ただ、先にあげた日本独自の見方は変わってきているともいえる。中古住宅のメリットも多い。まずは価格が新築に比べて安い。また、すぐに住むこともできるし、自分の好きなようにカスタマイズしやすいというメリットもある。

これは例えば転職にも共通する。新卒を雇用する場合初任給は安いが研修も必要な上に、一人前(戦力)になるには経験と年数も必要だ。それに対し経験者の中途採用なら即戦力になることが期待できる。

結婚も初婚年齢の高齢化、離婚率の増加など変化し続けている。女性が結婚する相手に求める条件といえば、バブル期には三高(高収入・高学歴・高身長)が人気だったが、バブル崩壊後は三低(低姿勢・低リスク・低依存)、さらに進んで現在は三生(生存力・生活力・生産力)がもてはやされる時代だ。

バツイチ等の離婚歴が以前よりネックにならなくなったのも、三生力が評価される時代だからだろうか。要は人も家も、新しいか古いかではなく、その人(家)自身に魅力があるかないか、今後に期待が持てるかどうかということだろう。

売り手のホンネがどこまで透明化されるのかに注目

このように、社会全体の価値観やライフスタイルの変化に伴い、今後中古住宅の販売数が伸びてくる可能性は十分にある。ただそこはやはり物件の真の価値が問われる。よい物件には当然よい買い手がつく。しかも「売り手」が強い場合、少しでも良い状況で契約が成立するように、「売り手」側が、物件を「キープ」したがる。

例えば、就活では専門スキルの高い理系が人気である。そういう人は「複数内定」を獲得し、最終的に最も自分にとってよいと思われる企業を選ぶ。婚活においては本命以外に「二股」や「キープ君」を維持しつつ相手を見定めることもある。いずれも「買い手」がつかないという状況を極力避けたいという気持ちが、そのようにさせる。

不動産取引も就活も婚活も「交渉中」(検討中)という状態は実際にあるので、どこまでが本当なのかは見えにくい。業者による「囲い込み」も、本当に適切な条件と価格で、ニーズにマッチした取引がなされるべきであろう。

国交省はこの「キープ」による「囲い込み」を透明化しようとしている。理念は正しいが、実際の「運用」をどのように行っていくのか、具体的な方法については、これから議論されていく。不動産投資家としては引き続き注目していくべき事案である。