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みなさん、石川貴康です。先月メガ大家になるとの宣言(5年以内にメガ大家になると宣言!! 今後は「戸建て賃貸」に集中する理由は?)に従い、積極的に動いています。

福岡、水戸、つくば、札幌の物件を検討中です。都内は、不動産業者に打診していますが、価格が上がりすぎで、なかなか検討しにくいですね。中古、新築あわせて検討中です。

ちょうど、12月に売値1億円ほど、表面利回り8%の3棟一括の物件を見に行く予定でした。これで、年間プラス1000万円の家賃増で、メガ大家に一歩近づく、と目論んでいました。

ところが、生憎の雪になり、延期。木曜日に見る予定でしたが、土曜に延期していると、その土曜に買い付けが入ってしまい、買うことができませんでした。

うーん、残念。やっぱり雪の中でも見に行けばよかったか、と思いました。幸運の女神は前髪しかないのですね。掴み損ねました。まあ、ご縁がなかったと思い、次に行くことにしました。別途、年明けに新築を手に入れる予定です。

さて、そうこうしている間に、予告した通り12月23日にプレジデント社から『サラリーマン「ダブル収入」―お金はもう自分でつくるしかない!!』が発売になります。

この本は、サラリーマンのままでもいろいろな稼ぎ方があって、トレードや投資、ビジネス構築のやり方をいくつか紹介しています。その中でも、不動産投資が王道のひとつと書いています。よかったら、手に取って見てください。

やはり、サリーマンというのは恵まれた立場です。その立場を最大限に生かしてお金を稼ぐべきです。今回は、私がサラリーマン時代にやっていた不動産投資の方法を明らかにしてみましょう。

過労で倒れ、リハビリ散歩中に偶然出会ったワンルームと虎の子の貯金

私が初めて不動産を買ったのが、文京区にあるワンルームです。たった17平米、北向き、2階の206号室。このワンルーム取得は偶然でした。

既に売却してしまった、思い出深き最初の物件の売却の利益額・益等はこちら(現金購入のワンルームを売却した結果、投資利回りは178%に!! さて、いくら儲かった?)に書きましたのでご確認ください。

購入当時、私は過労で倒れ、会社を休んでいました。リハビリではありませんが、休んでいる時に1歳の娘を連れて散歩中に、横断歩道の捨てカンバンを見たのがきっかけでした。ワンルームのオープンルームが行われているという広告です。ふらふらとその看板に誘導されて、RCのきれいなマンションに入りました。

そこには朴訥(ぼくとつ)な若いセールマンが一人いて、朴訥に説明してくれます。価格からすると利回り8%(表面)だとのこと。表面利回りも実質利回りもわからず聞いています。とにかく、月6万円から7万円近い家賃が入るとのこと。


「そうか、現在私は倒れていて、今後職の安定は覚束ないかもしれない。だったら、このワンルームを買って家賃収入を得ておくのも悪くない」と思いました。頭は、ぐるぐる計算を始めます。

値段は950万円。今もっている貯金で買える。聞いたところ、経費を引いても4万円から5万円は月に残る。とすると、年間約60万円はこの物件の家賃で貯金ができると考えました。

当時の私は、倒れていて不安はあるとはいえ、サラリーマンコンサルですから、給料がもらい続けられるのです。ですから、家賃収入を生活に使う必要はなく、貯金をしてくれる資産と認識しました。

60万円貯金できれば、14、5年で回収できるから、まあ良いかと。もし、10年、20年たって人が入らなくなっても、自分が使っても良いし、子どもが将来使ってもいいし、という軽い認識でした。

「給料で日々の生活はできるので貯金は最悪なくなっても良い」と思った

こう考えてみると、そもそも、日々の生活は給料で賄えているので、この貯金は最悪なくなってもかまわないかもしれないな、と思いました。うまく行けば回収できるし、将来このワンルームを使うこともできるし、そうは言っても消えてなくなることもないだろうといった、緩めのリスク計算をしました。

もともと貯金をする癖はありましたし、仕事が忙しすぎてお金が使えない仕事でした。ボーナスもけっこうある良い仕事だったので、投じたお金がなくなってもまた貯められるというのがその時の考え方でした。若かったのですね。

最悪、給料で日々の生活はできるので貯金は最悪なくなっても大丈夫、さらに言えば、不動産投資からの収入は投資に使った貯金を回収する意味で、一切手をつけず、生活費などにしないと決めました

結局、「損益通算」は使わなかった、使えなかった

また、もともと会計事務所にいた私ですから、物件から赤字が出れば、給与収入から支払った税金が返ってくるということも知っていました。朴訥なセールスマンではなく、あとで登場して強烈にセールスしてくる取締役と若手営業マンが繰り返し言ってきたセールストークが「損益通算」でした。

曰く、「不動産で損を出せば、とられた税金が取り戻せる」とのこと。まるで損をすると得をするみたいな話でした。文京区のこの物件以外に、その不動産会社が開発中の新築物件を薦めてきます。損益通算ができます、というシミュレーションつきです。

損をすることが良いことなんてあるはずがないと思った私は、彼らが薦めてくる新築物件の購入は聞き流し、中古のワンルームを買ったのでした。

結果的にこのワンルームは損益通算するようなこともなく、買った初年度から黒字で、きちんと納税しました。初年度は数万円しか残りませんでしたが、その後は、手元に年間60万円のお金が残るようになるわけです。


