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こんにちは! 不器用主婦でも夫に頼らず月50万円の家賃収入! 主婦大家なっちーこと舛添菜穂子です。

今日は1戸目に購入した大阪府吹田市の戸建てについて、インターネットで見つけてから購入に至るまでを思い起こし書いていきたいと思います。やっぱり1戸目を購入したときの思いは特別です。これから物件を購入される方に、ご参考になれば幸いです。

1戸目の物件との出会いから問合せまで

結婚を機に住み慣れた関西から関東へ引っ越した私は、土地勘のないまま都内の物件を見つけては内見しておりました。しかしやっぱり都内は高くて、500万円以下なんて物件はありませんでした

今思えば、前回の記事にも書いた「目黒駅徒歩8分・25平米・バストイレ別・フルリノベ済み・980万円(最終価格880万円まで値下がりました)」はお買い得だったと分かりますが、超初心者の私が1戸目に1000万円近い物件を買うなんてハードルが高過ぎました

その点大阪には安い物件がゴロゴロしております。結局は売主さんの都合で買えませんでしたが、最近大阪で購入が決まっていた物件は、借地ですが地代8000円/月で名義変更料なし、物件価格は70万円でした。賃料5万円くらいは取れると思うので、リフォームに100万円かかったとしても実質利回りは30%(あー、欲しかったな)。とまあ、こんな感じで、交渉を頑張れば超高利回り物件を手にしやすいのが大阪です。

1戸目の大阪府吹田市の物件はインターネットで見つけました。見つけた時の価格は500万円。吹田駅から徒歩5分程度、62平米の戸建てが500万円です。私の実家は最寄り駅からバスで10分、バス停からも5分に加えて、坂の上にあるので車がないと不便な場所。もし雪が降ったら坂を下りるだけでも一苦労。独身OL時代、出勤するために最寄り駅まで歩いたのですが駅まで2時間かかりました。そんな経験から、私は駅近に憧れていました。

不動産投資ブームの今、このやり方はあまりお勧めしませんが、私はその物件を見つけてからすぐに問い合わせはしませんでした。お気に入りに登録し、しばらく放置していたのです。問い合わせしてもすぐには見に行けないので、また大阪に行くついでができた時でいいか。と、のんびり構えておりました。

そんなある日、親戚に不幸があって急遽大阪に帰ることになりました。小さい頃からとっても可愛がってくれていた叔父の死。物件のことは忘れていましたが、お葬式も終わって落ち着いた頃、お気に入りに登録していた吹田の物件のことを思い出しました。

せっかく大阪に居るんだから見に行ってみよう。関東に帰るその日に父(のちに自分も大家さんになる、86万円戸建てオーナーの父ヒロシ)に打ち明けました。

私「お父さん、帰る前にちょっと寄ってほしいところがあるんやけど」

父ヒロシ「なんやねん」

私「実は、いずれ大阪に帰ってきたいと思ってて、たまたま良さそうな物件を見つけたんやけど、一緒に見に行ってくれへんかなあ?」

父「ええよ」

このとき父が何を思っていたかはわかりませんが、嫁いだ娘がいきなり帰って来ると言いだしたにもかかわらず、すんなりOKしてくれました。

そこからやっと業者さんに問い合わせをしたのですが、あいにく今日の今日では物件を見ることができず、その日は外観だけ見て帰ることにしました。築35年と古い物件ではありましたが外壁の一部が煉瓦で施されており、私にはとても素敵な物件に映りました。

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大阪府吹田市の物件

仲介業者さん曰く、「最初は強気の1000万円で出していたもののなかなか買い手が見つからず、どんどん下がって500万円まで来たのですが、今だったら400万円まで交渉できると思いますよ」とのことでした。あのときすぐに問い合わせせずに放置していたのは良かったと思いました。


いよいよ内見

それから数日後、いよいよ内見させていただくことになりました。とは言っても私は関東に帰ってしまったので、パート主婦の私がそのためだけに大阪に行くには時間的にも金銭的にも難しかったのです。

そこで思いついたのが「実家の両親に見てもらおう作戦」。その物件から一番近い場所にあるリフォーム業者さんをネットで探し「まだ購入は決まっていませんが、ほぼ買うと思いますので同行お願いします。条件が合えばリフォームをお願いすると思います」と、遠隔で業者さんを手配しました。そして当日、娘に騙された両親とリフォーム業者さんとで、本人不在の内見が決行されました

