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投資家の皆さんに、ぜひチェックしてほしいオススメのビジネス誌を特集ベースで取り上げ、5分で概要がつかめるようご紹介する当コラム。今回取り上げるのは、日経マネーの特集「目指せ! 老後資金1億円」。人生100年時代といわれて久しいが、一体「1億円」も必要なのか? どうやってそんなに貯めるのか?

年金カット、消費税アップがじりじりと私たちを追い詰める

つい先日、「国民年金法等改定案」が衆院厚生労働委員会で採決された。これまで賃金が下がっても年金額に影響はなかったのが、これからは賃金の下落に合わせて年金の受給額も減らされるようになる。野党がこぞって「年金カット法案」と批判するように、私たちの年金はどんどん減らされていくのだろうか。不安は募る。私のような自営業者はさらに不安だ。

同誌でコメントしているニッセイ基礎研究所の中嶋邦男氏によると、「(現役世代が受け取れる年金額が)今より目減りするのは避けようがなく、2割程度のカットは覚悟しておいた方がいい。仕組み上、国民年金の目減りが大きいので、該当する人は特に注意が必要」。国民年金だけのフリーランスは、より貯蓄頼みになるだろう。会社には頼れない。

おまけに予想されるのが消費増税だ。年金の支給開始年齢はどんどん上がるだろうし、介護保険料、医療の自己負担もアップしていく。なんだか暗い話ばかりだ。

まずは60歳時点で4200万円の預貯金を

これからは働き方が変わり、60歳を定年とする生き方は過去のものとなる。「生涯現役があたりまえ」になっても、やはり60歳は人生の節目なのだろうか。同誌によると、まず目標にしたいのは「60歳で4200万円の預貯金」

さらに安心老後を迎えるには、(1)生涯積極運用(2)生涯現役(3)辛くない倹約―の3つが必要……というが、株の知識が全くない状態でも大丈夫なのか? ご安心を。同誌には長期運用に向いた「安定配当銘柄」がずらりと並んでいる。

10年間減配のない銘柄を眺めると、小林製薬やキッセイ薬品工業、花王など、製薬会社や安定した内需ビジネスモデルを構築している企業、技術力のあるメーカーが目立つ。運用の仕方も、その道のプロが誌面で詳しく解説してくれる。

そういえば筆者の祖父も長年、株をやっているが、一喜一憂せず長期的に運用しているようだ。教えを乞うてみたところ、「まずは自分が関心のある業界から始めるといい」そう。業界の動きに興味を持ち、続きやすいからという。改めて、同誌の事細かな解説を熟読するとしよう。

50代前半から「生涯現役」で生きる準備を進めて

運用で少しずつ資産を蓄えると同時に、「遅くとも50代前半から『生涯現役』のための準備を進める」ことも必要だ。今の会社での継続雇用より、再就職や起業を目指すのが推奨されている。好きな庭いじりの経験を活かして、農業がしたい」とか「B級グルメが好きだから、ラーメン店を開業」など「好きなこと」を軸にすると失敗しやすい(これは痛い指摘かも……)。

それより「できること」を探し、組み合わせて市場に食い込むのがいいという。「できることを探しで再就職」は、自分の能力を今一度、冷静になって振り返る作業でもある。

30代や40代で専門性を身につけ、人脈をたくさん作っておけば、50代後半から「新しい働き方」にシフトできるチャンスは高まる。若い時期から退職後のキャリアを意識……となると、もう、いつから老後が始まっているのか分からない。

前向きに捉えるなら、現在のキャリアを豊かにしておくことは、老後のためというより、張り合いに満ちた仕事人生を送るための一方策なのだろう。目の前の仕事をがんばりつつ、将来を見据えたキャリア形成を行う。それができれば、「安心老後」は遠くない。