まずはワンルームを増やし続けようとする日々

ひとつ手に入れると、面白くなります。お金が通帳に貯まっていくのです。まるでロールプレイングゲーム。うまく仕組みが作れれば、毎月お金が記帳され、残高が増えていくのです。チヤリーンって。

しかも、ワンルームは管理もしてくれますから、ほとんど手間がかからない。報告と指示で終わるのです。忙しい仕事でも、これならできると思いました

この後も、この不動産業者の営業マンや役員と何件も物件を見て回りました。中古、新築両方をいくつも見ました。その間にいろんな話をしました。当時は2002年で不動産投資があまりメジャーではない時期です。他の人がどんな買い方をしているのか聞いては刺激を受けたものです。

ワンルームは楽ちんだし、入居が固いので買い進むことにしました。もともとお金を使わないし、貯金する癖があるので、貯金は貯まります。月々の収入以下で暮らしていますから、さらには、ボーナスに手をつけることもなく、それも貯金です。

それから、物件からの家賃収入も手を付けていませんから、こちらも貯まります。次に買う時には、自分の給与収入からの貯金と合わせて家賃収入も投資に回すことにしました。

たしか、この時期に『金持ち父さん、貧乏父さん』が出版されたと思います。まさにロバート・キヨサキのいう「労働収入を資産に変える、資産に資産を買わせる」という方法を自分はやっているのだなと、ちょっとだけ納得したりしました。

2戸目は川崎、3戸目は横浜に買いました。横浜は、事情があって、その後早めに売却しました。川崎の物件は、文京区の物件と同じく、長くもっていました。今考えても良い物件でした。3戸とも現金買いでした。

不動産投資のいいところは、仕組みができているので、良いものが手に入る方法をつかんだら、それが何度も繰り返しコピーできるということです。営業マンからは、ワンルームを何十戸と持っている人の話を聞かされていましたから、同じやり方なので、どんどんコピーすれば、いくらでも増やせると思ったものでした。

一棟物にチャレンジ、でも、チャレンジと言うほどではない

ワンルームが回るので、今度は一棟物にチャレンジしようと思いました。規模が大きくなっただけで、仕組みやお金の回り方は一緒だと思い、チャレンジすることにしました。一棟物のスタートは、ある信託銀行系の不動産会社の池袋の店舗に行ってみたことでした。

「一棟物の投資を考えている」というと、またまた朴訥な営業マンが登場しました。私はどうも朴訥な営業マンに縁があり、弱いようです。朴訥な営業マンからの勧めにより、この後練馬区の一棟物を買うのです。

価格は6000万円、1K×8戸、表面利回り8%です。駅から4分と便利で、ロフト付、いまは苦戦しますが3点ユニットです。さっそく買うことにして、ローンの先も相談しました。

親会社の信託銀行を紹介してくれるかと思いきや、系列ではないO信託銀行(当時)を紹介してくれました。


ローンを借りる力を最大限に使った一棟物の連続投資

O信託銀行は、当時からサラリーマンを主に貸し出しをしていました。サラリーマンは定期収入があるから貸しやすいらしく、すっと融資は通りました。こんなにすっと貸してくれるのならと思い、この後、このO信託銀行の担当者から融資を引いて、都内に4棟まで買い進めました。

ここで、支店の上限に達したのですが、本部と掛け合って融資枠を広げてくれて買い進めたのです。サラリーマンとしての立場を最大限活用して、借りられる枠いっぱい以上まで行きました。

その後、この銀行の融資は、他行からの金利引き下げ・借り換え攻勢を受けたため、借り換えをしてしまいました。当時の行員もいなくなり、疎遠になっていたのも原因です。

金融機関には融資枠があるのです。今思い返せば、O信託銀行の融資はそのままにしておいた方が、他行の融資枠を食わずにすんだな、という反省もあります。

サラリーマンではなくなった今、O銀行に限らず、業界では有名なS銀行も私には融資してくれません。サラリーマンじゃなくなって、サラリーマンとして融資を受ける力を喪失したからです。

このときのサラリーマンとして融資を借りた力は残しておくべきだったかもしれませんね。逆に、サラリーマンであることで借りやすい金融機関があるのですから、活用する先として考えるのは良いことだと思います。

貯金をする力と会計と税務の知識は必須

振り返ってみると、給与だけでなく不動産収入というダブル収入を作ってきたのですが、重要だったのは貯金をする力と会計・税務の知識だと思います。この二つの力があれば、お金がコントロールできます。

貯金ができる生活・体質であり、その習慣があったから、資金が貯められたのですし、増やしていくことができたのです。会計と税務の知識があったから、損をせずにお金を残していくことができたのです。

お金は使ってしまったり、とられてしまったりすると、なくなってしまいます。お金を残し、そのお金を使ってさらに資産を買い続けるのは、今で貯金する力と会計・税務の知識は必須だと思っています。ダブル収入を確実にするには、必要不可欠な力です。

さあ、サラリーマンのままダブル収入を構築しよう

サラリーマンは恵まれています。独立して思うのは、自分で稼がないと明日の収入も保障されないということです。

サラリーマンは少なくともある時期は収入が保証されているのですから、この身分を使って、この身分が使えるうちに、給与収入以外の収入の流れを作っておくべきでしょう。給与と合わせたダブル収入です。もちろん、不動産投資による収入以外にもいろんな稼ぎ方があります。

ちなみに、その方法については『サラリーマン「ダブル収入」―お金はもう自分でつくるしかない!!』で、是非お読みください。