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2016年は主にゲーム業界で「VR(バーチャル・リアリティ)」が大きな話題となり、2017年も引き続きさまざまな分野でVRが活用されようとしている。もちろん不動産業界にもこのVRは導入されつつあるが、この他にもさまざまなIT技術が導入されている。今回は不動産オーナーが注目すべき最新のIT管理技術について関係者に話を伺った。

スマートロックの導入で、もう鍵は無くさない!

最初に訪ねたのは、鍵の代わりにスマートフォンを使用する「スマートロック」のメーカー、Qrio株式会社。経営本部の増田裕理さんに、同社のスマートロック「キュリオ スマートロック」について伺った。

同社の「キュリオ スマートロック」は、ドアに取り付けることで鍵の「サムターン(鍵を開閉するツマミの部分)」をスマホで操作できるようになるというものだ。その取付けは非常に簡単で、付属の両面テープでドアのサムターン付近に取り付けるだけである。

従って、賃貸物件であっても取り付けることが可能になっている。取り付けたスマートロックは、アタッチメントを交換することで、さまざまなタイプのサムターンに対応できるため、市販されているほとんどの鍵で使用可能である。

ドアに取り付けられた「キュリオ スマートロック」

このスマートロックは基本的に、スマートフォンの画面操作で鍵を開閉することができる。また家の中から外に出る場合は、単純にスマートロック本体のつまみを操作することで鍵を開けることができる。また「オートロック機能」がついており、解錠してから一定時間が経つと自動的に鍵を閉めてくれる。利用者からは「この機能だけでも買った価値がある!」との感想が寄せられるなど、大変好評とのことであった。

スマートロックの操作画面

またこのスマートロックを開ける鍵は、ネットを通じて指定した人物に「シェア」することも可能になっている。つまりいちいちメーカーを通さなくても、合鍵を作成することができるのだ。

さらにこの合鍵には有効期限(日付・時間など)を指定することもできる。不動産物件のオーナーは内見のために物件の玄関付近に合鍵を保管しているケースが多いが、このスマートロックを使えば、いざ内見の際に合鍵が見つからない、または保管していた合鍵を不正に利用される……といったトラブルが解決できるだろう。

「キュリオ ハブ」の開発でさらに用途が広がる

この「キュリオ スマートロック」は2014年12月〜2015年3月に行われたクラウドファンディングで集められた2,750万円の資金を使い、2015年の8月に発売された。さらに2016年12月には「キュリオ ハブ」が発売されている。

この「キュリオ ハブ」とは、ブルートゥース機能を使うためにスマートフォンから15メートル以内でなければ操作できない「キュリオ スマートロック」について、インターネットを経由することで、どこからでも操作できるようにした装置である。

この「キュリオ ハブ」を使えば、外出先からでもドアの開閉履歴をスマートフォンで確認することができる。たとえば「長期の旅行に出かけた際の留守確認」、また「通学する子供の帰宅確認」、さらには「不在時に訪れた知人のために鍵を開けること」も可能となる。不動産物件のオーナーはスマートロックを導入することで、これらのメリットを物件の魅力としてPRすることができるだろう。

「スマートロック」は他社も手がけているが、「内見用」「オフィス用」などの用途に特化しており、すでに対応可能な鍵の種類や価格の面で同社の「スマートロック」(メーカー希望小売り価格18000円)が「一般消費者用」としてはシェア第1位となっているとのこと。

不動産物件のオーナーや一般の利用者からは「内見の鍵の受け渡しの手間が省けた」「物件のPRポイントにできた」「鍵忘れがなくなった」「大荷物のときなど、駐車場から鍵を開けておける」「子供がいるから安心」「彼女を家に連れてきたときに自慢できる」などの声があるという。

このようなスマートロックの利用はますます広がりを見せており、賃貸業界大手の株式会社レオパレスは2017年10月以降に完成する同社の賃貸物件「レオパレス21」の新築全戸に採用を予定している。

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