世界の家賃_moonrise-Fotolia

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賃貸で住み替えを検討する際「以前と比べて家賃が上がっているなぁ……」と感じたことがある人もいるのではないだろうか。

しかし、日本(東京)の家賃は世界のそれと比べると、決して高くはない。世界の大都市の家賃は昨今、恐ろしいほど上昇している。

アート・クラフト・サイエンス社が2015年に発表したインフォグラフィック「世界の家賃相場比較」をご存じだろうか? 「平成25年世界地価」などの調査結果をもとに、70平米あたりの家賃を比較したわかりやすい図は、ネット上で広く話題を集めた。

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東京は世界5位! 世界の家賃相場比較

シンガポールの平均家賃は25万円超!

同比較によると、世界で家賃が最も高いのはシンガポールの25万3190円。シンガポールといえば地理的な利点を活かし、アジア地域のハブ地点として、ここ数十年の間で急速な発展を遂げている都市の一つだ。

規制緩和や税制優遇を行ったことで、多くの海外企業の誘致に成功し、ヒト・モノ・カネを集めていることからも、家賃の高騰は合点がいく。

シンガポールには主に公団住宅(HDB)、コンドミニアム(マンション)、一軒家の3種類の住まいがある。単身外国人の大半は賃貸でどれかに住むが、そもそもシンガポールには一人暮らし用物件が少ないため、ファミリー向けのコンドミニアムをシェアして住むケースが多い。

それでも狭いエリアに人が集まりすぎて、需要が供給を上回っているせいで、家賃がどうしても高くなってしまうのだ。


ニューヨーク中心部の家賃は5年前の約2倍に

ランキングは以下のように続く。

2位……ロンドン(19万4110円)
3位……ニューヨーク(17万9690円)
4位……香港(17万940円)
5位……東京(15万10円)

2位のロンドンは今どのような状況なのか。「ロンドン 家賃」と検索したところ、部屋とは言い難い物置程度の小さなスペースが、1週間で約10万円、家賃にすると約40万円で貸し出される事例がヒットする。

ロンドンでも郊外に行けば行くほど家賃は安くなるのが、都市部では東京以上に信じられない金額感で、家賃が右肩上がりに推移しているのだ。

同じく家賃が高騰しているのは、3位のニューヨーク。2016年1月5日付の朝日新聞デジタルによると、ニューヨーク中心部の賃料は、5年前の約2倍まで高騰しているという。

中心部マンハッタンでは2015年末、おもちゃ大手・トイザらスが賃料の節約を理由に閉店したほか、老舗の店じまいが相次いだ、との報道もある。アメリカの景気が回復するのに伴い、不動産市況も上向きとなり、家賃が高騰した結果だ。

高い家賃を払っても住む理由がある

一方で、家賃が安い順に並べると、台北(4万6690円)、ベルリン(5万3830円)、上海(5万5370円)、北京(5万5860円)、オークランド(5万7330円)となっている。繰り返しになるが、これは70平米の価格である。

最高値と最安値とを比べると、実に6倍近い差が出ていることがわかる。興味深いのは同じアジア・ヨーロッパ地域の中でも、家賃の差は都市によってまったく異なるということ。

アジア地域で見ると、シンガポールや香港は「高額家賃トップ5」圏内に入っているのに対し、台北や上海、北京、ソウル(9万9190円)は世界でも家賃が安い部類に属している。

それでも、高い家賃を払って都心部に住む人は後を絶たない。そこには仕事があるから、というのが主要な理由だろうが、都市のライフスタイルを好み、住まうための高額支出を惜しまないお金持ち・富裕層も数多くいる。

「購入した方が安いのでは?」と感じる人もいるだろうが、家賃を経費にできる職業や肩書の人もいる。彼らにとっては、物件を購入して固定資産税などを払うより、家賃を全額または一部経費にして節税し、気軽に住み替えを行う方が合っているのだろう。

ただ、高額な家賃を払う人がいれば、それを受け取る人もいるわけだ。皆さんは家賃を払う人、家賃を受け取る人、そのうちのどちらになりたいだろうか?

○参考:東京は世界5位! 世界の家賃相場比較
http://acskk.com/?page_id=14696