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このコラムでは、投資家にぜひチェックしていただきたいオススメの書籍を取り上げ、5分で概要がつかめるようにご紹介したいと思います。
第2回目は、加谷珪一氏による『お金持ちはなぜ、「教養」を必死に学ぶのか』(朝日新聞出版)。
教養こそお金持ちの前提
たとえば「お金持ちになる方法」「儲け方の秘訣」というような書籍であれば、いくらでも探し出すことが可能です。事実、書店に足を運んでみれば、いやでもそのテのタイトルを目にすることになるでしょう。
しかし、「お金」をモチーフにしている点こそ同じだとしても、本書は視点自体がユニークです。なにしろタイトルからも察しがつくように、お金持ちになることの前提として「教養」を重視しているのですから。
人間の生活は経済活動と切り離して考えることができないものです。したがって、あらゆる分野において、間接的であれ、直接的であれ、お金の問題が関係してきます。それは教養そのものにも影響してくることになります。
(「はじめに お金持ちになるために、なぜ教養が必要なのか」より)
経済活動とは不可分な教養
いわれてみれば、理にかなった考え方ではあります。相応のお金を得るためには、そのための仕組みや方法論を熟知しておかなければならない。それは当たり前すぎる話なのですから。
つまり教養とは、経済活動とは不可分の存在。にもかかわらず、そこに焦点を当てた書籍は意外なほど少なかった。だからこそ、本書に価値があるというわけです。
とはいっても、教養とは具体的になにを指すのでしょうか? その答えは、本書の章立て(章の分け方)にあります。つまり各章が「社会学」「経済学」「数学」「情報工学」「哲学」「歴史学」に分けられ、それぞれ特徴の異なる6種の「教養」に沿った解説がなされているのです。
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