殺人事件_BillionPhotos.com-Fotolia

写真© BillionPhotos.com-Fotolia

日本最大手のオークションサイト「ヤフオク!」。誰もが簡単に出品したり、入札、落札できたりする手軽さが大きな魅力となっている。中には公的機関が出品する官公庁オークションのページもあり、思わぬ掘り出し物が見つかることも少なくない。

そんな官公庁オークションに千葉市が出品したある物件が、物議を醸していることをご存知だろうか。それはチバリーヒルズにもほど近い場所にある土地付きの豪邸なのだが、なんと入札開始額は756万円と超破格。

しかし、注意書きに書かれた一文を読めば納得すると同時に、きっとあなたも入札をためらってしまうだろう。それは「平成26年1月に建物内で殺人事件が発生した物件」なのだから。

はたしてお得な物件か?

平成26年1月、この家に住む男性が何者かに胸などを数か所刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。現場に争った跡はなく、貴重品も残されていたという。この犯人は未だ捕まっておらず、いわゆる未解決事件の一つである。

事件以来、手をほとんど加えてないのか、サイト内に掲示されている内見写真には男性のものと思しき衣類や、大量のゴミ袋がそのまま残っていてなんとも不気味だ。

それでも洋館風のこの物件は、まさしく豪邸と呼ぶに相応しい。6LDKと4LDKを合わせた二世帯住宅のような間取りで、玄関や水回りも2つずつある。土地面積は527.15平米、延べ床面積は308.1平米もあり、空撮写真で見ると周りの住宅の倍近い大きさだ。

これだけの条件を揃えた物件が756万円というのは確かに格安だろう。

近辺の同程度の物件を調べてみると、新しめのもので9000万円、築年数が経ったものでも5000万円は下らない。金額だけ見れば、これ以上ない掘り出し物だと言える。


ただし、立地条件はあまり良くない。最寄り駅の土気駅までは徒歩で34分。そこから東京駅まで約60分、新宿駅まで約90分とアクセスが良いとは言いがたい。また、経年による劣化箇所も目立ち、そのままの内装で使用するのは難しそうだ。解体するにしても、千葉市の見積もりで500万円ほどかかるとされる。

そして犯人はまだ捕まっていない「大事故物件」でもある。値段の安さだけでは手を出しにくいのも事実だ。

事故物件とは?

前居住者が他殺や自殺、火災や事故など何らかの理由で死亡してしまった物件を「事故物件」と呼ぶ。もともとは不動産業界内のいわゆる業界用語だったようだ。

事故物件と聞くと、中には安く住めると喜ぶ人がいるかもしれないが、一般的には避けられるものだろう。そのため過去に事件や事故があったとしてもその事実を説明しないで入居希望者と契約を結んでしまう不動産業者も存在するようだ。

しかし、これは違法行為とされる場合がある。宅地建物取引業法において事故物件は「物理的瑕疵」、「法律的瑕疵」、「環境瑕疵」、「心理的瑕疵」のうち、心理的瑕疵に当てはまる

つまり物件としての品質や性能を欠いた状態であり、契約者に告知すべき重要説明事項の一つとされているのだ。

過去の裁判を見ても、入居者に十分な説明をしなかったとして不動産業者が損害賠償を支払ったり、契約を解除されたりといった判例が残っている。

現在は業界内に、事故物件であると説明しないことは法に触れる、との認識が広がりつつあるが、こういった業者側の行動や判例があること自体、入居者が事故物件を嫌う傾向にあることの裏付けとも言える。

気になる落札価格は?

今回「ヤフオク!」に出品されたこの物件の入札期間は5月10日から5月17日で、既に落札が決まっている。落札額は、1111万1100円。とても土地付き一軒家とは思えない値段だ。

「ヤフオク!」サイト内にはfacebookと連動したボタンが設置してあり、この物件には2000超える「いいね!」が集まっている。それほど関心度の高い物件だったわけだが、はたして落札者はどんな用途で購入を決めたのだろうか。

お得だと感じる読者は、今後も官公庁オークションをチェックし続ければ、さらなる掘り出し物な物件、あるいはさらなるいわくつき物件に出会うかもしれない。