離婚対策_takasu-Fotolia

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ただでさえ大きなエネルギーを使う離婚。企業の役員・幹部クラスや経営者などのお金持ちともなると、なおさら大変だという。彼らは一般会社員と比べて、年収が高く、資産の額や種類も多岐に渡るケースが少なくない。

離婚の原因やモメ具合にもよるが、慰謝料が高額になったり、財産分与が複雑になったりするケースもしばしばあるとか。そこで、年収1500万円超のお金持ちに「離婚を考えたとき、離婚したときに対策したこと」を聞いた。

ケース1 資産運用は自身の会社名義で行う

協議離婚ならどんな資産の分け方をするのも自由ですが、調停や裁判所の力を借りると基本的には折半になってしまいます。結婚期間内に作った資産は均等に分けなければいけません。

一応そのことは知っていましたが、結婚当初は離婚するなんて、誰も想像していないわけです(笑)ぼくの場合、たまたま管理会社を作って投資を行っていたことが、結果的に離婚対策になりました

そう話すのはバツイチの鎌倉健吾氏(仮名・38歳)。Webサイト制作を手がける会社の経営者でもあり、個人投資家でもある。とはいえ、前述の通り、投資をしたり会社を作ったりしたのは、離婚対策のためではなかった。

「私が今行っているのは不動産投資とFXがメイン。どちらも、個人投資家の形態でもできますけど、規模が大きくなってくると法人の方がメリットはあります。不動産投資は棟数が多いと管理が大変なので、法人化していた方が何かと便利で、融資も付きやすいです。

FXも法人口座ならばレバレッジが100倍まで使えるのが大きなメリット。2012年に法改正で、個人投資家は最大レバレッジ25倍までしか使えなくなってしまいました。

ハイレバレッジで取引したいなら、海外のFX会社を使うのも手ですが、法人を持っているので安心できる国内のFX会社で取引したいと思って、法人口座を開いていたんです」

投資を法人名義で行っており、その収益は会社にプールしてあって、自身の役員報酬はそれほど高額にしていなかったのだとか。


「あまりにもたくさん報酬をもらっていると、税金も高くなりますからね。離婚は私の浮気が原因だったのですが、結果的に慰謝料300万円と結婚期間に貯めたお金を折半することで落ち着きました

子どもはいなかったので養育費もナシ。当時の妻を管理会社の役員にしたり、株を渡したりはしなかったので、その点でこじれてはいないですね。

仮に株を渡していると、買い取るためにさらにお金が必要になることもあります。知人で、そんな離婚ケースにあった方もいますが、双方会いたくないから代理人を立ててやりとりしていたそう。そのため、時間も弁護士に払うお金も余計にかかって大変そうでした」

資産数億円単位のお金持ちならば、資産管理用の会社を起ち上げて、そこで資産運用を行うと、万一のときの離婚対策になりそうだ。

ケース2 夫婦で不動産投資を行うときは契約書を作っておく

「夫婦で投資用マンション(1部屋)を購入したものの、その後、思いがけず離婚することに。資金はとりあえず私が3分の2を出し、元夫が3分の1を出しました。マンションの名義は元夫にしていましたが、夫婦間であっても契約書を作っていたのが、結果的に良かったと思います」

こう話すのは自営業を営む時田美加子氏(仮名・30歳)だ。元夫も会社経営者だったが、会社の資本金やその他の投資を行っていて、キャッシュが手元にあまりなかったため、前述のような資金配分になったのだとか。

当初の持ち出しは夫1:妻2でも、夫から妻へ毎月一定金額を返済し、最終的には夫2対妻1で所有すると決めていたそう。

「なので、そのときに『毎月50万円、◯年◯月◯日までに返済する』と簡易なものではありますが、契約書を作っておいたんです。顧問税理士のアドバイスを聞いておいて良かったと思います。

夫婦間のお金の貸し借りでも、記録が残っていれば、モメる原因にはなりにくいでしょうね。全額返済される前に別れましたが、その後『離婚した男女が共同で不動産を持つのも変だよね』という話になったので、数カ月後に私の支払い分は数百万円単位でまとめて返済されました

仮に返済が滞った場合は、契約書を持って弁護士に相談するとスムーズに進むはず。夫婦共同で不動産投資などを行う場合は、契約書を作ってまとめておくのも、離婚時のトラブルを回避する手段となるはずだ。

2つのケースから得られる教訓としては、常に「最悪の場合」を想定した備えをしておくことだろう。とくに鎌倉氏の場合は、離婚するとは思いもよらなかったというが、何の気なしに作っていた資産管理会社が財産を守るのに役立った。

結婚=長く平和に続く、とは限らない。かつては愛し合った人が悪役に転向する可能性もあるのだ。夫婦ふたりの間に溝ができてから対策をとろうとしても、遅い可能性はある。備えあれば憂いなしの精神を持っていたいものだ。