同じエリアにある不動産でも、接道状況によって資産価値に大きな差異が生じる。建築基準法では「建築物の敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しなければならない」と定められており、接道義務を満たさない物件は「再建築不可」として扱われる。将来の建て替えが難しいため担保価値が低く、ほとんどの金融機関で融資が期待できないことから「初心者にはおすすめできない」と紹介する不動産投資本も多い。しかし、そんな再建築不可物件を「あえて」購入する不動産投資家もいる。彼らの投資判断はどのようなものだったのか。

Case.1 世田谷の再建築不可戸建をフルリフォーム

「もともとは屋根に大きな穴が空いていて、空が見える状態でした。2階の押し入れを開けたら、鳥の巣が見つかるような有り様だったんです」

長らく市場で見放されていた築52年の再建築不可戸建をフルリノベーションし、賃貸住宅として蘇らせた不動産投資家のGさん(50代)。世田谷という立地に加え、建物までのアプローチ部分や隣家の様子などから総合的に判断し、傷みが激しい物件の購入を決めた。最寄り駅周辺は近年再開発が進み、カフェが複数出店するなど住みやすい街として再評価されており、街の「伸びしろ」も投資を後押し。購入にあたって、再建築不可物件にも融資を出すノンバンクから700万円を調達した。

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