こんにちは。デザイナーのみなやまくみこです。賃貸物件の顔といえば、エントランスです。一棟のマンションであれば、エントランスは大抵ついているものですが、アパートや戸建賃貸の場合は、エントランスがなくていきなりドアが並ぶことも多いと思います。
今回は、エントランスがない物件での、玄関ドアまわりをバリューアップして、より魅力的な物件に見せるノウハウをご紹介します。自分で選んで、自分で取り付けることができるものを中心にセレクトしましたので、参考にしてください。
玄関ドアまわりに設置するアイテム選びのもっとも重要なポイントは、メンテナンスが簡単なこと。また外気にさらされる時間が長く劣化も早いので、耐久性、防水性の高いものを選ぶことが大切です。では、ここから具体的に説明しましょう。
3000円から購入できる、カラフルデザインポスト
アパートやマンションなど集合住宅用のポストは、無個性なものが多いですが、戸建て用ポストには、様々な種類があります。カラーやデザインも多彩で、パッと見ただけで入居者に印象付けるような個性的なポストもたくさん出ています。
気になる価格ですが、安いものであれば3000円台から、高ければ10万円くらいするものもあります。賃貸用であれば1万円から2万円程度の予算があれば、素敵なポストを設置することができます。戸建て賃貸はもちろんのこと、小規模なアパートであれば、戸建てのポストを並べて設置するのもおすすめです。リーズナブルでも色や形で建物のアクセントにも、一役買っているポストを紹介します。
○北欧製のポスト
私が一番よく使うポストが、北欧のフィンランド生まれのBOBI(ボビ)です。A4サイズも楽々と入るタイプで重宝します。
なんとカラーが15色(ショコラ・ボルドー・ダークグリーン・メロンイエロー・アイスグリーン・ピンク・プリムローズ・ネイビーブルー・レッド・ブラック・ホワイト・オレンジ・ステンレス・コパー・オリーブ)もあります。定番の色に加えて最近は日本では見かけない色味もありますので、是非チェックしてみてください。
また、ポールスタンドと一緒に使うこともできます。同色を選んでもいいですが、別の色を組み合わせることにより、オリジナルで何通りも作れますし、より個性を強調することができます。ポストもポールスタンドも楽天などのネット通販で購入することができます。
ポールスタンドを設置する場所がない場合は壁付けで使用することもできます。以下はその使用例です。
見た目がよく、北欧カラーがかわいい「ボビ」ですが、唯一難をいえば、すべて鍵タイプということです。鍵はなくしやすいため、賃貸では鍵よりダイヤル式のほうが好まれます。「ボビ」の場合は、輸入品となるため、万が一鍵を無くした場合は、専門の鍵を取り寄せなくてはいけません。
○国内メーカー製のポスト
前者はポストがアクセントになっている選び方ですが、あまり目立たせない、壁色と同色を使うこともあります。理由は、他を引き立たせたり、玄関まわりをスッキリと見せたい場合です。
次のケースは、ブルーの庇(ひさし)をアクセントとしているため、ドア色やポストを目立たせないように工夫しています。並べて設置できるので、集合住宅にも向いています。
通りに面している場所で、あまり広く取れない場合、インターホンや表札が一体のユニットになったポストを使うこともあります。
木調の温かみのある外観に合わせてブラウン系のアメリカンポストタイプ。脚元にはオリーブの木を植えました。
次もリクシルの製品です。機能重視な印象のあるリクシルですが、女性らしいインテリアに似合う、アンティークな雰囲気のポストもあります。
最後に設置時の注意です。壁面設置は外壁や柱に穴を開けて、ビス止めだけなので、素人でも可能です。ただし、ポールスタンドを使う場合は、土台をモルタルでしっかりとかためないと倒れてきてしまいます。そのため、DIYに慣れていない人は業者さんに頼む方が安心でしょう。
個性の見せどころ、館銘板&ドアプレート
物件の名前を記した館銘板こそ、まさに物件の顔です。個性を表現するにはぴったりのアイテムですから、オーナーの意見を取り入れて決めています。値段もピンキリですが、おおよそ1万円程度から10万円が目安になります。素材、デザインともにいろいろありますから、物件のイメージに合わせて選びましょう。
○ロートアイアンのブラケットタイプ
鉄製のデザイン看板です。看板をひっかけるための金具をブラケットといい、看板の部分がプレートと呼ばれます。プレートは文字をシールで貼るタイプとアイアンに彫り込むタイプ(カッティングタイプ)があり、カッティングは高くなります。
下の事例は、カッティングタイプです。あとは、文字数によって値段が変わります。すべて、物件ごとの特注品となり、世界で一枚だけのオリジナル館銘板です。
○フラッグタイプ
雨に強いビニール製のフラッグ型の館銘板です。フラッグは一般的には店舗を使われることがほとんどですが、個性を出すためにあえてこのような形を選びました。ブラケットを市販品で購入して、それに合わせてフラッグをオーダーしました。フラッグはシンプルな書体ということもあり、1万円台というリーズナブルな価格で実現しました。
○切り文字のシールタイプ
文字数にもよりますが、もっとも手軽でリーズナブルなのは、切り文字のシールタイプです。一文字小さいもので200円程度からあり、大きな文字で600円程度です。市販品もありますが、東急ハンズなどでオーダーすることできます。オーダーの場合も文字の大きさによって値段が変わります。文字はアクリル製で、裏がシールになっているものと、なっていないものがあります。
設置時の注意ですが、たとえシールになっていても、外構に設置するため、すぐ剥がれ落ちる可能性があります。そこで、両面テープと接着剤を使って、しっかりと貼りつけます。接着剤だけでもしっかり吸着しますが、かわくまでの間、固定のためにも、両面テープも併せて使うと良いでしょう。
リーズナブルにイメチェンできるドアプレート
ドアプレートはどの物件もあまり個性がなく、平凡な印象を与えてしまいます。プレート本体は値段も安く、見た目のイメージチェンジをするには最適です。ここでは、もっとも手軽な両面テープで貼るだけのアクリルプレートと、ビス止めの手間がありますが、素材感を強調したアイアン製のドアプレートを紹介します。
○アクリルプレート
東急ハンズには、様々な色と質感のアクリルプレートを販売しています。そこに、数字を彫り込むオーダーをしてドアプレートにしました。値段はサイズと文字数によって変わりますが1枚500~1000円以内で作成できます。設置は両面テープでOKです。
また2戸の部屋番号を市販品のみで作ってみました。
○アイアンナンバーの文字プレート
アイアン製の数字を組み合わせて設置しています。ネット通販で購入することができます。大きさにもよりますが、一文字あたり300円程度からあります。ビスは付属品でついてくるので、電動ドリルで壁に穴をあけて設置します。
ドアプレートは数字やアルファベットの組み合わせので、インターネットで検索して、自分好みのデザインを探してみるのも良いでしょう。
まとめ
部屋の第一印象は玄関に立った時に見える部分で決まります。対して、外観は壁の色、ドア、館銘板からドアプレート、植栽や階段などあれば鉄部の色、庇(ひさし)など、いろいろ見える部分があり、総合的に見られることが多いです。原状回復工事など、内装をキレイにすることは一般的に行われていますが、外観に気を配るのは、新築物件以外ほとんどありません。
とくに中古アパートや築古戸建てでは、画一的な無個性、無難な見た目をしています。今回、提案したポストや館銘板、ドアプレートはとくに目のつきやすい部分なので、手軽にイメージアップすることができるのでおすすめです。第一印象を良くすることで、競合物件に差をつけましょう!
プロフィール画像を登録