加藤さん_Route16-Fotolia

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不動産経営を始める際、インターネット・メールマガジン・雑誌・書籍等での勉強や、セミナー・不動産会社・金融機関等に出向いて情報収集を行うと思います。

しかし「いざとなったら、なかなか物件購入に踏み切れない……」とお悩みの方も多いようです。確かに不動産経営と言えば、購入金額も大きいですし、借入金に対する不安もあります。

かくいう私自身も、30年前の1986年(当時28歳)、初めて東長崎の新築ワンルームマンション(1210万円:借入金1100万円程度)を購入する際には、不動産会社の担当者を捕まえて、「おたくが潰れたらどうなるのですか? 念の為、決算書も見せて下さい」と質問攻めで、5時間離さなかったのを今でも覚えています。

デメリット・リスク・不安というものは、お化け屋敷と一緒で、わからないから怖いものです。自分なりに、デメリット・リスク・不安を洗い出して整理し、対処法を考えておけば、「案ずるより産むが横山やすし」。背中を押してもらえれば、踏み切れるものです。

そこで今回は、特に「サラリーマン大家がぶつかる壁」として、3つの「無い」をご紹介します。


サラリーマン大家だからぶつかる3つの「無い」

1.不動産投資にかける「時間が無い」

サラリーマンは、24時間365日こき使われ、自分の体と時間を売っているようなものなので時間がありません。まるで社畜状態……。しかし不動産経営で成功されたいのであれば、最初は浅く広くでも、不動産・法令・会計税務等、時間を作って勉強すべきです。

仕事帰りの時間を使って本を読んだり、土日にはセミナーに行ったり、物件調査に行ったりと、1年間は休む間も惜しんで不動産経営に時間を割きました。もちろんクタクタになりましたが、なんとかモチベーションを保って頑張ったことが、今の成果に繋がっています。

そして、信頼できる不動産会社・金融機関を探して優良な割安物件を探し、いい条件で資金調達を付ける。ここまでは、ある程度の時間は掛かりますが、信頼できる不動産会社に業務委託(アウトソーシング)でき、軌道に乗れば、ほとんど自動操縦が可能となります。

私も、サラリーマンでこき使われながらも、不動産会社の御蔭様で、あまり手間を取られずに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽と全国展開で100戸運営できています。現在、不動産経営に割いている時間は、月に4時間程度です。

更には、皆様にとって多少なりとも御役に立てればと、コラム・書籍執筆、講演等で、情報発信もさせて頂けております。つまり、不動産経営を始める際の1年間さえ踏ん張れば、後は余裕をもって経営できるということです。

2.不動産投資をはじめる「お金が無い」

サラリーマンの貰う給料というものは、成功報酬ではなく、生活給ですから「生かさず殺さず」、「必要最低限・死なない程度」のものです。しかし低賃金とは言え、自営業に比べれば比較的安定しています。その分、金融機関からの融資は受け易くなっています。

今は、アベノミクスミニミニバブルで、家賃の割には物件価格が上昇し、利回りは低くなってはいますが、今の日本は、「ゼロ金利、マイナス金利」という言葉も出るくらい調達金利は低く、融資を受け易い状況です。

つまり、必ずしも現金買いではなく、金融機関をうまく活用することによって、不動産経営を始めることが可能なのです。

ただし、融資の際の「頭金」の他、物件購入の諸費用や税金、修繕費等が掛かるため、物件価格の1割の自己資金は準備しておいた方が良いでしょう。ちなみに、私が不動産経営を始めた時の自己資金は800万円でした。これは、サラリーマン時代にコツコツ貯蓄した200万円を元に、株式投資を行って増やしたお金です。

3.不動産投資をはじめる「スキル・ノウハウが無い」

サラリーマンは、自営業者等の経営者と違って一部の仕事のみなので、職種によっては、不動産・法令・会計税務等に詳しいとは限りません。

しかし、浅く広くでも知識は付けられるものです。書籍等では体系的に勉強でき、インターネット・セミナー等では最新で生の情報を収集できます。詳しいことについては、ある程度、不動産会社・金融機関でも教えてくれます。

専門的なことは、不動産鑑定士・土地家屋調査士・宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士、弁護士・司法書士、公認会計士・税理士、ファイナンシャルプランナー等、専門家が教えてくれます。

全て自分でしようというのは非効率ですので、ある程度、他の方、専門家等を活用するのも手です。経験によって、自分自身にもスキルが身に付きます。

いかがでしょうか? 特にサラリーマンの方ですと、これら3つの「無い」を言い訳にして、物件購入に踏みとどまる方が多くいます。しかし逆に言えば、この3つさえ払拭できれば成功への道は開けるのです。それは、サラリーマン大家歴30年の私が証明しています。

まずは自分の「無い」をしっかりと把握して、それを補う活動をしていきましょう。