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石坂さんは10年前に不動産投資をスタートして、今では10棟のオーナーとして年間家賃収入が5000万円になりました。目標の8000万円までは規模を拡大していかれる予定です。また、海外の不動産投資にも強い関心を持たれ、いずれは海外移住も視野に入れています。とても勉強熱心な石坂さんですが、そのお悩みとは?

 

お名前

石坂茂幸さん

性別

男性

自己資金

300万円

ご職業

外資系製薬メーカー勤務

ご年収

1000万円

居住地

東京都

ご自宅

自己所有(ローン有)

所有投資物件

アパート4、マンション 6

不動産投資経験

10年

はじめに

49歳の石坂さんは地方勤務をしていた10年前に、「都内に住居が欲しい」という理由から新築区分マンションを購入したのがきっかけで、不動産投資に目覚めました。その後は1棟物件に手法を変え、資産の規模拡大に成功されています。

「石原さんの書籍はバイブルです!」という石坂さんの夢は海外に移住すること。まずは海外不動産投資をはじめるにあたり、アメリカ在住の石原さんにご相談があるそうです。


海外不動産投資について米国や新興国など基礎的なアドバイスを

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石坂

将来は海外移住も視野に入れています。一生に一度の人生なので、私も石原さんのようにやりたいと思っています。

石原

共鳴していただけて嬉しいです。昔から海外に馴染みがあったのですか?

石坂

年に2回は渡航しています。昨年も台湾やグアム、サイパンを家族で満喫しました。バンコクへは区分所有のコンドミニアムの様子が知りたくて、2泊だけですが視察してきました。

人々の暮らしぶりがどのようなものなのか、スーパーマーケットや交通機関を見て回ったのですが、やはり自分の肌で感じないとわからないので。

石原

僕もそう思います。人種をはじめ、国の成り立ち、歴史や宗教、政治が何もかも違いますよね。僕はアメリカに在住していますが、ここを選ぶまでに、2011年から中国やタイ、シンガポールなど5カ国ほど視察しました。

海外へ移住されるとしたら、その前に海外で不動産投資をして、「そこで源泉を作ってから」というお考えですか?

石坂

それが理想です。日本でのスキームが使えるならやってみたいのですが、調べたところ、日本の金融機関が海外不動産に融資を出すのは厳しいようです。

ただし、最近は送られてくるメルマガに、「融資を使って海外不動産投資ができます!」という記事も散見します。

石原

しかし、小額の物件に限定されますし日本より金利が高いです。国内で調達した方が良さそうですがスムーズにはいきません。それは日本の金融機関が海外不動産に抵当権をつけられないからです。

そう考えると一般的には現金購入が早くて確実です。

石坂

キャッシュにも勝るものはないと? どれくらいからで購入できるのでしょうか。

石原

1300~1600万円の金額でも、エリアによっては購入できます。

アメリカでの事例ですが、カリフォルニア州でもサンフランシスコ、ロサンゼルスといった大都市圏では、不動産の値段が高騰しています。現在のロサンゼルスの平均住宅価格は68万ドル、7000万円以上と高額で、狭小の1ベッドルームでさえも平均価格は47万ドル、約5000万円という状況です。

しかし、僕の住んでいるベーカーズフィールドの人口は38万人で、これは埼玉県の川越市や、東京の品川区と同じくらいです。

ロスから北へ180キロ離れていますが、ここなら12~15万ドル、日本円で1300~1600万円で貸家に適した戸建が買えます。空室率は州内最良の2.2%で、全米でもベスト4に入ります。

石坂

日本に比べると、とても低いですね。

石原

アメリカは、先進国で唯一人口が増加しており、物価も不動産も右肩上がりで上がっていく優良市場です。ただし、場所を選ばなければ行政が破綻して治安の悪いエリアも多くあります。

アメリカの全体的なイメージだけで、よく精査せずに投資するのはとても危険です。

石坂

デトロイトに投資されている方のブログで読むと「本当に大変だ!」と書かれていました。アメリカではエージェントには、しっかりやってもらえるのでしょうか?

