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こんにちは。銀座第一法律事務所弁護士、鷲尾です。

今回は、入居者が水漏れ事故を起こしたが、管理会社のミスで、入居者が本来加入しているはずの保険に入っていなかったことが判明して保険で対応できない、というケースのご質問です。

入居者が外出中に水漏れを起こしてしまい、その水が他の部屋にも損害を及ぼしていました。修繕費は入居者の保険でまかなわれると思っていたのですが、入居者の方が保険に入っていないことが発覚しました。

管理会社には、必ず入居者は保険に入っていただくようにお願いしていたのですが、契約更新のタイミングで忘れてしまったようです。

約束を守っていなかった管理会社に、この修繕費を請求することはできないのでしょうか?

入居者の過失による水漏れ事故についての損害賠償義務は入居者にある

水漏れ事故が起きる原因は、建物の老朽化によるものから人為的なものまで様々ですが、水漏れは大抵のオーナーが経験するといってよいくらいよく起きる事故です。

ご相談のケースは、入居者が外出中に水漏れを起こしてしまったというのですから、具体的な事情は分かりませんが、入居者の過失による事故とみてよいようです。

入居者の故意もしくは過失により水漏れ事故が発生し、これにより損害が生じた場合、入居者は、貸主に対しては賃貸借契約上の管理義務違反等による債務不履行として損害賠償義務を負います。

また、他の借主らに損害を与えた場合は、不法行為(民法709条)に基づいて、やはり入居者がその損害を賠償すべき義務を負います

保険加入が契約条件の場合、入居者は保険に加入する義務がある

事故による損害に備えて、オーナーは自分で保険に加入していることが多いでしょう。たとえば住宅総合保険に加入している場合、損害賠償特約が付されていることも多いです。損害賠償特約が付されていれば、保険によって損害賠償金が支払われる可能性があります。

こうしたオーナーのための保険とは別に、最近では、入居者に損害保険に加入することを義務づけていることが多いと思われます。

賃貸借契約において、入居者が損害保険に加入することが賃貸借契約締結の条件とされている場合には、その物件を借りようとする者は、保険契約に加入する義務があります。

保険への加入を契約の条件とすることは、入居者に保険への加入を強制しているようにもみえます。

しかし、保険加入は借主にもメリットのあることですし、かりにどうしても保険に加入することが嫌ならその物件を借りるのを止めればよいだけのことですので、保険加入を賃貸の条件とすることに問題はありません。