バルク売り最終_12042015

写真© moonrise-Fotolia

収益物件の紹介サイトを見ていると、1つのマンションのある1室ではなくて、まとめて10戸で◯◯◯万円といった物件を見かけることがある。いわゆる「バルク売り」方式で売られている物件だ。

一般には、一棟マンションのオーナーが資金捻出のために、住戸をある程度まとめて売却する場合や、売れ残った分譲マンションの部屋を再販売業者がまとめて買い取り、投資家へバルク売り物件として売却することが多くみられる。

ところで、このバルク売りの物件は利回りが高いと言われているが、実際はどうなのだろうか? そこで、バルク売りの物件を投資用に購入し、現在運用している投資家の方にお話を聞いた。登場するのは、楽待新聞コラムニストとしてもお馴染みの脇太さんだ。

まとめて買うからと値下げ交渉

○脇さんの物件情報(バルク売りされていた物件)

物件種別

RC造

間取り

1K(25平米)

場所

東京・中野坂上

購入価格

3600万円

家賃年収

約425万円(月々9万円×2戸、8万7000円×2戸)

利回り

11.8%

入居率

100%

購入時期

2012年7月(当時築25年)

ローン額(借入時)

3600万円、25年ローン

金利等

1.8%(現在)

月々の返済額

3万8000円

 

――バルク売りされていた物件を購入されたきっかけを教えてください。

「不動産投資を始めるにあたって、最初はマンション一棟を買おうかなと思っていたのですが、やはり、いきなり一棟はリスクが高く不安でした。それでまずは区分マンション数部屋から始めようと思い、現在の部屋を4戸購入しました」

――バルク売りされていたことが購入の決め手になったのですか?

「じつはもともと、まとめて売りに出ていた物件ではありませんでした。収益物件を探していたときに、たまたま知り合った不動産業者が良い物件があると言うので、詳しく聞いてみたのです。それがこの物件でした。

所有者はその業者で、4戸区分として別々に売りに出していて、決算前になんとか手放したいとのことでした。それならばということで、『まとめて4戸買うので値下げしてください』と交渉して、結果としてバルク買いという形になったんです」

――いったい、いくらの値付けがされていた物件だったのですか?

4戸ともすべて同じで、1350万円。それが交渉で900万円まで下がったんです。4戸トータルで3600万円。銀行からの融資もフルローンで受けられました」

――それはかなり安くなりましたね。やはり不動産業者も焦っていたのでしょうか?

「それもあると思います。またこのケースでは値下げ交渉の相手が、その業者のナンバー2の立場の方で、社内での決済がスピーディに進んだんです」

――なるほど。脇さんにとっていくつかの有利な条件が重なったのですね。

「そうですね。あのタイミングでなければ、バルク買いとはいえ、あれほどの値下げには応じてもらえなかったかもしれません」


バルク物件のメリット、デメリット

――バルク売りされている物件を購入するメリットを教えてください。

「バルク売り物件は、売り手側に『急いで現金化したい』、『早く手放したい』などといった何らかの理由がある場合が多く、値下げ交渉がしやすいことがメリットです。立地が良ければ客付けもしやすいので、まとめて買う旨みがありますね。

私の物件も購入してから3年あまり経ちますが、空室が出たのは1部屋のみで、しかも1カ月間だけでした。また、一棟物件と違って、自分が売りたくなった時に、一部屋ずつ戦略的に売りに出せることもメリットです」

――では、デメリットはどのような点にあるとお考えですか?

「リスクを分散しづらいことがデメリットです。最寄り駅から遠いエリアだったり、周辺環境が悪かったりと、立地が良くない場合は空室になるリスクが高まります。最悪のケースでは所有する全戸が空室のままということも考えられます。一棟物件と違って、エントランスの雰囲気を変えたり、共有部分に手を加えたり、物件のバリューアップもしづらいですしね。

また大前提として、安く買えないとキャッシュフローが悪くなります。周辺相場と比較して、それほど安くないバルク売り物件はおススメできません」

――そのデメリットやリスクを軽減するためには、どうしたら良いのでしょうか?

「当たり前ですが、購入する物件だけでなく、周辺環境や競合物件の有無など、事前に立地の良し悪しを調査しておくことですね。そうすることで、ある程度空室率を下げることは可能だと思います」

バルク売り物件は本当に利回りが高い?

――一般的に、「バルク売り物件は利回りが高い」と聞きますが、脇さんはどう思われますか?

「一般的にそう言われているのは、購入価格が安く、結果的にキャッシュフローが良くなるからだと思います。私も含め、バルク売り物件を保有されている方は、値下げ交渉をして安く購入される場合が多い。当然、同じマンションの1室を区分所有するのとでは、1戸あたりの投資額が違いますからね」

――なるほど。では最後に、脇さんは今後もバルク売り物件を購入されるおつもりはありますか?

「いえ、今のところ買い増しは検討していません。資産拡大のために一棟買いにシフトしたいからです。ただ、当初の私のように『一棟買いを躊躇している方』や、もともと『区分を複数買いたい』という方にはおススメです」

もともと「バルク売り」でなくても、脇さんのように、同物件で複数売られている区分を見つけ、「まとめて買います」と手を上げることもできる。そのような物件に出会い、立地などのリスクをクリアできるのであれば、購入を検討しても良いのかもしれない。

脇 太さんプロフィール

2012年7月から賃貸経営をスタート! 不動産マーケットの仕組みとアウトソースが素晴らしいと感じ、インカムリッチでビジネス拡大することが豊かな基盤づくりには必要不可欠だという事に気付き賃貸経営を始める。

3年で5棟を取得し資産3億円を突破! 年間家賃収入は2550万円。現在のリアルな情報で融資・物件・税金・マーケットの視点でアパート事業運営をメインに活動中!

○脇 太さんの楽待新聞コラム
https://www.rakumachi.jp/news/archives/author/lunaforza