はたしてお部屋の中はどうだったのか

親には見た感想をそのまま伝えてほしいとお願いしていました。投資家さんは物件を内見する際に、利回りをはじめ採算が取れるかどうかを判断すると思いますが、娘が住むための家として内見している両親は、収益のことなんて一切考えていません。

余計な情報を入れず、純粋な気持ちで内見してほしいという想いがありました。そして両親の感想は「意外といいかも」でした。その言葉で私は購入に踏み込めたと思います。

同行していただいたリフォーム業者さんもとても良い方で、床下から屋根まで隅々写真を撮って送ってくださいました。プロの方から、シロアリもいないし屋根も大丈夫とお墨付きをいただいたので、益々購入意欲が湧きました。

買い付けを入れる前に無茶な指値をする

内見の結果が良かったので、購入したい旨を仲介業者さんに伝えました。400万円までは下がるだろうと聞いていましたが、できればもう少し安く買いたい。私は、とある本を読んで「鬼の指値=鬼指し」にとても憧れていたので、「何としてでも指値をするぞ」と、そのことばかり考えていました。どうやって交渉したかは覚えていませんが、業者さんに無理を言って、売主様に400万円から更に交渉していただきました。

そして、なんとか400万円から360万円まで下げていただいたのですが、給湯器を交換しなきゃいけないことを理由に、更に10万円下げていただきました。このときの私は安く買うことに執着しすぎて、仲介業者様と売主様のご気分を害してしまっていたことに気づきませんでした。買付証明書は金額が確定してから記入し、FAXを流しました。

いよいよ契約

実は私、この物件の購入が決まった直後に、手術を受けたるため5日間入院しておりました。なので契約に必要な持ち物等のやり取りは病室から行っていたのです。入院しながらも物件を購入し業者さんと契約の打ち合わせをしている自分がかっこいいと思いました。

入院中は大阪の母が上京していてくれていたので、契約日の前日に一緒に大阪に向かいました。東京駅で売主様へのお土産用に、私の大好きな「ねんりん家」のバームクーヘンを購入。

そして、現金350万円を新札で下ろしました(これらも某有名著者様の手法を真似しました)。現金350万円なんて見たことがなかったので、思わず写メを撮ってしまいました。

一生懸命貯めた350万円

一生懸命貯めたこのお金は、明日一気に無くなってしまうんだと思うと、少し寂しい気持ちです。

契約当日、この現金350万円を抱きかかえながら、父ヒロシの車で契約場所である不動産会社へ向かいました。はじめての物件を購入できる喜びとは裏腹に、「私、本当にこれで良かったのか?」と不安もよぎりました。

一生懸命貯めたお金は一瞬でボロ戸建てに変わってしまう。隣でいつものように演歌(毎回同じ曲)を聴きながら、ただ目的地まで送る父。きっとこの人は私が隣で今どんな気持ちでいるのかなんてわからないだろうなと思うと、その演歌がとても耳障りに感じてしまい、私はスマホに入っているお気に入りの曲を聴きながらテンションを上げて平常心を保ちました。

売主様・仲介業者様と初対面

契約場所である不動産会社に到着しました。道が少し渋滞していたのですが、「やっと着いた」というよりは「着いてしまった、どうしよう」という感じでした。

契約には父も母も同席してくれました。これまで散々やり取りしていた業者様ともこの日が初対面です。(あ、こんな感じの人だったんだ)と心の中で思いました。売主様はまだいらっしゃっていません。

「おー、すまんな。ちょっと道が混んどってな」と、父。

私にとってこの日が人生の晴れの日のようなものですが、ただ同席するだけの父は、いつものチョッキ姿にサングラス。この絵面だけを見ると、どっかの地主が新しい物件を契約するのについてきた娘。どこをどう見ても、私が買主だと思う人はいないでしょう。

そうこうしている間に売主様登場! 若いご夫婦でした。物件を安く買い叩かれたのでちょっとムスっとされている感じです。私はすぐさま立ち上がり笑顔で「この度は素敵な物件をお譲りいただきありがとうございます! これ、お口に合いますかわかりませんが私の大好きなバームクーヘンです」と即座に手土産をお渡ししました。

買主が父ではなく私だということに驚かれたご様子でしたが、この行動で強張っていた売主様のお顔が少し和らいだ様に感じました。40年間土木関係の仕事をしていた父は、契約中もちょくちょく口を挟んできましたが、なんとか無事契約終了。

最後に持参した350万円を売主様に渡しました。すべて新札だったので数えづらそうでしたが、私がこれまで貯めてきた350万円が売主様ご夫妻の手で丁寧に数えられました。

「あー、もうこれで後には引けない。やるしかない」と、覚悟した瞬間でした。