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みなさん、こんにちは! 不動産投資専門税理士の叶です。 お金を残す不動産投資コラム。今回は、2017年1月4日からスタートした、税金のクレジットカード納付について解説します。
どんな税金がクレジットカードで払えるのか?
2017年1月4日から、国税について、クレジットカードで税金を納付することができるようになりました。 納付できるのは次のような税金です。 所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税、源泉所得税(ただし申告分は2017年6月から)等。
これに加えて、附帯税である加算税や延滞税などの納付もできるようになっています。
固定資産税や自動車税などの地方税などについては、以前からほとんどの自治体でクレジットカード納付ができます。 今回の国税のクレジットカード納付ができるようになったことで、不動産投資に関係するほとんどの税金について、クレジットカード納付ができることになったんですね。
なお、利用できるクレジットカードは、以下のいずれかのマークがついているものです。 Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARD。
クレジットカード納付のメリット
では、国税のクレジットカード納付ができるようになったことで、どんなメリットがあるのでしょうか?
まず、クレジットカードでの納付は、夜間休日問わず、24時間365日いつでも納付できることが1つ目のメリットです。 平日の日中になかなか金融機関に行く時間の取れない人にとっては、時間の制約がなくなるので、かなり便利になるでしょう。
2つ目として、クレジットカード納付をすることで、資金繰りが楽になります。 なぜなら、納期限までに税金をクレジットカードで納付したとしても、カード会社が口座からお金を引き落とすのは、最大40日後だからです。
さらに、一括払いだけでなく、分割払いやリボ払いもできるので、資金繰りにはかなり貢献するでしょう。ただし、分割払いやリボ払いをすると、延滞税以上の手数料が掛かりますので、注意が必要です。
3つ目のメリットとしては、クレジットカード納付をすることで、カードのポイントを貯めることができることです。
ただし、こちらも次のデメリットの項目で解説しますが、クレジットカード納付は決済手数料が掛かるので、それとの比較をする必要があります。 また、本人の税金だけでなく、家族の分もクレジットカード納付することができるので、ポイントを貯めたい方にとっては、活用できそうです。
クレジットカード納付のデメリット
では次に、クレジットカード納付のデメリットを解説しましょう。
まず1つ目は、先ほどメリットの項目で出てきた決済手数料です。 クレジットカード納付をすると、決済手数料が掛かります。 金額は納付税額が最初の1万円までは76円(消費税別)、以後1万円を超えるごとに76円(消費税別)ですので、消費税を加えると1万円につき82円となります。
したがって、カードのポイントが1%付くなら、1万円につき100円で、決済手数料の82円を上回りメリットがありますが、0.82%以下だと決済手数料の方が高くついてしまいます。
個人カードだと1%の還元率は一般的ですが、法人カードだと0.5%程度の還元率のものが多いので、個人で納付する税金はメリットがありそうです。
では、個人カードで法人の税金を払えるのか? という疑問が出ますが、国税庁のサイトでは、「クレジットカード納付は、カードの名義人の方が行ってください」と記載されてあるので、法人の税金については、法人名義のカードでの納付が必要となると思われます。
2つ目のデメリットは、納税証明書がすぐに出ないことです。 クレジットカード納付をすると、納税証明書が発行されるまでに、納付から2週間ほどかかってしまいます。
したがって、金融機関から融資を受けるにあたって、納税証明書が納税後すぐに必要な場合は、クレジットカード納付は避けた方がいいでしょう。クレジットカード納付をすると、納税証明書発行に2週間かかるのは、固定資産税等の地方税も同じです。
今年からスタートしたクレジットカード納付。メリット、デメリットを把握して、うまく活用するようにして下さいね。
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