石原

アメリカの不動産仲介業者を、リアルターといいます。僕が懇意にしている方に関しては非常にプロフェッショナルです。ただし日本人がイメージするエージェントとは異なります。不動産売買に関してはプロですが、融資に関しては通じていません。

日本人の感覚で不動産といえば、不動産業者が一括りで全て応えてくれますが、アメリカはそうではなく、仕事の役割が独立しています。融資はローンオフィサー(Loan Officer)という職業があり、そちらの範疇になります。税金はCPA(米国公認会計士)の範疇です。

仲介の法律上の手続きとしては弁護士、もしくは州によってはエスクローオフィサーという職業があります。日本でいう司法書士や行政書士の役割を果たします。

Point1  リアルター(REALTOR)

NAR(全米リアルター協会)の会員である不動産仲介人(salesperson/broker)を指す。

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石坂

石原さんなりに工夫をなさっているポイントをお聞かせください。

石原

僕は日本の居住者として、最初にアメリカの物件を購入しました。

買付を入れて通常なら何日もかけてやり取りするところ、「自分は現金購入で、すぐ日本へ帰るから即答して欲しい!」と交渉したのです。それで当日の夜には契約を結ぶことができました。

その後に帰国してから売買の手続きを行ったのですが、それに関してはすごく気を使いました。例えば所有者名義を夫婦共有にする/しないのいずれを選択しても、大使館で公証が必要だったり、他にも色々あります。

買付を入れる時点で、資金の証明が必要です。ローンの仮承認書もしくは購入金額分の残高を記したバンクステートメント(残高証明書)を用意しなければなりません。

そこで、あらかじめ日本の金融機関で手配をお願いしておきました。これは有料で2~3週間もかかります。簡単な処理ですが、そういう手配に日本は慣れていないのでしょう。その点も注意しなければいけないと思います。

石坂

勉強になりました。残高証明書は確かに英語で出してもらわないと、外国ではわかりませんからね。

石原

ただし、それを回避する方法もあります。もしも米国で投資を進めるのであれば、ユニオンバンクがおすすめです。三菱系の銀行で日本にいながら口座が開設でき、日本語でも電話対応してもらえます。

残高証明書に関しては、その口座に預けてある残高を見せれば問題ありません。機会をロスすることなく対応できます。

Point2  ユニオンバンク

三菱UFJフィナンシャル・グループ (MUFG)100%子会社。本店をカリフォルニア州サンフランシスコに置き、カリフォルニア州やオレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州で計414の支店を有する。

2009年6月30日のFDICによるレポートでは、預金高で全米21位、カリフォルニア州では5番目に大きく、アメリカ西海岸地域では大手であり、日系金融グループの在米銀行としては最大規模。

 

石坂

そういう方法もあるのですね!

石原

こちらは小切手社会なので、すぐに小切手が切れる体制にしておかねばなりません。代表的な口座にチェッキング・アカウント(当座預金)とセイビング・アカウント(普通預金)がありますが、セイビング・アカウントは貯蓄性の口座で、そこにお金を入れておけば利息がつきます。

チェッキング・アカウントで利息はつきませんが、パーソナルチェックといって、小切手が切れるチェックブックがもらえます。その2つを持っておかれたらよいでしょう。管理もすべてウェブ上で可能です。

もしもアメリカで購入されるなら、準備としてはその辺を先にやっておけば便利です。石坂さんは実際にどのあたりを購入されたいのですか?

石坂

金額からいうと、やはりアセアンが魅力ですが、法律も含め投資家の保護がされていない可能性もあり、そうなると先進国も選択肢に入れなければと思っています。

石原

かかる金額でいえばアセアンの方が価格も低く、参加しやすいのは事実です。実際に投資をしている方の声を聞くのですが、まだまだ「袖の下の文化」であり、逆にすべての人脈に通じていれば話も進めやすかったりします。そこをうまくやらないと詐欺にあったり、失敗する可能性が高いとのことでした。

また、為替だけでなくて、今後の政治情勢も含めて関わってきます。大統領が変わって全てがひっくり返えれば、安心した投資はできません。そうであれば法律の整った国でやった方がいいと思います。

