは思うのですが、最低限はやってよ……と思います。オーナーにとって部屋は商品ですからね。“物件を持って満足”という状態にはならないでほしいというのが本音です」

賃貸経営を本業の片手間に行うということは、ある程度自身の時間やコストを犠牲にする覚悟が必要。それを踏まえて、日々の管理業務に対応する担当者と密に連絡が取れる状態を作っておかなければならないのだろう。ビジネスシーンではあり得ないような対応をするのは、「自分は大家であり管理会社への発注者」というおごりがあるのかもしれない。入居者への配慮が欠けてしまうのも、「プロの意識」が足りないのかもしれない。

こうしたオーナーとの対峙が続き改善できない場合、山下さんが選ぶ道は「取引をやめる」ことだという。賃貸経営を真剣に考えているからこそ、付き合いたくないオーナーもいるということだ。

あなたは「面倒なオーナー」だと思われていないだろうか。良い管理会社を見つけるだけでなく、日常のやり取りから関係性を構築して「良いパートナーシップ」を手に入れるためにも、ぜひ参考にしていただければと思う。

 

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