皆さん、こんにちは。岡田のぶゆきです。第8回目の相談者は、埼玉県にお住いの武田俊さんです。
年収800万円の武田さんは、近い内に結婚を予定されています。自己資金は1200万円、将来の目標は40歳までに月15万円、50歳までに月25万円、最終的に老後は月30万円以上のキャッシュフローを得たいとお考えです。
名前 |
武田俊さん(仮名) |
年齢 |
36歳 |
性別 |
男性 |
職業 |
エンジニア |
居住地 |
埼玉県 |
年収 |
800万円 |
自己資金 |
1200万円(物件購入資金:500万円を想定) |
Q1.マイホームと投資物件、どちらを先に購入するべき?
私は近い内に結婚予定ですが、マイホームと投資物件、どちらを先に購入するべきか迷っています。
まずは年内に2人で住める中古の区分マンションを住宅ローンで購入し、いずれ子供が大きくなったらアパートローンへ組み直してマイホームの購入を考えています。(中古の区分は賃貸として貸し出す)このやり方についてどう思われますか?
A1.優先すべきはマイホームより賃貸物件の購入
ご質問ありがとうございます。マイホームを購入するより、先に投資物件を購入されることをお勧めします。不動産投資を行っていくにあたり、マイホームを購入してしまうと信用毀損になる恐れがあるからです。
つまり、月々の住宅ローンの返済が大きいことにより、新しく不動産投資用のローンが組みにくくなる可能性があります。
これは銀行によって変わるので一概にはいえませんが、とくに新築の注文住宅といったコストの高いマイホームは避けるべきでしょう。
奥さんからの協力をどれくらい得られるかにもよりますが、中古の区分マンションでもいいという考えであれば、中古のファミリーの1棟マンションを購入して、その1室に住む方が合理的です。
Q2.自分に向いている投資物件は、1棟物件か区分マンションか?
1棟物件の方が規模が拡大しやすいことは理解しているのですが、値下がりや空室リスクを恐れています。区分マンションであれば、自分たち家族が住めばいいですし、値下がり率も1棟物件と比較すれば、そこまで大きくないと思っています。
あくまでローリスクでミドルリターンを得るためには、どのような物件を購入するのがベストでしょうか? (賃貸併用住宅も考えたのですが、利回りが低く、投資用とマイホームで、購入を分けた方がいいと思いました)
またエリアは、土地勘もあり、家賃相場も把握できる埼玉を検討しています。
A2.区分マンションにこだわらず、1棟物件からのスタートがお勧め
ご自身で住めばいいとお考えのようですが、空室リスクでみると、むしろ区分マンションの方が高くなります。複数戸ある1棟物件であれば、1部屋空室になっても他の部屋から家賃が入りますが、区分マンションは1部屋空けば、収入は0になるからです。
またハンデとして、区分マンションのみで物件を増やしていくには担保価値が低くなってしまいがちで、融資がつきにくくなるパターンに陥ることもあります。
古い物件を数百万円で現金購入して、転売をしていくならリスクは低いでしょう。このように融資を使わずにやっていく方法もありますが、ゆくゆく規模拡大を考えているのであれば、必ずしも区分マンションにこだわることはありません。
自己資金が500万円前後使えるということで、十分に1棟物件を狙えます。小ぶりなファミリー向けの1棟アパートで、鉄骨造など融資期間が長期でとれる物件がお勧めです。
値下がり率については、「区分だから」や「1棟だから」ということはなく、立地や需給バランスが重要です。区分マンションでも値下がる場所はあります。とくに駅前にある人気物件は、景気の動向で値上がりやすい反面、値下がりやすい側面も持ちます。
物件取得エリアを埼玉に絞ることには賛成です。地元でずっと暮らしていることもあり、投資物件の需要と供給バランスにもお詳しいでしょう。ただし、リスクの側面だけ見るのであれば、エリアを広げる方がリスクヘッジになります。
なお賃貸併用住宅は視野に入れていないという話ですが、賃貸併用住宅のメリットは1%をきる低金利で、長期の住宅ローンが使えることです。ただし、今後拡大するにあたって売却時を考えたときに、需要が少なく売りたい時に売れるとは限らないので、物件入れ替えがスムーズに進まない場合もあります。
Q3.どれくらい貯金をして、頭金はいくらまで出せばいいか?
物件購入にあたり、頭金をどの程度まで貯める必要があり、最初の物件にはどれくらい使うべきでしょうか?
また、金融機関を予め探しておくなら、どこがいいでしょうか? 金融機関を開拓するコツなどがあれば教えてください。
A3.できるだけ貯金を増やし、地元の信金・信組・地銀を開拓する
武田さんは属性が悪くありませんので、銀行から相手にされないことはないでしょう。ただし、メガバンクは地主や先代からの取引等がない限りは基本的に融資に対して積極的ではありません。よって地元の信金・信組・地銀をあたる方がいいと思います。
ご自身の預貯金がわかるもの、収入が証明できるもの、探している物件、検討している物件の資料を持参して、銀行に相談に行ってみましょう。武田さんが埼玉で生まれ育ったことは、むしろ地元の銀行で融資を受ける際は大きなメリットになります。
金融機関の探し方はグーグルマップで近くの銀行を調べます。近場の小さな支店ではなくて、大宮といった埼玉県内のターミナル駅、もしくは都内に勤めているのであれば、池袋・上野といった埼玉に出やすいターミナル駅にある大き目の支店の方がいいでしょう。また不動産業者さんから紹介を受けるのも手です。
懸念としては、年間で可能な貯金額が250万円とのことですが、武田さんの年収で独身であれば、もっと貯金できてもいいと思います。また、奥様の年収300万円がいつから無くなるのかによっても貯金額が変わると思います。できれば、夫婦で年間400~500万円は貯めたいところです。
そして、自己資金500万円程度を使って1棟目を購入するイメージです。できれば、現金をなるべく手元に残しながら融資を使って物件を購入していきます。
最後に全体的なアドバイスですが、武田さんの最終的な目標は、年間のキャッシュフロー360万円とのことです。1億円くらいの物件を所有するイメージで、充分に達成可能でしょう。
法人でどんどん買い進めるのではなく、個人でゆっくりと買い増やしていきます。目標の目線が高くないので、ローリスクで長い目線で行う投資を行っていく姿勢です。
リスクが低いということは、「高利回りだけど空室率の高い物件」「高利回りだけど築古物件」といった物件を買う必要がありません。そこそこ埋まっている、そこそこ新しい物件を、そこそこ良い場所で購入します。
ただし、より安全に進めるために現金があるにこしたことはありません。やはり、奥様がフルタイムで働いている方がいいでしょう。お子様が産まれるまでの間にしっかりと預金にお励みください!
プロフィール画像を登録