石坂

いろいろなリスクがありますね。とくに、どのようなルートで買うのか、それを間違えると怖いですよね。ただしチャンスは感じます。

石原

すでに石坂さんは日本で収入が上がる仕組みを築かれていますよね。次のステージとして、少し切り口を変えて、日本の不動産とはちがう動き方をしてもいいのではないでしょうか。

無責任かも知れませんが、少しだけ冒険してみるとか。海外から得るお金に手をつけなくても、今の生活が成り立つならば、将来の値上がり益に夢をかけるのもいいですね。

現在の海外不動産市況についてご意見をいただきたい

石原

基本的に、日本の円と米国のドルは相対関係にある通貨だと思っています。円が下がればドルは上がる、逆の動きをする相対関係ならば、両方を持っておく分にはリスクヘッジになります。

石坂

なるほど。たしかにその通りです。

石原

僕がこちらに来て驚いたのは、物価が目に見えて上がっていることです。25年前に留学したとき、車のガソリン代が1ガロンを1ドル切っていた記憶があります。それが、2014年の4月に移住したとき、1ガロンが4ドルを超えていました。25年間で4倍です。

経済の動勢を推し量る指標のひとつに、消費者物価指数があります。経済の体温計とも呼ばれ、経済政策や金融政策の判断材料として使用される等、広く利用されています。

変動の激しいエネルギー価格と、天候で左右される生鮮食料品の両者を省いたコアCPI(日本ではコアコアCPIに相当)を参考にしますと、過去30年、40年のアメリカの指標は、ずっと右肩上がりです。平均して30年前の2.6倍は上がっており、間違いなくアメリカはインフレの社会です。

石坂

一時はテキサスのシェールガス・オイル開発事業に投資をした日本企業の報道もありましたが、石原さんも参入は考えられなかったのですか?

石原

シェールガス、つまりエネルギーに関しては指標から外すくらいに上がり下がりの影響が大きいため、あまり考えていませんでした。ただしテキサスは、シェールガス以外でも行政は企業誘致に積極的です。ある一定期間は税金を緩和したり、土地を有利に貸与するそうです。

米国トヨタのヘッドクォーターオフィスは、今までカリフォルニアのロスにありましたが、テキサスに移転が決まっています。約3000人規模のオフィスですから社員の家族も含めれば1万人が大移動することになります。

トヨタに限らず、多くの日系有名企業の米国本社がテキサスに移ってきています。それに便乗すべく、サンディエゴで不動産を経営していた友人も会社をたたみ、今年の2月にテキサスへ引っ越しました。

そのような波に乗ろうとする人もいますが、僕は今のところここでやります。金額が低いのと、入居率がとても高いですから。

それにカリフォルニア全体で人口が毎年40万人近くも増えています。メキシコと隣接しているのでメキシカンが多く、しかも子沢山です。8~10人家族なんて普通ですよ。

石坂

日本では考えられないですね!

石原

やはり数は力ですね。先日も議会で、最低賃金がぐんとアップすることに決まりました。不動産の金額は常に消費者物価指数を上回って成長しています。

石坂

投資家にとっては安心できますね。


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石原

2012年12月に僕が12万5000ドルで買った家が、今は18万ドルでは買えない状況だとリアルターに教えてもらいました。

カリフォルニアでもロスのような大都市圏では、売家が出て、その条件がよければ、一気に10本くらい買い付けが入ります。1億円の家に対して現金バイヤーもいて取り合いになります。

ただし、僕の住んでいるベーカーズフィールドは田舎なので、そのような状況ではありません。まだまだゆっくりと交渉が可能なエリアです。場所を選べばチャンスがあると言いたいですね。

石坂

今のお話を聞いていて、石原さんの投資の原則を見た気がしました!

