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楽待をご覧の皆様、はじめまして。セミリタイア大家兼、フリーライターをしている「優待×大家」こと栗林篤と申します。もともとライターとして楽待さんでいくつか記事を書いていたご縁から、今回、記名コラムを連載させていただく事になりました。どうぞよろしくお願いします。

まずは連載第1回目なので、簡単な自己紹介をさせてください。

1978年生まれの私が大学を卒業し社会に出たとき、世は就職氷河期でした。冷え加減は夏のデブの寝室の比じゃありません。連敗続きの就職活動の結果、なんとか卒業間際に情報誌出版会社から内定を頂き、制作の職に就くも1年ちょっとでリストラされてニートに。

その後は職を転々とするなかで、東証一部上場のIT企業でSEとして働くことになりました。聞こえはちょっといい感じかもしれませんが、その実態はフルタイムで頑張って働いても年収は300万円程度。年によっては300万円に届かないこともありました。

年収200万円台という自分の経済状況に思い悩み、じっと手を見る。ではなくて、活路を求め注目したのが「不動産投資」なのです。

現在はアパート1棟、戸建て5棟、区分1室を東京・埼玉に所有しており、2015年の夏にサラリーマンを卒業。フリーランスとして自分の人生を自分でコントロールする生き方を選びました。

以前の生活とうってかわって、満員電車に乗らず、8時間睡眠をとる、といったストレスフリーな生活が送れるようになりました。これもひとえに不動産投資の力によるところが大きいのです。

このあたりの詳しい経緯については拙著『サラリーマンのままで副業1000万円』(WAVE出版)もご覧頂けると幸いです。

不動産投資について語ることがない!?

さて、楽待でコラムを連載するにあたり、これまで無記名ライターとして裏方仕事ばかりしてきた私には悩みがありました。それは、「楽待コラムの執筆陣がそうそうたるメンバー」ということです。

それこそ、私が物件を一つも持っていない頃、あるいは規模を拡大させる過程で、ブログや書籍を読んで勉強させて頂いたレジェンド級の投資家さんが寄稿されているメディアです。「不動産投資の分野において、もはや自分が語る余地などないのでは」とさえ思えてきます。

そこで発想を変えて、ひとつの執筆しばりをつくりました。

それは「不動産投資メディアなのに、(なるべく)不動産以外のテーマでコラムを書く」というものです。まるでインド人を完全無視してインドカレーを作るような暴挙です。

まだページは閉じないで下さい! お願いします!

ここで皆様に一度お考えいただきたいのが、「何のために不動産投資をするのか」ということです。

サラリーマンを卒業するため?
老後の生活資金をまかなうため?
子どもの教育資金を捻出するため?

人によって動機は違えど、つまるところ「豊かな人生を歩むためのツール」としての可能性を不動産に感じ、それに賭けているのが我々ではないでしょうか。

とはいえ、僕らが進んでいる道は、「道端に誰かの亡骸が捨て置かれててもおかしくない」そんな険しい道でもあります。険しさ的にはアメトークでよく見る、足つぼロードの比じゃありません。

ですので、道の途中でちょっと立ち止まって周りを見渡して、不動産にプラスして人生を豊かにしてくれるツールを見つけるのも良いのではと思うのです。

優待×大家の誕生! 収入の複線化を意識

そこで私が提案したいのが、「株主優待」です。私のハンドルネーム『優待』×大家は、株主『優待』が由来でして、収入の複線化を意識して当時つけたものです。

とくに不動産投資を始めようと思ったら、まとまった自己資金が必要で、お金が貯まるのをずっと待ち続けるというフェーズがあると思います。その間、お金を遊ばせるのではなくて、不動産に比べたら投資資金のハードルが低い株(優待銘柄)に目を向けて、リスクの低い運用を行うのも一つの手です。(投資は自己責任で)

あるいは、持っている収益物件からのキャッシュフローで優待銘柄を買えば、ただ現金のまま銀行口座で眠らせる場合と比べて、配当+株主優待というインカムゲインを得られます。不動産と比べたら投資額が少ない分、再投資も容易です。

このように新たにインカムゲインを生む少額投資をすることを、私は「小さな複利」と呼んでいます。

はじめて買った株を振り返る

今でこそ優待株を100銘柄以上保有している私ですが、そのスタートは1つの銘柄を買ったことからはじまっています。

最初に買った株は(株)吉野家ホールディングス(9861)でした。

学生時代、バイト代を貯めて買ったものです。その頃の世の中はというと、ちょうどマネー誌の『ダイヤモンドZAi』が創刊し、ネット証券も登場し始めた時期で、金融ビッグバンという言葉が流行っていました。

最近、部屋の整理をしていたら昔の吉野家の株主優待券が出てきたので、記念に現在の株主優待券と並べてみました。

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上が現在の株主優待券、下が15年前の株主優待券

私が株を取得した当時は、株主優待として500円の食事券が年間1万円分もらえました。後に300円券に変更されて、現在は6000円分の優待券がもらえます。

2枚の券面を見比べると、昔より利用できる店舗が大きく増えているなと実感します。

そうなんです。じつは吉野家の優待券は「牛丼の吉野家」以外にも、うどん、ステーキ、お寿司といった、系列の外食店舗でも利用できます。ですから牛丼を食べない方や、女性でも利用する店舗が見つかるのではないでしょうか。

余談ですが、私の吉野家の取得価格は19万5000円なので、買ってからずっと含み損を抱えている状態です。たとえエントリーのタイミングが悪くても、株主優待+配当のインカムゲインが帳消しにしてくれるのが、優待株の良いところだと思います。

「不動産投資のことなら国内最大の不動産投資サイト『楽待』」において、敢えて株主優待の魅力を語る異端者ではありますが、不動産投資をしている方に、株に興味を持ってもらったり、逆に株式投資をやっている方に不動産に興味を持ってもらうきっかけになればと思います。

そして、これは拙著に書いた「ガチ勢がやってこないフィールドで戦う」を信条とする、私なりのコラムニストとしての生存戦略でもあります。連載打ち切りにならないように頑張っていきます!

もし途中でテーマが変わったら「ああ、何かあったんだな」と思ってください。

それじゃまた来世!