岡田さん連載3回最終_09162015

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皆さん、こんにちは。岡田のぶゆきです。「物件が買えない」という人を対象にしたお悩み相談。第3回目の相談者は、大阪府にお住まいの本田修二さんです。

24才の若さで、すでにご結婚されており、専業主婦の奥様とお子様1人いらっしゃいます。自宅購入をきっかけに不動産投資に興味を持ったそうで、当初は賃貸併用住宅を探していたところ、結局マンションを購入されました。不動産投資では家賃年収2000万円を目標に、2015年の2月より、戸建、一棟アパート、一棟マンションを探されています

名前

本田修司さん(仮名)

年齢

24歳

性別

男性

職業

技術職(平社員)

居住地

大阪府

年収

350万円(世帯年収350万円)

自己資金

1億円

Q1.年収が低くても、現金がある場合の効率のよい投資手法は?

年収350万円と低いけれど、まとまった現金(1億円)がある場合、将来的に銀行からの融資を受けられることも見込んで、どのような不動産の買い進め方をするのがいいのでしょうか? 物件の規模、種別、エリア、利回りなど様々な組み合わせで、現金ならではの効率のいい投資方法があれば教えてください。

A1.まずは銀行を探し、現金で進める場合はあえて上級向けを狙う

ご質問ありがとうございます。現状、銀行融資はとても積極的です。同じ希望の物件を買うにしても、自己資金を入れて買う人より、フルローンで融資を受けて買う人の方が多数です。

規模拡大を目指していくのであれば、自己資金を使うよりは、融資を引いた方がスピードは速まります1億円とはいえ、限られた自己資金であることには変わりありません。使ってしまえば取り戻せません。やはり、その分だけ投資の拡大・スピードが落ちてしまうのです。

とくに不動産投資で年収2000万円を生み出すのなら、「自己資金だけで」というのは、難しいと思います。自己資金の使い方としては、現金として使うのではなく、保有資産がしっかりあることを銀行にアピールしながら、いかに減らさずに効果的に融資が引けるかということです。

銀行融資を引くにあたって「年収の低いことが、ネックになるのか」といえば、これは金融機関にもよります。いろんな銀行へ足を運んで、属性をよく見てくれる銀行を探して、打診するしかありません。本田さんの場合は、年齢がまだお若いため、まだ勤続年数が少ない場合は、それがネックになる可能性もあります。

銀行は業者さんの紹介以外にも、自分で探してまわってみることが大事です。地方銀行、信用金庫は数がありますので、しっかり調べてくださいね。自己資金の準備があるということで、フルローンを引くことができれば、レバレッジをかけた不動産投資を行うことができます。

打診の結果、フルローンが難しい場合は、頭金を1~2割ほど入れて融資を引くことになります。自己資金を入れると、融資を受ける金額がそれだけ減るため、月々の返済も少なくなります。

たしかに手元に残る収支はよくなりますが、ほとんどの人がフルローンで買うという中で、自分は自己資金を入れているから、手元の資金が多くなっているというのを、しっかり自覚しておかないと「自分は儲かる投資をしている!」と勘違いになりかねないので注意しましょう。

もし融資をしてくれる銀行が見つからなければ、現金で買い進めるしかありません。現金のメリットといえば、融資をつかわない分だけスピードを持って購入できるということです。それだけ安く買えるチャンスがあります。また融資が出にくい物件であっても、現金であれば購入することができます。それだけに一般的な投資物件を相場で買って、長期で持つ投資手法でいくとなると、現金でやるには少しもったいない感じがします。

物件の目利きが必要になりますが、たとえば空室が多い物件や築古物件など、通常では融資がつきにくいけれど、高収益が見込める物件を購入するのも手です。また、融資が受けやすい物件であっても、現金で買うことにより、他の人よりも早く確実に買えるチャンスがあります。安く買って転売するというのも選択肢です。いずれにしても、ややハードルが高い投資法になりますので、しっかり勉強することが大切です。

Q2.不動産投資を行うにあたって決断力を高めるためには?

不動産投資を行うにあたって、物件の選択、購入、売却、など様々な決断が必要になると考えます。大きな金額が動く不動産投資となると、なかなかすっぱりと決断をする自信がありません。決断力が必要とされるタイミングに、躊躇なく決断するには日頃からどんなことに心がけていればいいのでしょうか?

