2_検索最終_08192015

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引越しをする際に多くの人が利用するであろう賃貸検索サイト。賃料をはじめ、駅徒歩や築年数、間取りなど、様々な検索項目が設けられ、自分の希望条件に合った物件を絞り込める。

空室率が増加傾向にある昨今、不動産オーナーとしては、最も多くチェックされている検索項目を知ることで、ユーザーが何を重視して物件を選んでいるのかを把握しておきたいところ。求められている条件を多く満たす物件を持つことこそが、満室経営につながるはずだ。

そこで、20~40代の男女に、下記のうちどの検索項目に重きを置いているか、最優先項目から順に必要なものだけ回答してもらい、その理由も併せて聞いてみた。最後にユーザーの属性別に解説も付けたので、参考にしていただきたい。

<検索軸>

賃料/駅徒歩/築年数/通勤通学時間/敷金礼金0/沿線/間取り/バス・トイレ別/オートロック/室内洗濯機置き場/家賃に管理費・共益費込み/インターネット無料/角部屋/追い焚き機能付/エアコン付/コンロ2口以上/2階以上/その他

「固定費を抑えたいから」最優先する検索項目は賃料!

まずは最も重視する検索項目を尋ねたところ、以下のような結果になった。

第1位:賃料(48.6%)
第2位:通勤時間、間取り(11.4%)
第3位:駅徒歩、その他(8.6%)

賃料が群を抜いて最優先事項に選ばれた。その理由は以下の通り。

「ランニングコストを重視している。 結局は予算の中でしか決められないことだから」(東京/女性/30代前半/未婚/2人暮らし)

「固定費を抑えることは重要」(東京/男性/30代前半/既婚/2人暮らし)

「賃貸物件は資産ではなくランニングコストなので、自身の生活予算枠の中で上限がある程度決まっているから」(京都/男性/40代前半/既婚/4人暮らし)

「自分のお給料に見合った賃料ではないと、他のことにお金をまわせなくなってしまう」(東京/女性/20代前半/未婚/1人暮らし)

「今は実家暮らしだが、賃料が高いと家を出る意味があまりないので」(東京/女性/20代後半/未婚/4人暮らし)

家賃は収入の3分の1と言われているが、節約しようのない項目であるため、どの世代もなるべく安く抑えたいと考えるようだ。一方で、こんな意見もあった。

「10万円以内の物件で彼女と同棲しようとしたところ、不動産屋が11万5000円の物件を勧めてきて、見るだけ見てみたら本当に素敵なデザイナーズ物件だったので、その場で契約したことがある。あと5000円高かったら諦めていたところが、予算より1万5000円オーバーならアリと思えてしまう物件だった」(東京/男性/20代後半/既婚/3人暮らし)

たとえ希望する賃料を上回っても、不満がないほど魅力的な物件と出会えた場合は、こんなこともあるのかもしれない。ちなみに第3位の「その他」は、「ペット可」「宅配ボックス」「内装」「周囲の環境(スーパーやコンビニが近いか、騒音はクリアしているか、他)」などが挙がった。


大家の自助努力で物件の魅力をアップ、賃料以外の要素とは?

「その他」について掘り下げると、入居者のライフスタイルがわかる回答が多かった。たとえば「宅配ボックス」と回答した人は、フリーランスのライター業を営んでおり、不定期で家を空けるため、荷物を直接受け取ることができないからだという。とはいえ、仕事の書類や本などはすぐに受け取らなくてはならないため、宅配ボックスが必須なのだとか。

この回答者のように自由な形態で働く人は、ひと昔前よりも確実に増えているため、宅配ボックスの設置は需要があるのではないだろうか。また、「周辺環境」と回答した人は、次のように理由を述べた。

「ご近所さんが鳩にエサを与えていることで、うちのベランダにも常に鳩がいることで困っている。次は家の周りの環境も少しは把握した状態で部屋を借りたい」(東京/女性/20代前半/未婚/2人暮らし)

「以前ストーカー被害にあったので、管理がしっかり行き届いているところでないと不安。できるだけ大家さんやご近所さんとコミュニケーションが取れるような環境に住みたい」(東京/女性/20代前半/未婚/1人暮らし)

大家が入居者に声掛けや挨拶をするだけでも、入居者は安心できるはずだ。それに日頃からコミュニケーションをとっておくことで、入居者の懸念事項や周辺の変化などを把握しやすくなる。「何か困ったことがあったら言ってください」と一言伝えておくだけでも、入居者の住みやすさに影響が出るのではないだろうか。

「暮らしやすいかどうかが大事」検索項目第2位は間取り

続いて、2番目に優先度の高い検索項目を尋ねたところ、以下のような結果になった。

第1位:間取り(22.9%)
第2位:賃料(20.0%)
第3位:沿線、2階以上(11.4%)

