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今年の6月に、Amazon本の売上ランキングにて不動産部門、不動産投資部門、産業研究部門の3つで第一位を達成したという『常識破りの「空き家不動産」投資術』。
経験ゼロ、知識ゼロ、無借金で不動産投資を行うという、にわかには信じられない内容なのだが、いったいどのような仕組みなのだろうか? さっそく著者の村上祐章さんに話をうかがった。
簡単に再生できる“廃墟”がある
「自己紹介の際には廃墟不動産投資家などと大げさに名乗ってはおりますが、そんなに難しい投資方法を実践している訳ではございません。一言でご説明すると、オーナーさんが賃貸やリフォームを諦めてしまった空き家を再生し、許可を得た上で又貸しをする仕組みです」
“廃墟”などとオーナーが認識していても、実際はここ10年以内には誰かが住んでいたような“ただ放置され、汚れている空き家”であるケースが多いという。
「また、再生というのも誇張表現かもしれません。まず、床に関しては穴があって歩けない、なんてことがなければ清掃してカーペットをひけばOKです。壁は汚れていても、そこに“よしず”や“すだれ”を置けば、古民家らしい雰囲気がでます。掃除をしても天井がどうにもならない時には、ゆったりとした布を貼ることもありますね。これで、すっかりオシャレなカフェや多国籍料理店のような空間の出来上がりです」
多少のセンスは必要かもしれないが、十分に素人でもできる内容だ。人件費が発生しないのであれば、1週間ほどアルバイトなどをすれば十分に稼げる程度の出費だろう。
そんな都合の良い物件、見つかるのか?
投資方法は理解したが、果たして、軽い清掃と飾り付けだけで“再生”が出来る物件がどれだけあるのか。
「この投資術をはじめたのは8年ほど前からですが、空き家が社会問題になっていなかった当時でも、地元の京都では1日100件ほどの空き家を見つけることができました。後は地道に周辺で聞き込み調査を行い、持ち主を見つけ、物件を見学させてもらいます。
元々は放置されていた空き家ですから、金額交渉や又貸しの約束を取り付けることも、大きなハードルにはなりません。約70件の空き家を再生した実績のある現在では、口コミや紹介で自動的に都合の良い物件の情報を入手できるようにまでなっていますよ」
この投資法を行っている村上さんの家賃収入は毎月100万円以上。こんなにうまい儲け話、本当に実践できるものなのか? 法律的に問題があるのではないか?
「過去に一度だけ問題が発生したことがあります。その時は元のオーナーさんが亡くなられ、代替わりをしたのがトラブルの原因でした。以前のオーナーさんには又貸しする旨をお伝えしていたのですが、当時は一般的な賃貸契約書の“無断で第三者への転貸を禁止する”という項目を削除せずに使用していたのです。完全なる私のミスであり、結局は契約違反ということで利益の一部を返金することになりました。
ただ、その際に私が雇い入れた弁護士だけでなく、新オーナー側の弁護士からも、私の投資術は宅建業法違反には該当しないとのお墨付きをいただけたのは、怪我の功名ですね」
確かに、同じような転貸借の事業を行うサブリース会社も、宅地建物取引業の事務所登録などは取得していないのが一般的。後は、飛び込みで不動産オーナーと交渉できる度量さえあれば、明日からでも行動を起こすことは可能かもしれない。
◯村上祐章さんブログ
http://haikyo-fudousan-toushika.vet/
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