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このコラムでは、投資家にぜひチェックしていただきたいオススメの書籍を取り上げ、5分で概要がつかめるようにご紹介したいと思います。

第3回目は、リチャード・テンプラー氏による『できる人のお金の増やし方』(訳:桜田直美、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書籍をプレゼントいたしますので、最後までお見逃しなく!

「お金のことばかり考えている」のは間違っている

程度の差こそあれ、人はみな、お金のことをいつも考えているもの。どう考えても、それは真実でしょう。なにしろお金がないと生きていけませんから、それはむしろ当然のことだというわけです。

しかし、『できる人のお金の増やし方』の著者は、「その認識は間違っている」とあえて主張しています。

30年以上にわたり、旅行代理店やスーパーマーケットチェーン、レストラン、カジノ、大学の自治会など、幅広い分野でマネージャー経験を積み上げてきた実績を持つ人物。さらに2003年には「White Ladder Press」という出版社を立ち上げ、わずか4年で「イギリスでもっとも成功した出版社」と呼ばれるまでに成長させました。

著書も多く、これまでにも2012年の『できる人の仕事のしかた』、2013年の『できる人の人生のルール』などの「ルール」シリーズは50言語で翻訳される世界的ベストセラーになっています。そして、その最新作である今作においては、「お金の増やし方」に焦点を当てているのです。

人がお金で手に入れたい「10のこと」

それにしても「お金のことばかり考えている」という認識は、なぜ間違っているのでしょうか? この問いに対する答えはいたってシンプル。誰もがお金に必死になるのは、「お金で手に入ること」を求めるためだというのです。

禅問答のようではありますが、しかしそのとおり。愛や幸せがお金で買えないとしても、お金があるから楽しめることはたくさんあるし、お金があれば避けられる不幸も多いのですから。

だとすれば、一体自分はお金で何を手に入れたいと考えるのか、自覚しておく必要がありそうです。

そこで著者は、「人がお金で手に入れたいもの」を10項目に整理しています。それを確認するには項目だけを抜き出せば事足りるのですが、それぞれのコメントがおもしろいのでピックアップしてみましょう。

【人がお金で手に入れたいこと】

1.安心と安全

毎日の生活に困らないこと。加えて「万が一」のときのための余裕と、老後のためにも十分な蓄えがあること。持ち家があるなら、さらに安心だ。

2.快適な暮らし

十分な広さの家と自家用車があること。健康面で不安があれば、ためらわずに医者にかかれること。必要があれば、家事や掃除、子どもの世話をプロに頼めること。

3.贅沢を楽しむ

海外旅行やレストランでの食事を楽しめること。スポーツ観戦やコンサートに出かけること。洋服やアクセサリーでおしゃれを楽しめること。

4.快適な移動

列車や飛行機をためらわずに使えること。ときには、一等船室での船旅や運転手付きの車での移動もできること。

5.ステータス

有名人や重要人物と知り合うこと。会員限定の招待など特別待遇を受けること。

6.組織力・権力

自分の意見や希望が重要視されること。価値観の合う活動や団体を応援できること。

7.自由

人生を自分の意思で決められること。権力(雇用主・上司.債権者・クライアント……)に振り回されないこと。〆切や予定を押し付けられることがないこと。

8.時間の余裕

行きたいときに行きたいところへ行き、会いたいときに会いたい人に会うこと。好きなときに好きなことができること。

9.人気・評判

人からほめられること。評価され、頼りにされること。

10.社会貢献

自分がよいと信じる社会活動、慈善団体や慈善活動を応援できること。

(以上、「はじめに」より)

「おもしろい」と書いた理由がおわかりになったのではないでしょうか? 日本人の感覚からすると極端で、戸惑いを感じるものもなくはないわけです。とはいえ大枠で捉えれば、おおむね妥当だともいえるでしょう。

つまり本書では、人間が本質的にこれらのものを求める傾向にある生き物であるという事実を受け入れた上で、「より多くのお金を手に入れるためのルール」を説いているのです。

とはいっても、それはよくある錬金術的なものではありません。そして、その点にこそ大きな意義があります。

すなわち、「お金持ちの心の持ち方」「お金持ちへの道の進み方」「お金の育て方」「お金を守り人生を楽しむルール」「お金の正しいわけ会い方」「他人のお金に振り回されない方法」と、あくまで精神論的な観点からお金を見つめているのです。

お金を増やすのに本当に必要なのは、心の持ち方

その原点というべき1章「お金持ちの心の持ち方を手に入れる19のルール」から、印象的な部分を抜き出してみましょう。

お金がない人は、その理由を周囲の状況のせいだと思っている。貧乏な家に生まれたから、環境に恵まれなかったから……というわけだ。

しかし、屋根のある家で暮らしていて、本書を買うことができているのなら、お金持ちになれる条件は十分に備えている。 たしかに簡単ではない。厳しい道のりになるかもしれないが、可能であることに間違いはない。
(19ページより)

この記述に明らかなとおり、著者の主張の根幹を成しているものはむしろ精神論です。そういう意味において本書は、むしろ自己啓発書に近いといえるでしょう。

そう知ってがっかりする方もいるかもしれませんが、それは筋違いだろうと個人的には思います。なぜなら、お金を増やすために大切なのは、小手先のギミックではなく、心の持ち方であるはずだから。

「自分なりの『お金持ち』の定義を決める」「お金の目標を決める」「必要な努力をすると決意する」「現実的に考えて行動する」と、以後に続く「ルール」も一つ一つが「あたりまえのこと」。

しかし、そこから目を離すことなく、地味なくらいの現実と向き合ってこそ、お金を増やせるのだという考え方。そう考えると著者の視点は、とても理にかなったものであることがわかるのです。

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