0%金利最終_10072015

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不動産投資で手残りキャッシュを増やすためには、借入金利を下げれば良い。借り換えはもちろん有効な方法ではあるが、契約スタート時の金利が低いに越したことはないだろう。収益物件を所有する投資家が日々頭を悩ませているであろう金利は、工夫を凝らしても1〜2%台が限界であるように思われる。しかし、世の中にはなんと0%台の金利を実現した強者もいる。

今回は、『アラフォーママ“夫に頼らず”資産8億円、家賃年収5000万円!』の著者である内本智子さんが行っている金利を0%台まで下げるための方法と、金利別の年間返済額や総返済額の変化について詳しく伺った。

低い金利を担保するのは「信用と実績」、実現するのは「金利交渉」

まず、「物件の担保評価以内の借入であることは前提」と内本さんは話す。ここで、担保評価額は銀行の債権保全のためのリスクヘッジ度合いが前提となり、市場評価額より低い場合もあり得るので注意が必要だ。その場合は物件の購入にあたり、自己資金が必要になる。このとき銀行が気にするのは、借入者の属性が一定以上の水準であることだ。

内本さんは所有物件のリストやレントロール(各戸ごとの入居状況や契約賃料の一覧表)、金融資産一覧表は事前に用意しておき、銀行との交渉が始まる前に送付しておくという。この準備によって、融資を受けることを前提として話し合いが始まり、交渉もスムーズになる。

他にも、手付金を相場よりも高く出すこと、今までの経営実績を開示することも効果があると、内本さんは自身の経験を振り返る。仮に配偶者が不動産投資に反対でも、給与収入や貯金があれば、開示すればプラスになる。低い金利を担保するのは信用と実績だと言えよう。

また、銀行との金利交渉については「ずっと地元の取引銀行だけと交渉していたら、1〜2%の金利のままだった」と内本さん。別の物件で融資を受けているなど、交渉ができそうな銀行5〜6行すべてに相談してみたという。だが本来、銀行にも担当エリアがあり、千葉の物件なら千葉銀行、というように、そのエリア内の物件の方が銀行も社内調整が容易で、融資もしやすい。

一方、銀行の担当エリア外では、借入側も固定資産税の支払いや、水道料金など一部の公共料金の支払いができず、担当エリア内の銀行に別途法人口座を開設する手間がかかる。地元の銀行で融資を受けるのは、借主・貸主共にメリットがあるため、その地の利を逆転させるためには、他行は金利を下げるしかない。ここに金利交渉の余地がある。

「はじめはとにかく融資内諾をもらうことが先決ですが、金利を下げたいのであればライバル行が必要です。『A行は1.0%でした』とB行に伝えれば、B行から『うちは0.9%にします』という提案があるかもしれません。ただし、ウソはいけません。また、事前に相見積もりで判断すると伝えた上で、各行の違約金などの制度をしっかり把握しておきましょう

たとえば売主にも物件を売却するに至った理由があるように、不動産投資にはさまざまなステークホルダーが関わる。売主以外に地元の銀行、他エリアの銀行など、それぞれがどういうオファーがあれば喜ばれるかを見定めるのが金利交渉のポイントである。その際「定期預金口座を開設したり、他の物件の融資の借り換えを示唆するなど、銀行の担当者にプラスになるような申し出をした」内本さんは、見事に金利0%台を達成した。

ここまで紹介した方法で引き下げた金利によって、年間返済額や総返済額にはどのような変化があるのだろうか。「1億円を25年返済で借りたケースの金利による差」と「1億円を30年返済で借りたケースの金利による差」について、内本さんによるシミュレーションは以下のようになった。

「1億円を25年返済で借りたケースの金利による差」(元利均等・25年返済)

 金利

年間返済額

総返済額

1%

452万2464円

1億1306万1600円

2%

508万6248円

1億2715万6200円

3%

569万0532円

1億4226万3300円

4%

633万4032円

1億5835万0800円

「1億円を30年返済で借りたケースの金利による差」(元利均等・30年返済)

 金利

年間返済額

総返済額

1%

385万9668円

1億1579万0040円

2%

443万5428円

1億3306万2840円

3%

505万9248円

1億5177万7440円

4%

572万8980円

1億7186万9400円

「1億円を元利均等で25年・30年返済で借りたとすると、25年返済で金利1%と4%の総返済額の差は4528万9200円、30年返済で金利1%と4%の総返済額の差は5607万9360円と、総返済額の差は5000万円を超える結果になります。もう一棟、別の物件を買えるような金額です」と内本さん。やはり、金利を下げる努力は惜しむべきではないようだ。

現在は5棟132室、資産約12億円(残債6億円)に至る内本さんが不動産投資を始めたきっかけは、10年ほど前に約1000万円の貯金で購入した区分マンションだった。そこから投資の勉強を始め、一棟マンションへの投資をスタートしたのが約5年前。現在、数億円規模の不動産投資で金利0%台を実現するようになったが、内本さんには「まだまだ通過点」であるようだ。

では、まだ資産も実績もない投資家が金利0%台を実現するためにはどうすれば良いのか。「実感としてですが、約500万円くらいの貯金、給与年収500万円からスタートして、効率よく不動産投資の実績を積み上げれば5〜10年でこれくらいの投資ができる可能性があります。そのためにも、いきなり金利0%台を目指すのではなく、まず自分の資産を増やし、経験を重ねましょう。次第にこれまでよりも低い金利で投資ができるようになるはずです」

内本智子さんプロフィール

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ソラエステート株式会社、JIU株式会社、トモエステート株式会社の代表取締役。「内本塾」主宰。J-REC公認不動産コンサルタント。

著書に『働くアラフォーママが夫にナイショで家賃年収4000万円!』(扶桑社)、「アラフォーママ“夫に頼らず”資産8億円、家賃年収5000万円!」(ごま書房新社)などがある。楽待コラム二ストとしても活躍中。

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