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みなさん、石川貴康です。確定申告花盛りの今日この頃ですが、このコラムが公開される頃には、もう確定申告は終わっているでしょうね。私は、今年の確定申告の着手が遅れていて、だいぶ追い詰められてきています。

口座引き落としなので、納付は4月ですが、毎回4月に結構な税金を支払うので、大変です。予定納税で資金需要は平準化されてはいるものの、逆に、なぜ昨年の納税額を根拠に期中に税金を取るのか、あまり気分の良くない制度です。ローンを組んで不動産投資をしている場合、利益と手残りにおおきな乖離があります。税金は利益に対してかかるので、現金がなくても支払いをしなければならず、本当に大変です。

そういえば、最近セミナー講師をしています。拙著「今すぐプライベートカンパニーを作りなさい」の名を冠したセミナーです。何度回しても満席で、この話題は皆さん関心が高いのですね。

毎回、参加者に不動産は既に投資済みかを聞いています。この質問には、会によってばらつくものの、まだこれからの人が半分くらい、個人で投資している人が4分の1、法人でも投資している人が4分の1といった感じです。

最近の個人の所得税の増税、給与の伸び悩みによる副業への関心、会社に副業がばれないようにするため、といった様々な関心によって「今すぐプライベートカンパニーを作りなさい」というメッセージは効いているようですね。

さて、せっかくなので、今回はこのセミナーでも取り上げている「不動産投資は法人が得か、個人が得か」を話したいと思います。

実態としては、法人でも個人でも、経費は同じように計上できますし、減価償却もできます。固定資産税も損害保険も差がありませんから、大きな違いはないのです。しかし、そうはいってもそれなりの違いもあるので、簡単に違いを見て、それぞれのメリット・デメリットを比べてみましょう。

法人で不動産投資をするメリット

法人で不動産投資をするメリットはいろいろあるとは思いますが、だいたい以下の3つではないかと思います。

(1)利益・所得に対する税率の低さ(ただし、ある程度稼いだ場合)

利益、または所得に対する税率は、ある程度稼いだ場合、法人税の方が低くなります。もちろん、あまり稼ぎがなく、不動産による収入が低く、結果的に所得税の税率が10%、20%程度であれば所得税の方が得です。

しかし、日本は累進課税の国です。所得が高くなるほど所得税率は高くなっていきます。どこが分水嶺か、ということは税率だけでは言いにくいので、ここでは明言しません。とりあえず法人税率は今のところでは23.4%。これに、地方法人税率4.4%。地方税として法人住民税が12.9%(大企業だと16.3%)、均等割7万円(規模に応じて増額)となります。だいたい40%でしょうか。

一方、個人の所得税は今年度の国税庁の資料によると、以下になります。

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円を超え 330万円以下

10%

97,500円

330万円を超え 695万円以下

20%

427,500円

695万円を超え 900万円以下

23%

636,000円

900万円を超え 1800万円以下

33%

1,536,000円

1800万円を超え 4000万円以下

40%

2,796,000円

4000万円超

45%

4,796,000円

これに住民税が所得10%と均等割りがかかります。都民の場合、均等割は所得金額にかかわらず定額で課税され、都民税1500円、区市町村民税3500円です。

さて、所得が低い場合は所得税が有利=個人での投資が有利ですが、不動産の場合はあっという間に数百万の家賃収入となり得るので、これを今勤める会社の給与と合算すると、すぐに税率が上がっていきます。そのため、それなりの規模になる場合、税率を考えるとどう考えても法人での投資が良いと思います。

また、復興税も法人は早々に廃案になりましたが、所得税は2.1%の復興税税率が加算されたまま25年間取られ続けます。

サラリーマン収入と不動産収入が900万円を超えると、33%+均等割り+復興税ですから、合計の収入が1000万円を超える場合は個人の税率が法人を上回る可能性がありますね。しかも、個人は今後も増税され、法人は優遇されていくと思われるので、個人はつらいなあ、と思うのは私だけでしょうか。