敷金ゼロ_takasu-Fotolia

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こんにちは。銀座第一法律事務所弁護士、鷲尾です。今回は、敷金ゼロの入居者が退去した際に、修繕費をどれだけ請求できるかというご相談です。

入居付けを有利に行うために「敷金ゼロ」で募集しましたが、この方が退去する際に、ハウスクリーニング代や修繕費は請求できるのでしょうか?

判断基準は、借主によって建物に汚れやキズが生じたか

借主は、借りていた建物から退去するときには、キズや汚れなどを修繕して原状回復を行う必要があります。もし自分で修繕しないのなら、その修繕費を負担しなければなりません。この修繕費を原状回復費用といいます。

ただし、どのようなキズや汚れも借主が当然に修繕しなければならないわけではありません。

通常の使用方法によって汚れたり壊れたりした部分(通常損耗)や年月の経過により自然に劣化して汚れたり壊れたりした部分(経年変化)については、借主に責任があるわけではありませんから、原状回復を行う義務はなく、逆にいえば、家主は借主に対して修繕費を請求できません

このような通常損耗や経年変化に伴う建物の汚れやキズなどは、建物の使用に伴って当然に生じるものですから、貸主が受け取っている家賃の中から支出すべきものとされているのです。

これに対し、借主に故意・過失や善管注意義務違反など、借主の責任によって建物に汚れやキズなどが生じた場合には、借主はこれを修繕し、あるいは修繕費を負担しなければなりません