地方の需要供給_varts-Fotolia

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こんにちは。才津です。今回は「地方って賃貸需要はあるの?」というテーマでお話をしたいと思います。

まず、今回の内容での「地方」という言葉の定義を決めておきたいと思います。

東京、政令指定都市といった感じで、一般的に大都市、人口が集中しているエリア、人口が増えないまでも減らないエリア。<ccstrong>ここを除くエリアを「地方」だと判断します。

さらに地方にも2種類あります。

(1)地方の中でも、人口が集中しているエリア、人口が増えないまでも減らないエリア
(2)明らかに人口減少、過疎化が進んでいるエリア

この2つの地方を賃貸需要という目線で見た場合、

(1)のエリアは賃貸需要に問題は無い
(2)のエリアはリスクがある

と判断できると思います。

私が投資しているエリアで具体的に言うと、福岡市、北九州市などは、東京から見るといわゆる地方ですが、今回の定義で言えば、「地方ではあるが、人口が集中しているエリア」です。その結果、賃貸需要には問題がないエリアだと判断していいと思います。

長崎市、佐賀市、大分市、熊本市、鹿児島市などは判断が難しいです。人口は減っているものの、人口が集中し、減りにくいエリアという意味では、賃貸需要に問題は無い気がします。しかし、同じ市内でもエリアによっては過疎化が進んでいるエリアもありますので、判断が難しくなってきます。


「地方」という指標は、購入判断に関係ない!?

と、ここまで話をしてきてあれですが、実は私が不動産投資をやる上で、「地方だから賃貸需要があるのか」という判断はほとんど重視していません。

私が重視しているのは、エリアではなく、物件ごとの賃貸需要です。

そのエリアがいわゆる地方で、人口が減っているエリアであっても満室経営が可能な物件は確実に存在しますし、逆に、人口が増えているエリアであっても満室経営が難しい物件はたくさんあります。

実際に、私は福岡市、北九州市、長崎市、佐賀県神埼市、福岡県大牟田市、福岡県田川市などに物件を所有していますが、唯一、人口が増えている福岡市の物件が最も満室経営に努力が必要な状態です。

ですが、いわゆる地方中の地方と言われる様な過疎地に存在する物件は、簡単に満室経営が可能で、入居者募集のための経費も比較的少なく済んでいます。

これについては、よく言われることですが、需要(人口)が多くても、それ以上に供給(新築物件、既存物件の数)が多ければ、そのエリアでは満室経営が難しく、満室にするために相当の努力、経費が必要になってきます。

では、エリアは一切見ていない?

では、すべてにおいて、物件ごとに判断しているのかというと、大きな視点ではエリアも重要な判断材料になっています。

たとえば、人口が増えているエリアであれば、売却時の売値が下がりにくいですし、現在の状況であれば、価格が上がることも考えられます。人口が減っているエリアであれば、満室経営は簡単かもしれませんが、売却時に価格が下がることも可能性として高いはずです。

こういうエリアを見極めた上で、購入する物件を選択していきます。

たとえば、人口が増えているエリアであれば、利回りが低くても築浅で立地がいい物件を狙った方が、売却時まで考えると利益が出せる可能性が高いと判断する。

といった事や、人口が減っているエリアや過疎地であれば、築年数は古くても利回りが高く、資金を回収するスピードを重視し、かつ、融資期間をなるべく短く設定できるものを選択する。

といった感じで判断しています。

やはり「いま」満室経営が可能であったとしても、将来的にそれが可能かどうかは誰にも判断できません。

ですが、RC、築35年の物件であっても、融資期間10年でしっかりとキャッシュフローが出せる様な物件であれば、過疎地であってもリスクがより低い投資が可能になります。

なぜなら、築浅、好立地の物件の場合、利回りは7%前後ですが、過疎地、築古の物件の場合、利回り30%超の物件も珍しくありません。

利回り7%前後の物件に30年の融資を受けるよりも、築古であっても融資期間10年でしっかりとキャッシュフローが出る物件の方が融資面においてはリスクが低いからです。

もちろん、築浅物件と比較した場合、駆体・配管等にダメージはありますが、それは、融資面のリスクと裏表の存在です。エリアによって、許容できるリスクは変わってくるはずです。

ということで長くなりますが、地方であっても賃貸需要は確実に存在します。また、エリアごとの大きな視点で判断することも重要ですが、物件ごとの小さな視点で見ることも重要です。

大事なのは、物件ごとの特長を理解し、その特長にあったエリアを選択することで、投資全体でのリスクをいかに減らしていけるか、というところです。