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不動産投資をはじめ、経営や起業などを通して成功を目指す、いわゆる「富裕層」の仲間入りを夢見る人は少なくないはず。そんな彼らが知りたいのは、富裕層の人々が成功者になるまでの過程で、どのような生活を送り、何に興味を持ち、どんな行動を起こしていたかということではないだろうか。成功者の歩んだ道筋をたどれば、成功に少しずつでも近づけると誰もが思うはずだ。
そこで今回は、不動産投資で成功者の仲間入りを果たし、著書に『貧困OLから資産6億をつかんだ「金持ち母さん」の方法』や『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』などを持つ、特許翻訳者でもあり、不動産投資家でもある星野陽子さんに話を聞いた。
星野さん自身は、イスラエル国籍のユダヤ人男性と結婚(後に離婚)したのを機に、「既存の常識を疑ってみる」「お金のことを堂々と話す」「成功者の話を聞く」「メンターを持つ」などのユダヤ的な思考を得てから、貯金や投資ができるようになったという。
さらに、資産ゼロから財産を築いた義父から不動産投資を学び、 約6億円にも及ぶ投資物件などの資産を築いていることから、実践的なアドバイスを得られるはずだ。
成功者の多くは、不動産投資をしている!
星野さんは、本業は特許翻訳者だが、副業で不動産投資を行っている。都内に3棟の物件を保有し、副業にもかかわらず家賃年収は約6000万円にも及ぶ。ではなぜ、数ある事業の中で、不動産投資を選択したのだろうか。
「不労所得とまではいかなくても、人の力を借りられる仕事だからです。たとえば管理会社さんにお任せして、自分は本業に邁進しても大丈夫な環境が作れる。離婚後、シングルマザーになって多忙だったので、副業で生計の柱を増やしたくても、あまり時間を割くことができませんでした。その点で、不動産投資はベストな選択だったと思います」
自分の生活リズムに合わせてできることが不動産投資だったというわけだ。星野さんの著書にも、不動産投資のセミナーに参加したり、本を読んで猛勉強したりしたエピソードが綴られている。
「3年かけて勉強しましたね。子育てに本業に勉強に……。昼夜逆転生活どころか、今が朝か夜かわからなくなるほど大変でした。それでも頑張れたのは、万一私が倒れても子どもたちが路頭に迷うことのないようにしなければ、という思いがあったからです」
子どもを育て上げることがモチベーションになっていたと語る星野さん。その不動産投資で資産6億円を掴んだことから、やはり富裕層を目指す人は不動産投資を始めるべきだろうか。
「私は本当にお金を持っている方をたくさん見てきました。具体的に言うと、金融機関に10億円ほどのお金を預けるような余裕のある方たちです。彼らの多くは、不動産投資をしています。やはり不動産投資は固い投資なのだなと改めて思いましたね」
星野さんは不動産投資を勉強していた当時、その道で成功している人に直接会いに行くことを習慣化していたという。その人物が主催するセミナーに行くことも多かった。
「それこそ、楽待さんのサイトにあるお悩み相談コーナー経由で相談を持ちかけ、会いに行ったこともあります。そのときに自分を一生懸命プレゼンし、『不動産投資のアドバイザーになってほしい』と伝えました。
その場では断られたのですが、後日電話で猛プッシュし、なんとか成功。その方は物件の情報をたくさん持っていて、銀行とのパイプもあったため、不動産投資における私のメンターになってくださった人物です。その方の存在があったからこそ、億単位の分譲マンションを買えました」
単に出会いを求めて動き回るだけではなく、自分にとって「師匠」となってくれるような人に向けて、長くつながりを持つための工夫を行うことが大事だといえよう。
株式投資で成功者に必要な先見の明を養おう
分散投資を行っていて、株式投資にも通じている星野さん。配当金や優待が魅力的だと語る。
「それだけではなく、投資先の企業の将来性を見越して投資することにより、先見性が培われます。先見性は経営者・富裕層にとって必要なものですから、そういった点では株式投資はおすすめです」
では、星野さんが考える、株式投資初心者に適した銘柄は何だろうか。試しに、初心者の男性に向いている銘柄を尋ねると「吉野家さんはどうでしょうか?」との答えが返ってきた。
「株主様ご優待券として、半期ごとに300円のサービス券が10枚(100〜999株の株主の場合、2015年9月時点の情報)進呈されます。10食分くらい無料で食べられるはずです。ランチで吉野家さんを利用する男性は多いと思いますから、身近に感じられるのではないでしょうか。
以前吉野家の株を買い、株価は当時と比べて下がっていますが、今までの優待と配当を考えると、結果的に得していると、ある男性から聞いたことがあります。ですから、吉野家の株を見ておいて、暴落したときに買ってみるのもありでしょう。倒産するレベルでなければ、株式投資の第一歩としては買いやすい銘柄だと思います」
富裕層は趣味と投資を絡めて海外旅行を楽しんでいる
ここまで星野さんを含め、同氏の周りの富裕層の人々が趣味・習慣とする投資について聞いてきたが、彼らが嗜む投資以外の趣味・習慣には、どのようなものがあるのだろうか。
「海外旅行ですね。旅先で投資物件を探して、趣味と投資を関連づけている人が多いですね。つまり成功者は海外も見ているのです。様々な情報が入ってくるだけではなく、日本にはないサービスを発見することもあり、学ぶことは多くあります」
富裕層になるには、ワールドワイドな視野を持つことが欠かせないとわかっていただけたはずだ。最後に、富裕層を目指す男性が今から始めたい趣味・習慣についても聞いた。
「英字新聞・英語で書かれた本を読むことです。これからは英語が大事になってきますし、英語で書かれた文章のほうが、日本語のそれよりも裏付けがしっかりしていて、論理的でわかりやすいのでおすすめです。日本人はもっと海外に行き、見分を広げるべきです。
そして資産につながる趣味を持つなら、趣味を極めることが大切。たとえば車のおもちゃが大好きでコレクター気質があるなら、集めたおもちゃで展示会を開くなど、自分の趣味を人に知ってもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
それにより、自分が提供できるサービスを見つけると、収益を得られますよね。そのためには肩書を持つのが良いですね、○○コレクターだったり、○○アドバイザーだったり。そう名乗ってしまえば、何かしらお仕事が来るかもしれません」
SNSがこれだけ普及している世の中だからこそ、自分の情報を発信して世間にアピールすることもできるだろう。趣味を極めると資産が増える――これほど一石二鳥なことはないだろう。まずは自身の趣味や興味のあることを棚卸しするところから始めてみてはいかがだろうか。
星野陽子さんプロフィール
東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、現在はフリーの特許翻訳者として活躍。イスラエル国籍のユダヤ人男性と結婚し、子ども二人に恵まれる。ユダヤ的思考を得てから、貯金や投資ができるようになる。
東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いた義父から不動産投資を学び、投資物件(6億円)などの資産を築くことに成功。約20年に及ぶユダヤ人たちとの交流などを通してユダヤ式成功術を研究している。著書に『ユダヤ人大富豪に学ぶお金持ちの習慣』『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金・銀・銅の法則50』などがある。
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