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こんにちは! 不動産鑑定士、不動産投資コンサルタントの浅井佐知子です。

先日、「民間銀行の融資の伸び率が高まってきた」というニュースを読みました。

「2月の貸出・預金動向速報によると、全国の銀行(都市銀行、地銀、第二地銀)の平均貸出残高は前年同月に比べて2.9%増え、約8年ぶりの高い伸びとなった。M&A(合併・買収)向けや、アパートローンを含めた不動産向けの貸し出しが増えていることが背景にある」という内容でした。

晩婚化などから出産年齢が上がっている今、定年を迎えても子供はまだ大学生、という親御さんも増えているようです。将来の定期収入を確保するためにも、まだまだ不動産投資熱は続きそうです。

そこで今回は私から見た、「素人投資家が陥りやすい4つの罠」について書いていきたいと思います。皆様もこういう罠に陥らないよう、気を付けてくださいね。

罠 その1:利回り至上主義

不動産投資を行う上で「利回りが高い」ということは、とっても重要です。ただし、ひとつ忘れないで欲しいことがあります。それは通常利回りが高いということは、リスクが高いということです。

例えば為替で考えると、リスクの高い国の金利は高く、先進国の金利は低い傾向がありますが、不動産の利回りも為替と同じです。

利回りが高い不動産をあげると、

・飲食店ビル(特に風俗関係のビルは利回りが高いです)
・物販店舗ビル
・事務所ビル
・築古アパート、マンション
・地方物件

となります。「この一棟マンションどう思いますか?」と相談された物件をよく見ると、利回りは高いのですが、半分は居住用、残りの半分は事務所使用となっているビルが意外と多いです。

事務所は一旦空いてしまうと、なかなか埋まらないリスクがあります。また契約関係も複雑で、取り扱う業者も限られます。初心者が所有するには難易度の高い物件ですが、利回りの高さに購入してしまう場合も多いのです。買った後で、苦労している投資家さんをたくさん見かけるので、要注意です。

利回りが高い不動産を見たら、「なぜ利回りが高いのだろう?」と疑ってみてください。

罠 その2:積算星人

不動産業者さんを訪ねて、「積算価格が高い物件を紹介してください」というお客様に対して用いられるニックネーム(?)が、「積算星人」なのだそうです(笑)

あまりにも的を射た名づけに思わず「その通り!」と思ってしまいました。

不動産を買い進めるには、資産としての評価が出やすい「積算価格の高い物件」を選ぶのはある程度は仕方がないと思います。ただし、積算価格の高い物件と資産価値の高い物件は決してイコールではないのです。

積算価格のうち、土地の価格は相続税路線価で評価されるため、都心であればあるほど、実勢価格とのかい離が大きく、積算価格は低く出ます。

積算価格が高い不動産をあげると、

・都心から離れた広い土地にアパートがぽつんと建っているようなところ。
・地方のRC造マンション。実は、地方は実勢価格よりも路線価のほうが高い地域も多いのです。そういう場所に建っているRC造は、土地も建物も評価が高くなります。

いずれも資産価値という側面から見ると、低いと言わざるを得ません。

中にはたまにですが、積算価格もそこそこ高く、資産価値も高く、利回りも良い、という不動産もあります。めったに出ないですが、売主さんが売却を急いでいる場合や、仲介業者の査定が甘い場合にこういう物件がひょっこり出てきます。

特に売主はもともとの「地主」さん、売却は賃貸をお願いしていた「管理会社」というパターンは狙い目です! 賃貸管理会社は良い物件を安い価格で売却している場合が多いので、当たってみてくださいね。

話はそれましたが、積算価格を重視するのはいいですが、資産価値の観点からも判断してください。くれぐれも「積算星人」にならないよう、気を付けましょう。