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年齢や職業などバックグラウンドの異なる人々が暮らすマンション。いろいろな人が生活する場所だからこそ、共同生活をする上でのルールが大切になる。このルールや規則の中には、玄関は「共用スペース」といった当たり前のものから、あまり知られていない豆知識まで様々なものがあるようだ。
そこで今回は、マンションにまつわる意外と知らない不動産知識をご紹介したい。
その1.「共同」と「共有」、「専用」と「専有」の違いって?
廊下や個人の部屋などマンションは部分によって呼び名が異なる。ここではよく聞く「共同部分」「共有部分」「専用部分」「専有部分」4つ言葉の違いについて解説したい。
まず、法的に正しい呼び方は「共用部分」と「専有部分」。共用部分とは廊下のように複数の人が使用する場所のこと、専有部分とは各部屋など区分所有権が生じる所を指す。
残りの「共有」とは複数の人間が所有権を持つことができる土地などを指し、「専用」については共有部分だが個人が利用できる駐車場などが当てはまる。
その2. 床はOK、玄関ドアはNG!? マンションのリフォーム
分譲マンションのリフォームに関しては、「専有部分」である天井や壁、床などはリフォームが可能である。一方、「共用部分」にあたる玄関ドア、ベランダ、配管部分についてはリフォーム禁止とされている。
ちなみに、「原状回復義務」のある賃貸マンションでは、さらにリフォームできる部分が限定されてくるが、オーナーとの取り決めによって変わる場合もある。
その3.マンションのベランダには大きなものを置いてはいけない
意外と知られていないマンションの共用部分、ベランダ。もちろん共用部分でありながらも住居者の専用使用権が認められてはいるが、火災の際の逃げ場として他の住居人のために経路の確保が義務付けられている。そのため、ベランダには経路を塞ぐ大きなものを置いてはいけないとされている。
その4.タワーマンションのベランダに洗濯ものは干せない
充実した設備やスタイリッシュな外見がウリのタワーマンション。そのほとんどは、景観の問題や落下した場合の危険性からベランダに洗濯ものを干せないところが多い。
中には乾燥機付きの洗濯機が備え付けられていたり、ベランダの窓が開かない仕様になっていたりする物件も。マンション全体の規律を守るため、低層階であってもベランダにものを干せないところもある。
その5.たばこをベランダで吸うのはNG?
最近では、世間的に喫煙に関して厳しいこともあり、喫煙者の中にはたばこをどこで吸っていいか悩む人も多いだろう。ベランダで吸う人が多いが、隣近所から苦情がくることもある。
中には裁判にまでなり、喫煙者が負けた事例も。たばこに関してはマンションの管理規則で決められていないケースが多いため、当事者同士で解決策を考えるケースが多い。
その6.管理人はどんな場合なら部屋の中に入れる?
よく刑事ドラマなどで見かける管理人が入居者の部屋のドアを合鍵であけるシーン。実際は、入居者と長期に渡って連絡がとれない場合や警察の要請があった場合のみに保証人立会のもとで鍵を空けることができるようだ。最近では、悪用されるリスクの大きさから鍵を手元に置いていない管理人も多い。
その7.マンションのコンシェルジュと管理人の違いって?
高層マンションなどには、ホテル並みのサービスを提供してくれるコンシェルジュがいるところもある。
コンシェルジュと管理人の違いは、管理人がマンションの点検や巡回など維持・管理業務が主であるに対し、コンシェルジュは入居者が快適な生活をできるよう荷物の一時預かりをしたりクリーニングの取次ぎをしたりといったサービスを行う点である。
その8.楽器NG、ペットNGの物件はどこまでNGなのか?
マンションで楽器不可、ペット不可とされている物件は、基本的にはすべての楽器とペットについてNGである。
例えば、音を出さずにヘッドホンをつなげる電子ピアノであっても、ペダルや鍵盤を叩く音といったいわゆる「固体振動音」があるため、禁止されるケースが多い。ペットについても同様だが、オーナーとの話し合いである程度まで許されることが多いようなので、事前に確認をとりたいところだ。
その9.消費税なしでマンションを購入する方法
不動産購入の際に意外に負担となる消費税。しかし、中古のマンションを不動産会社を通さずに購入するなら消費税はかからない。消費税とは「事業者が提供するものやサービスについて課税されるもの」であるため個人が売り主となっている場合は、課税されない。
その10.マンションでの民泊は禁止!?
最近話題となっている「民泊」。しかし、マンションでの民泊は禁止されるケースが多いようだ。
理由はスーツケースを転がす際の音や、しゃべり声などといった騒音面とマンションに赤の他人が出入りするといったセキュリティー面での懸念である。東京都大田区では、2016年の1月に民泊を認める条例を制定したが、マンションの管理者で民泊禁止の規則を追加するところが多い。
意外と知られていないマンションの豆知識。不動産投資家であれば、ぜひ知っておきたいところだ。
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