賃料と間取りの順位の差がほとんどないことと、前出の結果から考えると、いかに賃料を重要視している人が多いかがわかる。間取りを選んだ理由については以下の通り。

「物が多いので、クローゼットなどの収納が付いているとうれしい」(東京/女性/20代前半/未婚/1人暮らし)

「自宅で仕事をしている、かつ夫婦2人暮らしのため、最低でも2LDKは必要だから。絶対に2LDK以上で検索する」(東京/女性/20代後半/既婚/2人暮らし)

どれくらい収納があるのか、窓やベランダがどの方向にあるのか。どういった構造であるのか。これが自分の好みと一致していないと、家に帰るのが嫌になってしまう」(東京/女性/20代前半/未婚/1人暮らし)

「生活リズムが異なる同居者がいるため、部屋が分かれていることが必須。娘が寝た後に家事を集中的にこなすため間取りは重要だから」(埼玉/女性/30代前半/既婚/3人暮らし)

「自分がこれから生活していく空間なので、日当たりや通風、寝室とリビングは分かれているかなど、自分の理想の部屋になるようにまずは間取りから見る」(埼玉/女性/30代前半/未婚/2人暮らし)

大半の時間を家で過ごすため、暮らしやすい空間であるかどうかが重要なようだ。ちなみに、間取りと回答した人のほとんどは「ベランダ」「収納」を気にしている印象だった。


「通勤・お出かけしやすさを重視」検索項目第3位は沿線

さらに、3番目に優先度の高い検索項目を尋ねたところ、以下のような結果になった。

第1位:沿線(17.1%)
第2位:間取り(14.3%)
第3位:駅徒歩(11.4%)

第3候補までくると、ほとんど順位に差がないことがわかった。つまり、「賃料」と「間取り」さえ条件に当てはまってさえいれば、ひとまず候補から外されないといえそうだ。その次に重要視されるのは沿線というのも一目瞭然だ。ちなみに、沿線を選んだ理由は以下の通り。

「オンオフ両方で出かけやすいかどうかは大事。通勤の時間が惜しいのと、フットワークの軽さにも関係してくるから」(東京/男性/20代後半/未婚/3人暮らし)

「毎日出勤する夫の通勤に便利な沿線を選ぶ必要があるから」(東京/女性/20代後半/既婚/2人暮らし)

通勤時に混雑が予想される沿線は避けたい」(東京/女性/20代後半/未婚/5人暮らし)

「仕事柄いろんな現場に向かうことが多いので、駅が近いことよりも多くの線が通っていることのほうが重要」(神奈川/女性/20代前半/未婚/1人暮らし)

「主要駅に向かいやすく、終電、始発の充実した路線」(東京/男性/30代後半/未婚/1人暮らし)

「どのような沿線に住んでいるかによって、様々な場所へのアクセスチャンスに関わってくるため重要視したい」(東京/女性/30代前半/未婚/2人暮らし)

「住みたい町を決めてから部屋を探すため。 職場が遠くても電車の乗換が少なければ気にならない」(埼玉/女性/30代前半/未婚/2人暮らし)

通勤時に要するエネルギーを抑える手段はいろいろある。そのため、やや地方でも都心へのアクセスが良い場所に建つ物件であれば、候補に入ることがわかった。

属性別「重要検索項目」の違いは?

未婚や既婚、都心や地方などの条件の違いで、物件を選ぶ基準が変わってくるのかについても調査した。

○未婚者と既婚者の違い

・同調査における既婚者の割合:22.9%
・既婚者の共通点:第3候補までに「間取り」「賃料」のどちらかが入る
・未婚者との違い:目立った違いはない

○都心在住者と地方在住者の違い

(都心)
・同調査における東京在住者の割合:71.4%
・同調者における京都在住者の割合:8.6%
・同調査における横浜在住者の割合:5.7%

(地方)
・同調査における埼玉在住者の割合:8.6%
・同調査におけるその他在住者の割合:5.7%

・都心在住者との違い:目立った違いはない
・地方在住者の共通点:物価が安いため賃料を第1候補にはしない人が多い
・地方の意見

「車移動のため、沿線や駅徒歩は重要ではない」(茨城/女性/30代前半/既婚/3人暮らし)

「都心に比べて賃料は低いが、地方住みでも安いに越したことはない」(埼玉/女性/30代前半/未婚/1人暮らし)

属性別で比較してみたところ、とりわけ大きな違いは見られなかった。立地的な問題はどうしようもないが、リノベーションやリフォームをして現代的できれいな部屋にしたり、水回りの設備を最新のものにしたりするなどで、物件の印象は変わるはずだ。賃貸検索サイトユーザーのリアルな声を参考にして、安定したマンション経営を目指してほしい。