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税理士・司法書士・大家の渡邊浩滋です。私は現在、税理士・司法書士として、総合事務所を経営しております。

開業当初から、「賃貸経営専門の税理士」としてやっており、クライアントは99%大家さんという、賃貸業に完全に専門特化しております。そのため、日々大家さんから数多くのご質問を頂いております。

2月16日から確定申告が始まります。そこで、今回は、確定申告時期に多い質問をQ&A方式で解説をしていきます。

Q1. 領収書がなくても経費にできる?

確定申告の資料を揃えていますが、何枚かの領収書が見つかりません。領収書がないと、経費として計上することはできないでしょうか?

A1. 領収書がなくても経費に計上することができる場合があります。

(1)領収書がない場合の対応

電車やバスでの運賃、仕事関係者の香典など、領収書がもらえないものもあります。

このように領収書がないものであっても、間違いなく支払った事実があれば、必要経費に計上することができます

ただし、何も証拠もないのに経費にしてしまうと、税務署から、本当に支払ったものなのか疑われることになりかねません。

ですから領収書に代わる証拠を残しておくようにしましょう。例えば、金額がわかるように、日付、金額、支払先などのメモをし、パンフレットや写真、HPなどがあれば取っておきましょう。

交際費などは、特に疑われやすい項目になるため、誰と行って、どんな内容の話をしたなどもメモしておくとよいです。

また、この方法は領収書がもらえないものや、誤って紛失してしまったものだけの対応方法です。全て領収書を紛失しましたでは、通用しません。

(2)確定申告書への領収書の添付

確定申告においては、経費の領収書や帳簿の提出は不要ですので、通常は添付しません。集計した結果を決算書や申告書に記載するだけになります。

ただし、領収書などの書類は5年間、帳簿は7年間の保存義務がありますので、税務調査があった場合には、提示しなければなりません。しっかりと保存はしておいてください。

なお、医療費控除など一定の所得控除を受けるための領収書は提出する必要があります(電子申告の場合は添付省略が可能です)。


Q2. 購入時の諸経費は経費か?

賃貸物件を初めて購入しました。購入に係る仲介手数料などの費用は、全て経費になりますか?

A2. 物件を購入した際にかかった諸費用のうち、必要経費に計上できないものがありますのでご注意ください。

以下の諸経費については、資産に計上することになります。

土地と建物の両方に係るものは、土地と建物の売買代金の比率で分け、それぞれの資産に計上します。

(1)仲介手数料

購入した減価償却資産の取得価額には、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。

不動産を購入するにあたり、不動産会社に支払う仲介手数料は、購入手数料に該当しますので、資産の取得価額に計上することになります。

(2)固定資産税の精算金

固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を保有している方に課税されるもので、年の途中で売却しても、納税義務者は変わりません。

そのため、不動産の引渡し時には、買主に引渡し以降の固定資産税の負担をしてもらうために、その固定資産税分を売主に支払うことで精算をします。

この精算金は、固定資産税そのものの税金ではなく、売買の慣習で行っているものに過ぎません。

ですから、税務上は、固定資産税の精算金は、売買金額の一部として取り扱うことになっており、取得価額に計上します。

(3)初めて賃貸経営をする場合における賃貸開始する前の借入金の利息

所得税法基本通達38-1の規定によると、「固定資産の取得価額に算入する」とされています。つまり、必要経費ではなく、土地や建物などの資産に計上することになります。

なお、賃貸を開始した後の期間に対応する借入金利息は、必要経費に計上することになります。

Q3. マイナンバーを記載しなかったら?

平成28年度の確定申告書からマイナンバーを記載しなければならないと聞きました。配偶者控除や扶養控除の対象となっている配偶者や親族のマイナンバーも記載しなければならないようです。

マイナンバーを記載しなければなりませんか? 記載せずに申告書を提出するとどうなりますか?

A3. 今のところ、マイナンバーの記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはないようです。また、記載しなかったことによる罰則などもありません。

ただし、マイナンバーの記載は、法律で定められた義務です。記載しなければならないものになります。記載しないことによって、後日、税務署からマイナンバーを記載するように連絡が来るという可能性もあります。

また、マイナンバーを記載できない理由があるのではないかと疑われ、税務調査を誘発する可能性も考えられます。

忘れずに、記載しておくようにしましょう。

初めて確定申告される方にとっては、わからないことが多いと思います。

不動産所得は注意点が多いですので、不明な点は、税務署や税理士に確認して、間違いのない申告をしましょう。