高額セミナー最終_12112015

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世の中にあふれる社会人向けの「セミナー」。その中には参加費が10万円、20万円など、数十万円レベルというものもある。ちょっと怪しい……と思ってしまいそうだが、実際にそういったセミナーに参加する人は少なくない。それらの高額セミナーに参加した場合、お金を払った分のリターンは得られるのだろうか?

以前、楽待新聞読者に行ったアンケートでも、毎月自己投資をしていると回答した人が全体の9割を超えるという結果が出ており、資産を増やしたい、経営能力を磨きたいなど、向上心の高い人は積極的に自己投資をしていることがわかる。

今回は、高額セミナーに通ったことがあり、現在の仕事でも成功している年収1500万円を超える人たちに取材。3名の方にインタビューし、自身が参加したセミナーの内容や現在の仕事との関わりなどを聞いた。

5時間で15万円! 独立後に参加した高額セミナー

ITエンジニアとして7年近く働いた後に独立したTさん。現在、研修講師や企画プロデュース、キャリアカウンセリングなど幅広く活動している彼は、かつて2回ほどビジネスセミナーに参加したことがあるという。

「一つ目は、自分の印象について学ぶイメージコンサルティングでした。これは5時間の講義で15万円ほどの参加料。高い授業料ではありましたが、自分は講師業をしていて、人から見られる立場。上のランクに行くためには、これが必要だと思ったんです」

Tさんは知人の紹介で、このセミナーに参加した。知人からは「おしゃれな人は見た目の説得力が違う。講義に出ればその理屈がわかる」と言われたという。もともとこの分野に興味を持っていたこともあり、彼は参加を決めた。

「講義の内容自体は、すでに知っているものが多かったのですが、それを改めて復習するという意味で役に立ちましたね。また、セミナーに参加したおかげで見た目と意識が変わって、より落ち着きが出ました。そういう意味で、即効性は高かったと思います」

この参加費を高いと見るかどうかは個人によるが、少なくともTさんは後悔していないという。そしてもう一つ、Tさんは他のセミナーにも参加したという。

自分自身のアイデンティティ(自己)を確立するセミナーに参加しました。かなり有名なもので、他の参加者も実績のある研修講師や、コーチングの講師、独立起業した方などでしたね。これは、全12回で10万円を超えるくらいの参加費でした」

アイデンティティ確立のセミナーに参加したのは、彼が独立して4年ほど経ったときだという。仕事でそれなりの売上は出ていたが、今後は、自分が本当に心からやりたいことにもっとフォーカスする必要があると感じたためだ。そこで行き当たったのが、このセミナーだった。

「自分のやりたいことや考え方が明確になったので、その後のビジネスを考える判断が早くなりました。また、自分のできることを以前よりシンプルに説明できるようになりました。今の仕事に役立っていますし、元は取れたと思っています」


3日間缶詰で25万円! 畑違いの転職準備に向けた自己投資

今年33歳になるYさんは、外資系の保険会社で営業をしている。彼は2年ほど前にあるセミナーに参加した。それは、3日間にわたって、朝から晩まで缶詰状態で学ぶ形式。参加費用は25万円ほどだったという。

「そのセミナーでは目標設定の仕方や、経営理念の立て方などを学びました。自営業や中小企業の経営者などが多数参加していましたね。自分は会社員ですが、完全歩合制で1人で営業を行う形なので、ほぼ個人事業のようなもの。そこで、このセミナーに参加したんです」

Yさんは、3年前までメーカーにいたため、保険会社に転職した際は不安が付きまとったという。そこで、こういったセミナーに参加し、少しでも準備を整えたいと考えたようだ。

「セミナーでの理論は、すべてが参考になったわけではありません。情報を取捨選択することが大切だと思いました。ただそれ以外に、この経験が今のお客様と話す際のネタになっているので、それも含めると、役に立っているかもしれませんね」

保険会社に転職してから、Yさんは順調に成果を上げているようだ。セミナーが役に立ったかどうかは別として、大切にすべきは「少しでも準備を整えたい」という彼の熱意だろう。そのための自己投資が、セミナーだったといえる。

1回10万円超! 20代で参加した3日間の合宿セミナー

企業研修の講師として活躍する30歳のKさん。現在は独立している彼女もまた、かつてセミナーに参加したことがあるという。

「同じシリーズのセミナーに2度参加しました。どちらもまだ私が会社員だった時代のことで、1度目は新卒1年目。2度目はそれから3年ほど経った頃です。どちらも参加費は10万円強で、3日間、合宿のようなスタイルで講義を受けました」

彼女が受講したのは、組織開発や個人の成長を理論化し、それを学んでいくセミナー。参加者の多くは経営者で、それ以外では大企業の部長課長レベルの人が多かったという。

「もともとは、そのセミナーの講師が私の会社の研修講師として来たんです。それで行ってみようと思いました。1回目はまだ若かったので内容がよくわからなかったのですが、2度目の講義は今でも役に立っていますね。自分が研修講師をやるときに活かしています」

それ以外にも、合宿スタイルだったため、一緒に学んだ人たちとの人脈ができたという。「今でも仕事の相談をしたり、飲みに行ったりできるのは大きな財産ですね」とKさんは語る。

なお、20代で10万円の費用を払って参加するのは勇気がいりそうだが、Kさんは「軽い気持ちで参加しました。結果的には、その方が力まずに情報を得られたので良かったと思います」と振り返る。もしも「高額だから、それだけ何かを得てこないと……」という気持ちで行くと、「自分に合わない理論まで、盲目的に吸収しようとしたかも」とのことだ。

いずれにせよ、20代でそういった高額セミナーに参加していることは驚きであり、その行動力が、30歳で独立起業するという今の環境に結びついている気もする。

高額セミナーに行くことが正しいかどうかはわからない。そこは人によるだろう。ただし、今回登場した3名の方は、いずれも現在のビジネスで成功している。いわゆる「お金持ち」たちは、若いうちから自己投資にお金を使っていたのだ。逆に言えば、自己投資にお金を惜しまないことが、お金持ちへの道と言えるのかもしれない