取り扱いたくない物件最終_07012015

なかなか空室が埋まらないとき、その理由をどこに求めているだろうか。自身が保有する物件について客観的に評価をするのは、案外難しいものだ。

日々数多くの情報に触れる不動産仲介業者は、もっとも客観的に物件を見ることができる立場だ。そこで今回、彼らから見て「正直取り扱いたくない」「お客さんに紹介したくない」と思ってしまう物件の特徴を聞いた。

答えてくれたのは都内の仲介業者に勤める岸田涼介さん(仮名)。岸田さんが実際に見てきた実例を交え、業者に嫌われてしまう物件(=入居希望者に紹介をしてもらえない物件)についてまとめた。

あからさまに「大家から大切にされていない」物件

岸田さんがはじめて物件を見た瞬間に直感的に「扱いたくない」と思うのは、あからさまに大家から大切にされていない物件だという。

「外装で言えば、階段の手すりがさびれていたり、外壁の剥がれがそのまま放置されていたりするような物件ですね。内装では、クロスの張り替えを行っておらず、見るからに汚い印象の部屋も実際にあります」(岸田さん)

確かにこうした点は、物件の素人である入居希望者が見ても一目瞭然だろう。

集合ポストの状態についても見るようにしています。嫌なのは、投函されたチラシが散乱している物件。内外装と違い、特にコストの問題とも言えません。大家さんが物件に愛を持っていないことが容易に想像できるので、取り扱いたくないと思ってしまいますね」

あなたの物件の集合ポストは、今どのような状態になっているだろうか。

自分でリフォームを頑張りすぎてしまう大家の“残念”な物件

次は意外と多い、業者に頼らず自分でリフォームを頑張っている大家の物件。大家としては、できる範囲のことはなるべく自力で済ませたいという思いもあることだろう。

「もちろん、大家さんがプロ並みの技術を持っているのなら問題ありません。しかし大半はそうではないので……。ひどい思いをしたこともあります」

岸田さんが実際に経験したのは、改装途中でめでたく申し込みが入った物件でのこと。タイル張りのトイレの床が汚く、目地を塗り直す必要があった。大家からは作業が進捗しているという連絡を受けていたが、入居日の3日前に岸田さんが物件を見に行った際、トイレの床の目地は塗り直した部分とそうでない部分がムラだらけで、誰がどう見ても手抜き作業だとしか思えない仕上がりだったという。

「これはいくらなんでも入居者からクレームが来るでしょう、というレベル。すぐに大家さんに連絡し、業者を急いで手配しなければならないと話しました。コストが掛かることばかり気にされていて、私も少し強い口調になってしまいましたが……どうにか納得してもらい業者を入れました」

工事作業だけでなく、清掃についても業者を極力使わないようにしようとする大家もいるという。「掃除が完了した」という報告を受けて見に行っても明らかに汚いまま、ということも何度か経験したそうだ。コストばかり考えて、住む人の立場で考えることを忘れがちになっていないだろうか。