写真©watoson– Fotolia

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複数の物件を運用していたり、サラリーマン大家として本業と両立しながら運用していたりすると、どうしても収支の計算が曖昧になってしまう……。そんな課題を持っている方も多いのではないだろうか。

どんなに好条件の物件であっても、またどれだけリノベーションに力を入れても、物件価値がやがては落ちていくのが不動産の宿命。将来にわたって適正な収益を確保し、出口戦略を考える時期を見極める意味でも、自身の資産は数字を押さえて客観的に管理したいものだ。

今回、ファイナンシャルプランナーとして個人の資産管理と運用を中心にアドバイスを行う伊藤亮太氏に、エクセルを活用して誰でも汎用できる資産管理表を監修してもらった。もしもまだ自身の資産管理に型を持てていないという人は、ぜひ参考にしていただければと思う。

資産管理表を運用すべきなのはどんな人?

そもそも、個人を対象にした資産管理のアドバイスとはどのようなものなのだろうか。伊藤氏は「年収が高いのに貯蓄がうまくできないというケースや、短期的な資産の動きは分かっていても中長期で計画できないというケースが多い」と話す。

5年後、10年後、場合によっては定年退職後の数十年先までを俯瞰して見渡すために、収支の流れを中心に、数字に落とし込むことで明確にしていくのだ。不動産投資の場合は、月々の賃料収入とローン返済のバランスだけを見るのではなく、空室リスクや物件価値の下落も含んだ上で長期予測を立てるべきだという。特に、

・運用する物件数が複数ある人
・転売目的ではなく、賃貸経営で着実に収益を上げていきたい人

上記に当てはまる人へアドバイスをするケースが多いそうだ。

分かっているつもり……でも5年後、10年後は?

自身も株式や信託投資で資産運用を進めている伊藤氏。証券会社や銀行などの金融機関で発行される保有商品の運用報告書を使い、ポートフォリオで保有銘柄の状況をつぶさに確認しているという。株価が上がっているものは売りの対象にし、逆に下がっているものは買い増しを検討するのだ。

「短期的に目まぐるしく相場が変動することもある株式投資ではこうした資産管理のサポート機能が充実していますが、不動産投資の分野ではほとんど見られません。独自のフォーマットを用いて管理する工夫が必要だと思います」

確かに、不動産の場合は「明日資産価値に大きな変動が起こる」ということは考えにくい。設定した賃料で満室にできれば当面の収入が安定する。しかし不動産投資は、5年後、10年後といった将来に同様のパフォーマンスを発揮し続けることが難しいという面も持っている。

買ったときの条件よりも常にシビアに予測しなければならないのが不動産。長期の時間軸で数字を見ていかなければいけません

それでは、実際に真似できる資産管理にはどのような方法があるのだろうか。あるサラリーマン大家の例を、実際の資産管理表とともに見ていこう。