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自己資金なしで物件を購入する「フルローン」。投資を始めやすいことはメリットかもしれないが、運用面での不安や、そもそも最初から金融機関がフルローンを出してくれるものなのかなど、疑問に思っている人も多いだろう。

今回ご紹介するのは、そんなフルローンを活用して1年半の間に、実に7棟もの物件を購入することに成功した33歳のツワモノサラリーマン大家。なぜフルローンという方法を選択したのか、そしてなぜ短期間での物件取得が可能だったのか、驚きのノウハウと合わせてご紹介したい。

投資を始めて1年半で、7棟をフルローン・オーバーローン購入

総合商社に勤める福井康祐さん(33歳/仮名)は、不動産投資を始めて3年目。開始から1年半で、以下の物件をすべてフルローン(一部オーバーローン)で取得している。購入順にご紹介しよう。

(1)価格2250万円(4000万で売却済)
  融資額2250万円、金利2.0%、20年ローン

(2)価格5400万円
  融資額5850万円、金利4.5%、30年ローン
  運用開始から約3年

(3)価格1500万円
  融資額1650万円、金利1.5%、30年ローン
  運用開始から約2年半

(4)価格5050万円
  融資額5500万円、金利1.5%、30年ローン
  運用開始から約2年半

(5)価格9000万円
  融資額9000万円、金利1.5%、35年ローン
  運用開始から約2年4か月

(6)価格8500万円
  融資額9900万円、金利1.5%、35年ローン
  運用開始から約2年4か月

(7)価格2500万円
  融資額2650万円、金利1.5%、30年ローン
  運用開始から約2年

現在の利回りは、平均で満室想定17~20パーセントだという。すでに売却している(1)を除いた6棟を運用しており、月の賃料収入は約300万円、ローンの返済比率は35パーセント(約105万円)で、ローン返済額を差し引いても200万円近くが手元に残る計算だ。

なぜすべての物件をフルローンで購入しているのだろうか。福井さんは「一つは単純に自己資金がなかったから。もう一つは、投資効率を高めてキャッシュフローの拡大スピードを上げるためですね」と話す。

地元の信用金庫を開拓して最初のフルローンを獲得

将来的に独立起業を目指している福井さんは、「サラリーマンの属性があるうちに不動産投資を始め、なるべく速いスピードでキャッシュフローの規模を拡大しよう」と計画した。首都圏の物件をフルローンで購入できないかと探したが、好条件の物件はすぐになくなってしまったり、融資が組めてもキャッシュフローの予測が厳しかったりと、なかなかスタートを切れなかったという。

そこで福井さんが考えたのが、「地方の物件への投資」。実は上記の物件は、すべて福井さんの出身地である山陽地方のとある都市で購入したものだ。地元の信用金庫を開拓し、最初の1棟目を購入するための2250万円のフルローンを組むことに成功した。

「信用金庫は地場産業の振興を主目的としているため、不動産投資のローンに消極的な印象がありました。しかし実際に開拓してみると、支店ベースや担当者ベースで考え方がまったく違ったんです。

また、出身地の信用金庫ならではの審査観点もありました。私のサラリーマン属性だけでなく、親の属性が大きくプラスに寄与してくれたんです。先祖代々地元に暮らしてきたことや、親がその信用金庫で長年定期預金を組んでいることも踏まえて、2250万円のフルローンを受けることができました」

初期経費で足りない分は、親に頼み込んで借りた。購入したのは空室が目立つ単身者向け物件。リフォームなどに手を入れ、一気に満室にして売却したのだという。

「地元でも投資熱が高まってきていることもあって、現金一括で4000万円という素晴らしい買い手が現れました(笑)2250万円で買っていますので、単純計算で約2000万円の利益が得られました。これを見せ金にしつつ、(2)の物件は別の地方銀行を開拓しました。3棟目以降は、最初の信用金庫で次々とローンを組み、物件を増やしていったんです」

金融機関に「顧客ランクを上げてもらう」ための地道な取り組み

しかし、短いスパンで物件を買い進めていくことや、ローンを組んだ物件を短期間で売却することは金融機関から嫌がられなかったのだろうか

「泥臭く動く中で“上記を全く気にしないような金融機関を運よく開拓してしまった”というのが正直なところです」と福井さんは話す。

「該当地域の県内の金融機関・支店は150件以上電話して、50件以上は回って話したと思います。金融機関自体はそんなに数はありませんが、支店はありますからね。頑張って行動した賜物だと思いたいです(笑)」

出来る限り「貸しても大丈夫な人」だと思ってもらえるような工夫や立ち居振る舞いにも気をつけたという。

・預金を全てその金融機関の口座へ移す。最初は1500万円で、その後4000万円程
・勤め先が上場企業であり成長領域の事業であることをアピール
・両親がともに地元の公務員であることを伝え、預金や退職金の額をアピール
・先祖代々、この地方出身であることをアピール
・定期預金やカードは担当者の希望通り作る
・担当者へは定期的にあいさつし、物件経営状況の報告を実施
・空室率が高い物件を買って即満室にする

「デキる営業マン」のように金融機関の担当者へ自身をアピールし、こまめにフォローしてきたのだ。「こうした日々の積み重ねで顧客ランクを上げてもらうことができたのでは」と福井さんは振り返る。

フルローンを活用するメリットと注意点とは

とはいえ、自己資金がない状態からこれだけの物件数をフルローンで購入していくことに不安はなかったのだろうか。

「フルローンやオーバーローンで買うこと自体が危険だとは考えませんでした。下記2つの条件を満たしていれば、融資額の割合はあまり関係ないと思っています」

① 安全な返済比率(40パーセント以下が目途。現在、福井さんはすべての物件をフルローンまたはオーバーローンで購入しているが、返済比率は35パーセント)

② 相場より安値で物件を買い、常に残債以上で売却できる価値がある状態にしておくこと

この2点を維持していければ、キャッシュフローに問題がない状態で拡大を続けていると福井さんは話す。信用金庫や地方銀行を活用して良い条件で融資を引き出したこと、地方であれば優良物件に化けるものが多く眠っていることがポイントであるという。

「地域によって異なるかもしれませんが、僕のような地方出身者であれば、“地縁”を生かして地元の金融機関を開拓できる可能性があります。目的を持って短期間のキャッシュフロー拡大を目指す方には参考にしていただけるのではないでしょうか」

あなたの地元にも、まだまだ可能性があるのかもしれない。

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