石原

僕は日本でもアメリカでも、地方高利回りが好きなのかもしれません(笑)日本ならアパート1棟が良かったのですが、アメリカはアパートよりもコンドミニアムよりも、一戸建てが断然にいいです。価値が上がりやすく、流動性に優れ、貸しやすいし、いざというときは退去もさせやすい。いろんな面で強いのです。

石坂

ニッチなところを狙っていくのは大事ですね。

石原

漠然と海外不動産へ興味を持たれている投資家も多いと想像しますが、国によっては法律の成り立ちが全くちがってきます。これまで築き上げてきたご自身の見る目、常識が、さもすれば非常識になる場合さえあります。

やはり投資をするエリアは、慎重に吟味するべきです。そして「ここだ!」と決めたら、浮気をせずに腰を据えてやるのが得策ではないかと思います。

石坂

なるほど、勉強になります。

石原

あまり調子のよいお話や、数値だけでほだされて、あちらこちらに手を出してしまい失敗されている人の話もよく聞きます。お金さえあれば誰でも投資をするのは簡単ですが、購入後にしっかりとお金を回収してこその投資です。

石坂

はい、肝に銘じます。

個人で増やすことに限界を感じており、今後法人化する際の融資や注意点は?

石原

法人融資の注意点をいえば、融資期間は個人が長くて、法人が短いのはご存知ですよね。法人を作って新しく法人格、新しい人格で、今まで通りの収支計画を計算します。その認識が違っていれば大きな判断ミスになります。くれぐれも前提条件の違いには注意された方がよいでしょう。

石坂

では、どうすれば良いでしょうか。

石原

そこは上手に融資期間が長いものと短いものを織り交ぜればいいと思います。

返済期間が10年間だとしたら、その間はキャッシュフローを望めなくても10年後の結果が大きくちがいます。ブレークイーブンで収益と支出が同じだとしても、10年後には無借金で資産ができますから。そういう物件を1つ、2つ育てていいと思うのです。

石坂

そんな考え方もあるのですね。

石原

その他、法人の有効な使用法としては支店登記など、法人ならではの手法を取り入れれば、その支店を登記しているエリアの金融機関を有効に利用できますよね。もちろん実態が伴う形でなくてはいけません。

ただし、全体的な話としては、ここまで資産を築かれているのですから、もう無理をする必要もないと思うのです。あとはどのくらいの身入りがあれば満足できるのか。ご自身との対話をしっかりとしていただくのがいいのではないでしょうか。

石坂

これまで銀行さんとも金利交渉は一切せずに、融資を出していただけるだけ出してもらいました。今後は金利交渉かなと思っています。

石原

規模拡大のために銀行と協力しあう形でやってこられたのですね?

石坂

はい。私がメインで借入をしているS銀行さんの融資に関しては善し悪しがあることは十分に理解していますが、サラリーマンという属性を活用するには最大のスキームではないかと思います。ある程度の規模まで作ってから、そこから金利を下げていけば石原さんのようなスタイルに近づけるのではないかと。

石原

与えられた枠内でできるベストな方法を模索され、それを上手に活用されてきたと感じます。おっしゃるように、これから金利交渉もできるし、支払いも年数が進めば借り換えの土台にも上がりやすい。そういったところで足元を固められてはどうかと思います。そして将来はぜひ、海外移住仲間になりましょう!

石坂

ぜひともお願いします! これまで仕事と両立するスタイルでやってきましたので、石原さんにそう言っていただくと嬉しいですね。本日はありがとうございました。

対談を終えて…石原氏よりメッセージ

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外資系製薬会社の第一線で敏腕を振るわれている石坂さん、その有利なご属性を最大限に活かして効率よく規模の拡大を目指されてきたといいます。

そのために一切の金利交渉をせず、10年間かけて10棟、年間賃料5000万円に達した今、次のステージとして金利交渉や借り換えによる足場固めと、法人での物件取得を予定しているとお伺いしました。

金利が高い金融機関は決済スピードに優れており、さらにLTV(物件の価値に対する負債の割合)の条件が良いことが多く、この特徴を良く理解して戦略的に増やされてきた手腕は素晴らしく、石坂さんの深慮遠謀に深く感銘を受けました。

海外への投資や移住も視野にあると聞いて、この度は海外談義でも大いに盛り上がりました。「一生に一度の人生なので」とのお言葉に、僕自身も次を目指す大きなエネルギーを頂戴致しました。

ぜひ新しい世界への“歩み”も楽しみに見守らせ手頂きます。そして近い将来、ご一緒にプールサイドでビールが飲める日を心待ちにしております!