出典:イオン三世の気になるニュース

一口に不動産投資と言っても、区分所有でのマンション投資や一棟買い、中古物件のリノベーションなど、そのスタイルはさまざま。今回は、一般的には「投資に向かないので避けるべき」とされている、築古や再建築不可物件ばかりを所有する不動産投資家、イオン三世さんに話を聞いた。

格安で物件購入、利回りは驚異の64%

「数年前、『俺、不動産持ってるんだ』って言えたらカッコいいなと思ったのが、不動産投資を始めたきっかけです(笑)。資金100万円しかなかった自分が買える物件を探していったら、横須賀の築40年の平屋2LDKを見つけました」

築古の長屋で壁を隣と共有しており、再建築は不可。「雨どいが壊れていたり、壁紙のクロスがはがれていたりしたんですが、水回りと電気系統はしっかりしていました。価格200万円のところ50万円で買い付けを入れたら、65万円で購入できたんです」

戦略的に築古を探したというより、自分が始められる範囲で不動産投資家を目指したところ、結果的に現在の物件にたどり着いたのだった。

物件は囲繞地に囲まれた土地(袋地)にあり公道に面しておらず、建て直しができないもの。修繕をし続けるしかないのだ。

もちろん、経費節約のため雨どいの修理やクロスの張り替えなどは、自分で行ったという。

現在も家賃3万5000円で貸し出せているので、表面利回りは約64%ですね。もう3年ほど持っているので、十分に元は取れちゃいました。建て替えるだけの費用対効果を見込めないので、不具合が出たら都度修繕をして貸し出していきたいと思っています」

正直に伝えること

驚異の利回りをたたき出しているが、値引き交渉のコツなどはあるのだろうか。

「物件の管理会社さんに『資金はそれほど用意できないけど物件はほしい!』と元気よく堂々と伝えることでしょうか(笑)。正直、不動産屋としては、物件の金額によって得られる手数料収入が変わるため、あまり少額の物件は扱いたくないはず。だから、自分が面倒な大家さんにならないようにして、管理などは一括してお願いしています。『入居さえ決まれば、こちらの(大家の)顔色を伺ってくれなくていいから』というスタンスですね」

こんな手法で、イオン三世さんは徐々に物件を増やしていく。

同じ横須賀市内でもう2軒、葛飾区の金町で戸建てを1軒所有しています。いずれも100~150万円程度で購入した築古の物件で、自分で最低限の修繕をして貸し出しています」

出典:イオン三世の気になるニュース

そのうちの1軒は、当初100万円で購入した借地権付きの底地だった。「上物はそこに住んでいた高齢女性が所有していたのですが、女性がそこを出るときにタダで譲ってくれました。女性は不動産屋さんに紹介してもらった、偶然の出会いを通じて知り合いましたね。そんなノリでやっているので、『物件がほしい』という人がいたら、お譲りすることもできますよ」

そんなラッキーも手伝って、現在も収支は上々だという。

不動産屋でのバイト経験が役立った

イオン三世さんは、つい先日までフリーターという肩書きも持っていた(2016年11月に就職)。数年前『フリーター、家を買う。』というテレビドラマが人気を博したが、まさにそれを地で行っていた形だ。

「子どもが2人いて、今度上の子が小学校に上がることから、さすがにそろそろ……と思い就職しましたが、39歳になるまでずっと就職せずに、コンビニのアルバイトからアパレル、レンタカー屋、不動産屋などさまざまな職場でバイトをしていました。

特に不動産屋でのバイト経験は大家さんになるのに役立ちましたね。空き時間に物件を探せますし。現在も不動産仲介の会社で社員として働いています。融資を付けずに現金で買えるならば、フリーターでも大家さんになれますよ。ちゃんと就職したので、今度は融資を引いてアパート一棟に挑戦してみたいですね」

不動産投資には、資金が必要でハードルが高いイメージがある。そんな常識を打ち壊してくれるイオン三世さんの存在は、正社員でなくても、あまり予算がなくても不動産投資を始めてみたい人の背中を押してくれるのではないだろうか。 

イオン三世さんプロフィール

不動産投資家で二児の父。長くフリーターとして働いていたが、2016年11月に不動産仲介会社に社員として就職。自身のブログ「イオン三世の気になるニュース」で、不動産投資に関する情報を発信中。

http://ion3kininaru-news.com/