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こんにちは。才津です。今回は「規模が大きいから不安(融資額が大きいこと、空室リスクなど)という方に、アドバイス!」というテーマで話をしたいと思います。

いきなり結論からいきますが、規模が大きい物件を購入することが不安なのであれば、無理に大きい物件は狙わず、小さい物件を購入する方がいいと思います。

事業として不動産投資をやっている方、年金代わりに不動産投資をしている方。いろんな方がいると思いますが、共通するのは「幸せ」になるために不動産投資をしているはずです。

「幸せ」になるための不動産投資で、ストレスを受ける様な買い方をしていては、本末転倒だと思います。

恐いと思うのは、通常の感情

蛇を見て恐いと思う様に、大きな借金をすることに対して恐怖感を受けるというのは、日本幼少期からの教育の結果という意味で、日本人らしい反応であり、自然な事だと思います。

と言いながらも、実際、私は20億円超の投資をしていますし、規模の大きな物件を購入することに対して不安感を感じることはほとんどありません。

もちろん規模が大きい物件に対してリスクを感じることはありますし、何もプレッシャーを受けない訳ではありません。

というのも不動産投資におけるリスクは、その物件が投資としてリターンを得られるかどうか、「その物件を満室にできるかどうか」、「出口まで考えてトータルでリターンを得られるか」というのが重要なのであって、規模が大きいことがリスクになる訳ではないのです。

もちろん規模が大きいことは、そのままリスクにつながる面は否定しませんが、それぞれの方の資産規模によってもとれるリスクは変わってくるはずですし、規模が大きいからといって不安になるのは、理性よりも感情が前面にでている状態だと言わざるを得ません。

規模が小さくても満室経営ができない物件もありますし、投資全体で見た時にリスクがある物件はいくらでも存在します。


不安を解消することはできるのか?

では、どうすれば、その不安を解消することができるのかというと、蛇を見て恐いと思う事が当たり前な様に、大きい借金をすることが恐いということをしっかりと受け止めることが大事です。

不動産投資を実践していると、投資規模を拡大することが正しい事という風に誤解し、借金に対する恐怖感を受け止めることなく、心の奥底に隠したまま投資をしている方がけっこうな割合でいます。

こういう方の状態は、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態に例えるとわかりやすいと思います。

どんどん物件を購入し、投資規模を拡大すること = 正義
借金に恐怖感を感じる事 = ダメな自分

というイメージですね。

こうなってしまうと、潜在意識的には借金に対する恐怖感があるのに、無理に大きい借金をする訳ですから、不動産投資に対してものすごく大きなストレスを感じることになります。

こういう状態で不動産投資をしても、幸せになれる確率は相当低いはずです。なぜなら、不動産投資自体を不安に思ったまま投資をしている訳ですから、どんなに規模を拡大できたとしても、その分だけ不安が大きくなってしまっているからです。

まずは自分が借金をする事に恐怖感を感じている事をしっかりと受け止め、それを論理的、体験的に克服していく作業が必要にあります。

不安を解消するための「『端と端』を認識する」とは?

その際重要な作業の一つに、「端と端」を認識することがあげられます。

具体的に言うと、

・不動産投資でいう「成功したケース」とはどんなケースなのか。
・不動産投資でいう「失敗したケース」とはどんなケースなのか。

これを明確にすることです。

不動産投資は不労所得が自動販売機の様に毎日、自動で入ってくるものだ、と理解している人と、築年数がこれくらいで、利回りがこれくらいのRCの場合、これくらいのリターンがあるから、この価格以下で買えばリスクはないな、と判断する人では、同じ不動産投資をするのであっても結果は違うものになるはずです。

また、不動産投資=失敗すると自己破産、一家心中の様なイメージをもっている人と、不動産投資で失敗したケースを論理的に理解している人(過去のコラム参照:フルローンでRCを買った人が失敗するのはなぜ?)では、これもまた同じ不動産投資をしても結果は確実に違ってくるはずです。

という感じで、不動産投資で成功したケースと、失敗したケース。これを明確に理解すれば、「不動産投資」という漠然としたものをより明確に見ることができる様になってきます。

不動産投資で得られるリターンはこれくらいであると理解すれば、家賃収入が大きくなったとしても金銭感覚が狂うこともありませんし、不動産投資で失敗するケースを論理的に理解していれば、そういう風にならない様な具体的な対策をとることができます。

投資規模の大きいというだけで不安を感じることは当たり前です。当たり前ですが、それにとらわれてしまうと、合理的な判断ができなくなってしまいます。人間は感情が動くとIQは簡単に下がってしまう生き物です。

投資経験が浅いうちは、なかなかこの辺を理解することは難しいと思います。

時間はかかりますが、まずは小さい物件からはじめて徐々に大きい物件にチャレンジしていくやり方や、無料、有料問わず、経験者にアドバイスを受けるなど、自分にあったやり方で不動産投資に対する知識と経験を積み重ねていってください。そうすれば自ずと感情ではなく、合理的に判断できる様になってきます。

問題なのは、リターンや結果にばかり気がとられて、借金が恐いという気持ちをかくしてしまうことです。

大事なのは、借金をする事が恐いという当たり前なことなんだという認識を持ち、それに対して真正面からぶつかり、明確な結論を自分のなかで見つけることだと思います。