A2.投資基準をはっきりさせることに加え、情報収集をしっかり行うことが大事

今は購入の際にスピードが求められます。購入のための決断力を上げるためには、自分の投資基準をはっきりさせておくことです。

利回りはもちろんのこと、ターゲットとする地域の賃貸需要を、周辺の賃貸業者からよく聞いて、家賃相場に併せて把握しておきましょう。また、買うときに融資を受けるのであれば、金融機関の物件に対する評価の出し方を常に知っておくことが大事です。このように融資の準備と、どんな物件を買うかの基準を明確に定めておくことによって、迅速な決断をすることができます。

また、そうすることによって、売買仲介業者の営業トークに惑わされたり、そそのかされて騙されることは減ると思います。それは投資のリスクヘッジにもなります。これは、ある程度自己資金を持っている人や属性の高い人が気をつけなければいけないことです。

物件を買えてしまうだけに、営業マンにとって「美味しい客」に思われて、経験不足や知識不足につけこんで、自分のいいように物件を薦めてくるトークで押し切られてしまう可能性があります。しっかり自分を持つためには、売買仲介業者以外からの情報が入ってくる環境を準備しておくことも大事です。

これは普段からの情報のやり取りが必要です。先輩の不動産投資家さん、大家さんのコミュニティなど、今はいろいろ手段がありますので、日ごろから情報交換ができる場を持っておきましょう。

ただし、物件が出てきたときは、投資家さんには相談しない方がいいと思います。それは、やはりライバルでもあるからです。先輩だからといって、おんぶに抱っこではいけません。物件を買うかどうかの判断は、あくまで自分1人ですべきです。

また物件の売却に関しては、なるべく決断がしやすいように、いくつか物件を持っていた方が「これは売って、次はあれを買う」という選択がしやすいでしょう。いきなり大規模な1棟物件を購入するよりは、小規模な物件を選んで複数棟買った方が、入れ替えの判断をしやすいですし、金額が小さくなれば買い手もつきやすくなります

1棟だけでやっていくと経営効率はいいですが、どうしてもそこに執着してしまう。冷静な判断がしにくくなるということもあります。複数棟の所有では、資産の入れ替えやすさもありますし、複数棟を持って経営していることで、自分自身の経験値が上がり、決断するときに役立つと思います。また、売買のような大きな決断でなくても、日々の経営で、大なり小なりの決断を迫られますので、経験としても、しっかりとしたものが身に付きます。

Q3.成功するためのマインドは?

購入してからも長く付き合っていく不動産事業ですが、成功するために、どのようなマインドを持って接していけばいいのでしょうか?

A3.お金が入ってくることに惑わされず、倹約をして学び続けることが大事

お金に対する考え方が大きいと思います。常に家賃収入が入って、それなりに収入が増えてくると、そこにあぐらをかいてしまいがちな人がいます。なるべくそうならないよう、常に学び続けることが大事です。

そのため大家さんのコミュニティに参加したり、セミナーなどに出かけて新しい知識を得ることが大事です。他の不動産投資仲間たちも参考にして、モチベーションの維持にして取り組んでいきます。

また物件を買い進めて家賃収入が入ってきても、そのお金は次の資金でもあります。月々の給料以外に定期的な収入があると、つい気が大きくなりがちですが、日ごろから質素倹約を心掛けましょう

不動産投資は、いってみれば成功しやすい事業です。ある程度買い進んで、それなりにうまく運営していけるようになると「自分はいけている!」と思いがちです。定期的に自分が「時代の流れについて行けているか?」も考えてください

入居者からのニーズや競合物件の動向といった、自分の物件に関わることから、「Airbnb」(エアビーアンドビー)などの新しい投資手法、金融機関の融資状況も常に変わっていきます。慢心しないためにもなるべく多方面から情報を得て、視野を広げていくのが大切です。

最後に若い方で不動産投資をはじめたい方へアドバイスします。自分の価値観や考え方を話して通じやすいのが、自分よりも上15歳、下15歳くらいまでと聞きます。自分自身も、昔は若い人との交流が多かったのですが、今は同じ15歳の幅で、上の世代の人とのお付き合いが増えました。その方が相手も話しやすいと感じているのかもしれません。逆に年下に対しては、前に比べて親近感、話しやすさが失せてきました。

質問者の本田さんは24歳ということで、不動産仲介業者の営業マンに多い年齢層だと思います。地域密着でやっている人も多いので、地元の戸建てや小ぶりな物件の情報は大手の仲介業者よりは入ってくるのかなと思います。賃貸の仲介業者の営業マンと交流を広げておくのもいいでしょう

不動産投資を行っている方にも、最近は若い人が増えてきています。自分の年齢を活かして、共通の環境の人をなるべきたくさん見つけて、若い人なりの人脈をつくりましょう!

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