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投資家の皆さんに、ぜひチェックしてほしいオススメのビジネス誌を特集ベースで取り上げ、5分で概要がつかめるようご紹介する当コラム。

今回は、『PRESIDENT(プレジデント)』 2016年6月13日号の特集「金持ちじいさんになるのはどっち? 生活習慣365日Q&A」だ。

生活保護を受ける高齢者の割合が高止まりし、「下流老人」が問題になる一方、現役時代から資産を蓄えて豊かな老後を過ごす高齢者も多い。それならば今から「超リッチ」とはいかないまでも、平均以上の老後ライフを手に入れるコツを知りたくないだろうか。

『PRESIDENT』では、企業の役員などを経験した60歳以上の男女1000人を対象に調査を実施。そこから見えてきたポイントとは!?

「下流老人」は他人事じゃない

昨今、「下流老人」なる用語がメディアを賑わせている。先日、厚生労働省が公表したデータでは、生活保護の受給世帯のうち、65歳以上の高齢者を中心とする世帯が過去最多の82万6656世帯を記録し、受給世帯の半数(50.8%)を突破した。高齢になると、現役時代からの「格差」が積み重なって一気に現れる。

高度成長期やバブル期など、日本経済が右肩上がりだった時代に資産を形成できなかった人たちが、今、貧困層へとこぼれ落ちているのだ。ましてや平成不況の辛酸をなめた世代が、高齢期を迎えたら……社会保障費は削られるばかり。

自分や自分の親が貧困層になる確率はわからない。わからないからこそ、今から手を打っておきたい。下流老人は他人事ではないのだ。


金持ちでい続けるためには、死ぬまで働き、考え続けること

『PRESIDENT』の「1000人アンケート」と、それを分析した3人の専門家の意見によると、役員経験のある「金持ちじいさん」には、ある共通点があるという。

それは「仕事」に恵まれているということ。本誌ではそれを「死ぬまで働く」と表現しているが、老後破綻を免れている人たちは、「退職したら旅行三昧」など遊び放題ではなく、何らかの仕事をし続けているという。

役員経験者へのアンケートなので、定年後に顧問として働く人が多いのは納得だが、それだけではない。常にスキルを磨いて流行を察知し、ネット起業したり、外国人向けの街歩きガイドを務めたりするなど、やりがいある仕事を続ける人が目立つのだ。

ハッピーなシニアたちに、「リタイア」は似合わない。死ぬまで続ける仕事に加え、手堅い株式投資も行っている。要は仕事と株式投資で、「毎月新しいお金が入ってくる仕組み」を作っているのだ。

それらを可能にするのは、働き、思考を続けられる「健康な体」。な~んだ、そんなことかと拍子抜けしたが、少し希望が持てる結論ではないか。

懐かしのピケティ理論を打破!?

『21世紀の資本』で話題になった経済学者、トマ・ピケティが日本でブームになったとき、「r>g」という公式が注目された。r(リターン)は、株や不動産など資産運用から得られる利益率。g(グロース)は、労働から得られる所得の伸び率だ。

成熟した社会では、汗水たらして働いた賃金の伸び率より、資産運用から得る利益のほうが上回ってしまう。資産を持つ人はますます私腹を肥やし、世代間格差は拡大、親の所得が子の所得を決めるように……。

なんと世知辛い現実、富裕層は働かなくてもお金が入ってくるのか! と絶望しかけたが、『PRESIDENT』の「富裕層シニア1000人アンケート」からは、むしろ老後も健康で働き続けることこそ「下流老人」にならないポイントだということがわかった。

もちろんハッピーなシニアは株式投資にも積極的で、その配当が生活に潤いを与え
ているのも事実。

だが、彼らは株の利益で贅沢三昧ではない。現役時代に一生もののスキルを蓄積し、ランニングやウォーキングなどのスポーツで健康な体を維持。常に新しい情報にアンテナを張り、若い人たちとの交流にも積極的で、変化を恐れない。すべてが上手くリンクし、適度に稼いで消費する……

そんなアクティブでハッピーな老後を手に入れるために、とりあえずは目の前の仕事に全力投球するとしよう。