こんにちは。才津です。今回は「年収がいくらあれば1億円以上のRC物件を買えるのか?」についてお話したいと思います。
まず1億円の物件を買うために必要な諸経費の額を把握する
まず最初にお話をする必要があるのは、1億円の物件を購入するために必要な経費がいくらかかるのかというポイントです。
通常、仲介業者への手数料3%(プラス6万円、消費税)や、登録免許税等の税金、登記費用などがトータル物件価格の6%~10%程度かかります。1億円の物件を購入する場合であれば、仮にフルローンを受けて購入しても600万円~1000万円程度の諸経費が必要になるということです。
1億円の物件を購入するために600万円~1000万円の諸経費がかかるということは、諸経費分を含めたオーバーローンを受けない限り、自己資金が諸経費分は必ず必要になるということです。1000万円の自己資金がある方でも、1億円の物件を購入すると自己資金のほとんどが諸経費だけでなくなってしまうということになります。
次のポイントとして、金融機関が不動産投資についてどういう風に考えるかということですが、それを簡単に説明すると下記の様になります。
自己資金が少ない(自己資金が無い)=リスクが高い=融資不可
物件の収益性や将来性、立地などいろんな要素がありますが、基本的に金融機関は上記の様に考え、判断を下します。結局、お金が無い方はリスクが大きく、融資不適格であるということです。
つまり、1億円の物件を購入すると600万円~1000万円分の諸経費が必要になるということは、自己資金が2000万円程度ないと1億円の物件を購入することは難しいということです。なぜなら1億円の物件を購入するのに600万円~1000万円かかるということは、自己資金1000万円あってもその分は諸経費でなくなるからです。
諸経費で1000万円使っても残り1000万円程度あれば、購入後、突発的な修繕や空室などが発生した場合でもすぐに破綻してしまうことはないと判断できるということですね。この諸経費の問題をクリアできるだけの自己資金があるということが大前提で、物件の収益性や資産性というのは、そこをクリアできた後のまた次のステップになるということです。
そういう意味で1億円の物件を購入するためには、年収云々を言う前に、まずは第一関門として、自己資金2000万円をクリアしておく必要があります。
では、年収はいくらあれば良いのか?
次に年収の話になりますが、単純に言うと年収は高ければ高いほどいいです。ですが、最初に話をした通り、いくら年収が高くても自己資金が必要になりますので、年収と自己資金のバランスがいい方の方が融資を受けられる可能性は高くなります。
もちろん、年収も高く、自己資金もある方がいいですが、目安としては自己資金2000万円以上ある方であれば年収500万円程度でも融資の土台にのることは可能です。極端な話、自己資金が1億円以上あるのであれば、現在の年収がゼロでも融資を受けられる可能性は高いと思います。(もちろん選べる金融機関の選択肢は少なくなります。)ただ、いまお話したことはあくまで基本的な考え方であり、例外はあります。
たとえば、年収が数千万円ある方などは諸経費や運営費を含めたオーバーローンを受けられる可能性はありますし、保証人の資産背景などによっても自己資金が少なくても融資を受けられる可能性はあるはずです。
結局、一概に年収の多寡で融資の可否が決まるのではなく、自己資金がいくらあるのか、資産背景はどうなのかなど、総合的に判断し、融資の可否が決まるということです。
ここまでの結論としては、諸費用の問題で、自己資金が2000万円無い方が1億円の物件を購入することは非常に難しいですし、自己資金がないことをカバーするためには、相当額の年収が必要ということです。
自己資金が無いからこそ、フルローンやオーバーローンが必要ですが、基本的に自己資金がない方には金融機関は融資してくれませんので、年収、自己資金どちらも無い方が1億円の物件を購入するのは、現実問題、非常に厳しいと思います。
自己資金が少ない人、年収が低い人は不動産投資はできないのか?
では、自己資金が2000万円無いと不動産投資ができないのかというと、まったくそんなことはありません。「1億円」の物件を購入するためには2000万円の自己資金が必要なのであって、物件価格がその半分の5000万円であれば必要な自己資金は1000万円ということになります。
自己資金が少ないのであれば物件規模を小さくすればいいだけですし、自己資金がある方でも小さい物件を狙う方もいますので、その辺は自分の状況にあった方法で、より確実に物件を購入できる選択肢を選ぶことで解決できるのではないかと思います。
また、利用する金融機関を工夫する、狙う物件を変える、インカム狙いだけではなく、キャピタル狙いの要素も加えるなど、アクセントを加え得るべきポイントは確実に存在します。
大事なことは、自分の属性(年収や自己資金)状況を正確に把握し、どんな選択肢をとることがベストなのかを探っていくことです。具体的に言うと、知識に対して時間とお金を投資し、かつ、行動することです。
結局、現在、年収の高い方、自己資金が数千万円以上ある方というのは、その状況をつくるために、これまで数十年という時間をかけています。高い年収を得るためには、より良い学歴をつくる必要がありますし、いい学歴をつくるためには、子供のときから膨大な時間とお金をかける必要があるはずです。
自己資金をつくるのもそれ相応の時間が必要です。相続や贈与で自己資金や資産を得た方も、その方の一族が長い時間をかけて創りだした結果です。こういうことの積み重ねが1億円の物件を購入できるという「いま」なのであって、自己資金が少ない、年収が低いというのも、これまでの積み重ねてきた「いま」ということです。
ただ、不動産投資のおもしろいところは、やり方次第でこれまで数十年の積み重ねを数年で挽回することができるというところだと思います。
私個人の経験や、私の回りにいる方の経験から言うと、5年あれば、「いま」どんな状況にある方でも1億円の物件を購入できる状態まではいけるはずです。もちろん、そのためには誰よりも知識に対して時間とお金を投資すること、誰よりも行動することが、「いま」年収が低く、自己資金も足りない方には重要になってくるはずです。
まとめ
・1億円の物件を購入するためには600万円~1000万円程度の諸費用が必要。
・自己資金が2000万円無いと、1億円の物件は購入できない可能性が高い。
・金融機関は自己資金が少ないことをリスクと考える。
・オーバーローンは基本的に不可能。
・単純に年収がいくらあれば1億円の物件が買えるとは判断できない。
・自己資金に見合った物件を選択することが重要。
・現在年収が低い、自己資金が少ない方でも挽回できるチャンスはある。
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