親は富裕層_taniho-Fotolia

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まだまだ格差社会というイメージが根強い日本。一般的には、「所得格差」と「学力格差」が結びついている例が多々あるようだ。親がお金持ちなら、子供に高等な教育を受けさせることができるため、子供もお金を稼ぐようになるという流れだろう。

ところが、もちろん例外もある。今回はその例外である、富裕層の親を持ちながらも自分の年収は平均を下回っている人に話を聞いてみた。

両親は資産家、自身はフリーター

あっけらかんと身の上を話してくれたのは、村田俊哉さん(仮名)。現在36歳で、年収は約240万円だ。

まずは、資産家のご両親の職業について伺ってみた。

「僕の両親は、祖父の代から受け継いだ土地を持っていて、そこに建つ不動産を人に貸す仕事をしています。昔は農地だったところを住宅地に変えたので当初は苦労したようですが、今では結構良いビジネスになっているそうです。田舎の風情はありながらも、都心まで電車1本で行けるという立地が売りのようで」

村田さんは、ご両親の仕事内容や資産の内訳についてあまり関心がない様子。当の本人はフリーターとして、悠々自適な生活を送っている。

「ここ10年くらいは、自宅から自転車で通勤できる距離にあるゴルフの打ちっ放しで、球拾いのアルバイトをしています。給料は確かに少ないですが、お金のかかる趣味もないし、実家暮らしなので生活には困っていません

確かに生活難に陥ることはなさそうだが、居心地は悪くないのだろうか?

「父が取り仕切っている関係で、自治会の手伝いをしているし、地域の祭りごとにも積極的に参加をしているので……地元に居心地の悪さはあまり感じませんね。ボンボンだからって働きもしないで、と陰口は叩かれているでしょうが、気にしていません」


英才教育は水の泡……?

どういった経緯で村田さんは今の状態に落ち着いたのだろうか。幼少期から順を追って伺ってみた。

「長男として生まれたこともあり、実は幼い頃から熱心な教育を受けていました。英才教育というのでしょうか、幼稚園生の頃から学習塾はもちろん、ピアノやスイミング、ゴルフの習い事に。大学付属の小学校に入学してからは、それなりに勉強に励み、大学まで進学しました」

大学に入学した頃までは、レベルの高い学校で成績は中の上と、エリートコースにのっていたという村田さん。校則や親の目が厳しかった高校生までとは違い、大学生になって自由を手に入れてから、自堕落な生活が始まってしまったとのこと。

「それまで言われるがままに勉強や習い事をしてきたので、自主性を求められる大学では落ちこぼれになってしまいました。

サークルや同期との飲み会でダラダラと過ごし、3年次で留年。仕送りをもらって大学の近くで一人暮らしをしていたのですが、親に帰って来いと言われ、退学して実家に戻りました。祖父が趣味でやっている農園と、自治会の手伝いをすることを条件に実家暮らしをしています」

結果として金銭的にはムダになってしまった、村田さんに施された英才教育。ご本人は、そのことについてどう考えているのだろうか?

「申し訳ないけれど、僕の両親はもったいないことをしたなあと思います。習い事のゴルフは今のアルバイトに結びついていますけどね(笑)

それは冗談として、私立学校の学費に加えて、数々の習い事の費用はかなりの額だったはず。僕が子供を持ったら、必要以上のお金はかけませんね。もちろん子供が希望した習い事などは、させてあげたいと思いますが……」

ご自身のようなケースがあるから、英才教育にはお金を使いたくないという考えを持っているとのこと。

確かに、芽が出るかわからない習い事に多額のお金を使うのなら、貯蓄や投資をしておいた方が将来の子供のためになるのかもしれない。自らが富裕層であるならば、村田さんのような例があることも頭に入れて、お金の使い道を改めて考えてみてはいかがだろうか。