空き家最終_12092015_写真AC

全国にある空き家の有効活用、不動産投資家には大変興味深い。総務省の2013年の調査では、全国の空き家(戸建て、共同住宅)820万戸のうち、賃貸用や別荘用、売却用を除く空き家は約320万戸に上った。破損がないものの交通の利便性の悪い空き家は約55万戸に上り、残りの220万戸は破損や耐震不足で簡単には住めないものだという。

倒壊の恐れや破損がなく、駅から1km以内の好立地にあり簡単なリフォームで利用できる活用可能な空き家は48万戸ということになる。

法整備と情報管理で結びつく空き家ネットワーク

調査では、空き家の多くの家屋は破損していることもわかり、有効活用の難しさも鮮明になった。4年後には、日本の総世帯数がピークに達し、以後減少していくと予想されることからマイホーム需要も減少する「2019年問題」も控え、空き家はさらに増えると予想されている。翌年2020年には、全国の空き家率が15%になるというデータもある。

一方で、大都市を中心とした宿泊施設不足は深刻化している。旅館業法の改正で自分の家や管理する不動産等を宿泊施設として提供する、いわゆる「民泊」が認められる運びとなっている。

また、空き家の所有者側の立場では、税制改正による相続税の非課税枠引き下げ等により、今までなら非課税だった物件も課税対象になる恐れがある。そこで相続税対策のひとつとして空き家ビジネスが急浮上している。

つまり、需要と供給の歯車さえ合えば、空き家ビジネスは大きなチャンスになるであろうと予測される。各自治体でも空き家物件の紹介・あっせんページを作成する等、空き家対策に本腰を入れ始めている


アイディア次第で勝負できる空き家ビジネス

放置された破損の酷い物件に関しては、全国の自治体が近年テコ入れをはじめ、解体費用を一部負担したり、「空き家対策条例」の制定によって、手つかずの空き家を撤去する動きも出てきた。一方で近年、活用可能な空き家に関しては、行政、民間企業や学生までもが空き家の開発や活用に取り組み、近年メディアでもよく取り上げられている。

民間では、古民家をリノベーションして飲食店や店のテナントにしたり、自治体とNPOが組み、高齢者向けの福祉施設や地域のコミュニティスペースにしたり、地域の問題をも解決していく動きも伝えられている。こうした中、不動産投資の視点としては、どのように考えたら良いだろうか。

現在、都心や地方に関わらず、全国で若者が積極的に地域おこしに取り組んでいる。例えば徳島県の神山町・美波町では、県とNPOが一体となり、古民家を活用したリノベーションオフィスを提供し、都心企業のサテライトオフィスの招致に成功した。過疎化の問題にも有効であると住民の方々からも評判が高い。

また、静岡県沼津市では、NPOがシャッター商店街の空き家を所有する地権者を説得し、若い人たちに賃料を安く提供し、新たな街づくりの取り組みも行われている。

これからを担う若い人たちにとって魅力的な街づくりが進めば、住宅やマンション、アパートの需要も当然増えていく。結果として、不動産価値の向上に結び付き、地方創生への好循環を育んでいく可能性も考えられる。

全国の魅力的な街を探し、不動産投資を通して街づくりに参加するといった視点も面白いかもしれない。投資対象は現地に足を運び、よく調査をし、情報収集をする。時代の潮流を掴み、不動産投資に役立てたい。