税金最終_09162015

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みなさん、こんにちは! 不動産投資専門税理士の叶です。お金を残す不動産投資コラム。今回は、相続税対策で不動産を活用すると節税になるというのは本当なのか、というお話です。

不動産が相続税対策になるカラクリ

昔から「マンションやアパートを建てると相続税対策になる」という話がありますよね。このお話、地主さんにとってはよく聞くお話ですが、地主ではない一般の人にとっては、よくわからないお話かもしれませんね。では、不動産が相続税対策になるというのは、どのようなカラクリなのでしょう?

例えばAさんが、1億5000万円の現金を持っていたとしましょう。このままAさんが亡くなれば、相続税法上、現金はそのまま1億5000万円で評価されてしまいます。もしAさんが生前に、この現金1億5000万円を使って土地を購入し、その上に収益マンションを建てて全戸を他人に貸していたとしましょう。以下、不動産の概要です。

【概要】

固定資産税評価額:1億円(建物:7000万円、土地:3000万円)
土地の相続税路線価:10万円/平米、地積:330平米、借地権割合:60%

この場合、相続税法上の評価額はいくらになるでしょう? まず、建物ですが、建物は固定資産税評価額で評価します。

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

先ほどの例の建物を、この計算式に当てはめて計算すると、次のようになります。

【建物の評価】

固定資産税評価額7000万円×(1-30%×100%)=4900万円

借家権割合とは、人に建物を使われているため、家主が自由に使えない割合と考えてもらえばいいでしょう。借家権割合は全国一律30%と決められています。賃貸割合は、この収益マンションは他人に全戸貸しているので、100%になります。このマンションに空室がある場合や、Aさん自身が住んでいる場合は、賃貸割合がその分減ることになります。

では、次に土地の評価をしてみましょう。土地は固定資産税評価額ではなく、原則として相続税路線価を使います。

【土地の評価】

相続税路線価×地積×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

先ほどの例の土地を、この計算式に当てはめて計算すると、次のようになります。

10万円×330㎡×(1-60%×30%×100%)=2706万円

借地権割合とは、土地の上に建物があるため、地主がその土地を自由に使えない割合と考えてもらえばいいでしょう。借家権の考え方と似ていますね。借家権と違うのは、全国一律ではなく、道路ごとに割合が決められているところです。では、結局Aさんが、現金1億5000万円を使って購入した土地と、建築した建物の相続税法上の評価額はいくらになったのでしょう?

建物4900万円+土地2706万円=合計7606万円

なんと現金のままだと1億5000万円そのままの金額で評価されていた財産が、不動産に変わったことで7606万円と、約半額近くの評価減となりました! もしAさんがかなりの資産家で、財産をもらう人の税率が全員50%だったとしたら、現金を不動産に変えたことで、3697万円もの相続税が節税できることになります